今後金利は急上昇する? 「固定金利」がいいの?「変動」は怖いの? / 【REDS】 堀 | 仲介手数料無料のREDS

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皆様こんにちは。

首都圏の一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)で不動産仲介手数料「無料」「割引」で注目されております、不動産流通システム【REDS】エージェント宅建士堀 茂勝ほり しげかつです。

 

今回は前回に引き続き、住宅ローンの「固定金利」「変動金利」の選択について取り上げます。

今回初めてこのブログをご覧になる方は、下記からご連頂けますと、理解しやすいかもしれません。

連載1:2022年8月31日公開のブログ「金利が急上昇するかも? 変動より固定がいい?」

 

まずは前回の復習(振り返り)から・・・。

 

変動金利型0.475%~、超長期固定金利型1.99%~。さあどっち!

 

まずは、この金利差。前回掲載しました2022年8月31日時点の、三井住友銀行の住宅ローンの金利です。

実は今回のブログ掲載時点(2022年9月12日時点)では、超長期固定金利型は2.03%に0.04%UPしております。

 

三井住友銀行:住宅ローン金利2022年8月

三井住友銀行:住宅ローン金利

(金利は毎月変わります。上記の画像は2022年8月時点の金利ですが、
リンク先の情報は、ご覧になられている時点の情報ですので、
上記画像の金利と異なっている場合があります。)

 

こちらの金利差を参考に、比較してみましょう。

借入5000万円。35年元利均等払いでの比較

 変動金利型0.475% 月々129,241円 (×12カ月×35年=54,281,220円)

 固定金利型1.99% 月々165,374円 (×12カ月×35年=69,457,080円)

 差額 月々36,133円 (×12カ月×35年=15,175,860円。約1500万円)

 

上記の例では、固定金利を選ぶと毎月の返済額は3万6千円高くなっております。

今後の金利がいまのままずっと続いたとすると、その差は35年間の合計で約1,500万円にもなります。

「1,500万円だってぇ!

もとの5,000万円の、約3割にもなるゾぉ‼」

 

・・・ここまでが前回の復習です。

1500万円も固定金利の方が返済が多いのかぁ。だったら変動金利の方がいいのかな?

1500万円も固定金利の方が返済が多いのなら、変動金利を選んだ方がオトクなのかなぁ。・・・でも、もし金利がどんどん上がっていったら、やっぱり変動金利って怖いのでは?不安ですよね。

 

実はわたくし(REDSエージェント堀)が、ファイナンシャルプランナーでもあった30歳代の時に、そういった漠然とした不安について、「漠然としたままではなく、しっかり根拠をもって、固定金利と変動金利の比較検討をしたい!」との思いで、表計算ソフト「Excel(エクセル)」を使って、徹底的にシミュレーションしたことがあります。

 

そこで作成しました、このExcelのシミュレーションシートは、月々の住宅ローン35年×12か月=420回について、その時その時の金利を変動させると、420回、自動的に住宅ローンの再計算を自動的におこなうように作成した、優れたシミュレーションシートなのです。

①固定金利表

住宅ローン電卓などを使ってこのシミュレーションをやろうとしても、金利を変えると毎回420回、再計算することになりますので、そう簡単にできるものではありません。

今回は、若き日に作成した、懐かしいExcelシミュレーションシートを、あらためて現代に合わせてバージョンアップしまして、その結果を今回と次回とで、お届けいたします。

パソコン分析

まず、①固定金利の推移グラフ をご覧ください。

①固定金利グラフ

 

このグラフは、5000万円の住宅ローンを35年払いで払っていった場合のグラフです。

固定金利ですから、今後支払いが変わる事はありません。35年間、月々165,374円をずっと払い続け、総額約6,946万円を支払うことが確定することになります。

(繰り上げ返済をしない前提です。)

次に、②変動金利の推移グラフ をご覧ください。

②変動金利グラフ

同様に、5000万円の住宅ローンを35年払いで、今度は変動金利で払っていった場合のグラフです。

変動金利ですから、今後、金利が上がったり下がったりすれば支払いが変わります。

まずは運よく、この低金利の金利0.475%が35年間まったく変わらなかった場合のグラフを見てみましょう。

固定金利よりも月々約36,000円安い額、129,241円をずっと払い続けると、総額は約5,428万円を支払うことになります。

この総額は、固定金利に比べて約1,518万円少ない金額になります。けっこう大きな差ですね。

嬉しい

グラフを見ると、固定金利1.99%変動金利約4倍の金利ですから、月々の返済額の中で利息返済にあたるピンク色の割合がかなり大きく、元金がなかなか減らないのがわかります。

それに対して、変動金利0.475%固定金利約1/4の金利ですので、月々の返済額の多くが元金返済にまわっていることもわかります。

 

 

次に、金利が上昇していった場合の③変動金利の推移グラフ をご覧ください。

③変動金利グラフ

さてここから、本格的なシミュレーションに入っていきます。

 

こちらはあらためて、今まで同様、5000万円の住宅ローンを35年払いで、変動金利で払っていった場合のグラフですが、

ただし今度は、35年間、金利がまっすぐ上昇していった場合のグラフです。

 

変動金利を選んだら、徐々にまっすぐ金利上昇していった場合、最大何%まで上昇した場合に、固定金利と総額が一緒(トントン)になるの?」

という素朴な疑問に答えるためです。

 

 

上の②のシミュレーション(変動金利の金利がそのまま変わらなかった場合)では、固定金利変動金利総額の差は、約1,518万円もありました。

その差額が、ちょうど35年間で消えて無くなってしまうような金利上昇を探してみます。

スタートが0.475%だった金利が、その後、まっすぐ上昇していき、35年後には4.809%までに、なってしまった場合に、

変動金利の返済総額固定金利と同じ、約6,946万円になることがわかりました。

 

 

ここで変動金利の「5年ルール」と「1.25倍ルール」のお話。

 

ちなみに、変動金利の場合の月々の返済額が5年(60か月)ごとの「階段状」になっているのにお気づきでしょうか。

実は、ほとんどの変動金利の住宅ローンは、金利上昇に対するリスク対策が施されておりまして、返済額の見直しは「5年ごと」、しかも前回の返済額に対しては、いくら金利が上がっていたとしても「1.25倍が上限」の制限、があるからです。

このシミュレーションは、このルールをしっかり反映して計算しています。

 

※実は、金利がかなり安いネット系住宅ローンのなかには、上記のようなリスク対策がされていない住宅ローンもあるようです。その場合は返済額は毎月コロコロ変わったり金利急上昇の場合に返済額も急激に増えてしまうことがあります。もちろん金利が下がれば、すぐに返済額も減るのですが、収入が金利と同様に増えたり減ったりするわけではないので、預貯金に余裕のない方には非常に危険なローンになっていたりします。要注意です。

 

ご参考ページ:新生銀行「変動金利の5年ルールと1.25倍ルール」

 

「金利4.8%って、過去いつごろの金利だったかなぁ?」

40歳代以上の方は記憶にあると思いますが、金利4.8%以上の時代も過去にはございました。あらためて住宅ローン金利の推移を思い出してみましょう。

前回取り上げた、住宅ローン金利の推移グラフをあらためて見てみます・・・。

 

金利推移

住宅金融支援機構「民間金融機関の住宅ローン金利推移」

 

1994年頃。およそ30年前。バブル終息の時期が約5%前後の金利でしたね。

・・・って、ご覧になられていらっしゃるお客様の中には、「まだ生まれてないよぉ」という、遠い過去の事かもしれませんね。

 

今回のシミュレーション結果の金利4.8%以上に、今後の金利があがっていくと、変動金利の方が、固定金利の総返済額を上回ってしまうということになります。

さて今回はここまで。ここから次回の予告です。

次回は「繰り上げ返済」の考慮と、「バブル金利」のシミュレーション

 

変動金利固定金利の月々返済額は、当初36,000円も差があります。ですから、実は変動金利を選んだ場合は、その差額分を当初は貯蓄する事ができます。

そして、貯蓄が溜まったら「繰り上げ返済」が出来てしまいますから、固定金利よりも、はやく返済がすすみます。

 

この「繰り上げ返済」も考慮したうえで、変動固定の返済総額がいっしょになる「金利上昇」が何%までになるのかを求めてみます。

 

 

さらに、実際の金利は「まっすぐ上昇する」といった動きではありません。

バブルの時のように、加速度的に金利が上がって、ある点で「バブル崩壊」のように、急激に金利が下がったりしています。

この「バブル金利」をグラフ上で再現してみたいと思います。

 

「1980年代のバブル金利のような事が、今後また起こったら・・・。」 乞うご期待ください。

 

 

(おまけ)

世の中の自称「ファイナンシャルプランナー」の方々の中には、変動金利と固定金利について、きちんとシミュレーションした結果に基づいてリスクを説明している方が少ないように感じます。

依頼主の立場によって、必要以上にリスクを必要以上に大げさに伝えたり、逆にきちんとリスクを伝えなかったり・・・。

 

「ファイナンシャルプランナー」は、占い師ではありません。誰もほんとうの未来なんて、予測できません。

ですが、このシミュレーションのように「2つの選択の中間点」がどこにあるのかを、きちんと知っておけば、そこから先は、それぞれが自分自身で、好みや考え方に応じて判断がつくのではないかと思います。

そのためのシミュレーションを提示してみたいと思います。

 

 

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