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滑動崩落とは、盛土の地滑り的変動をいい、盛り土と地山との境界面や盛り土内部を滑り面とする変動現象のことです。
これによって、造成宅地における崖崩れや土砂の流出による被害が発生します。
滑動崩落を防止するためには、滑動崩落防止工事が有効と考えられています。
滑動崩落防止工事の方法には、①地下水の状態、大規模盛土造成地の地形などの条件を変化させることによって崩壊や変形を防止する工法(抑制工)と②構造物等を設けることによって、その抵抗力により崩壊および変形を防止する工法(抑止工)があります。
阪神・淡路大震災や東日本大震災等において、谷や沢を埋めた造成宅地又は傾斜地盤上に腹付けした大規模な造成宅地において、盛土と地山との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動(滑動崩落)が生じ、造成宅地における崖崩れ又は土砂の流出による被害が発生しました。
東日本大震災で滑動崩落の被害を受けた宅地の多くは1970年代以前に造成されており、宅地造成等規制法等の改正により技術基準を強化した2006年以降に造成された宅地においては被害が発生していないことを踏まえ、既存の造成宅地について大規模盛土造成地の有無とそれらの安全性の確認(変動予測調査)、危険性が高い箇所の滑動崩落防止工事などの予防対策を早急に進める必要があります。
この予防対策を進めるためには、地方公共団体が変動予測調査を実施し、その結果を公表することで住民の滑動崩落被害に関する理解を深め、地方公共団体等において危険箇所の滑動崩落防止工事を進めていくことが重要であり、国土交通省では、この取り組みを支援するために、予算制度や調査方法の技術的助言等を整備しておりますが、現状においては十分な進捗が図られていない状況です。
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