菅野です。
こんなニュースがありました。
これは、「飛ばし携帯」用のSIMカードを売りさばいていた犯罪集団が逮捕された、というニュースです。
こちらの記事には以下のような内容がありました。以下引用です。
引用終わり
ちょっと待って‼‼
これって、「リモート内覧」ではないですよ‼
いわゆる「リモート内覧(内見)」というのは、テレビ電話やテレビ会議システム等を利用して、業者が物件現地で室内や外観などを写してお客様に見てもらうシステムのこと、であります。
リアルタイムで現地から映像を送ったり、正確なVR映像を製作することで、お客様が見たい部分や気になる場所を即時に確認でき、実際の内覧に非常に近いレベルで現地確認ができる、ってのが「リモート内覧(内見)」です。
このニュースで「リモート内覧」といっているのは、一部業者が「セルフ内見」とか「スマート内覧」とか聞こえのよい言葉にしてますが、単に
「うちら業者は忙しいから、おきゃくさん自分で見に行ってね(にっこり)」
ってやつのことですよ。
こんなのが「リモート内覧」だなんて、馬鹿ぁ言っちゃあいけやせんよ。
こんなのは昔からあって、私なんか三十年近く前の学生時代、住宅情報誌を見て新宿の不動産屋にワンルームマンションを借りに行ったら、不動産屋のおっさんが番号4桁と#が書かれた紙を渡してきて
「これで鍵が開くから、自分で見に行って」
なんて言われまして。
電車でえっちらおっちら京王多摩川駅まで行って、勝手に鍵開けて内見したものです。
(そのときは世間知らずなんで、そんなものなんだと思ってました。)
その後十何年後には不動産屋になってましたが、その時思ったのは
「とんでもねー不動産屋だったな」
ってことでした。
つい先日、日本撤退した某黒船不動産屋が「これからの新しい内見方法」なんて言って広めようとしてましたが、不動産はそんなに甘いもんじゃないですよ。
大家さんから預かった不動産をなんだと思ってるんだ、って話です。
空き家を使った犯罪の手口は昔から知られているものですし、現地にお客様を直接行かせる内見方法は危ないというのは、賃貸管理を行っている者からすると常識の範疇です。
(注記:当社REDSでは賃貸管理は行っておりません。)
私は昔、某運送業者で宅配をしていたことがあるのですが、この「空き家に荷物を送る」ってのは普通にあって、怪しい配達物も結構ありました。
私は新宿界隈を集配してましたが、空き家になったり入居したりは目まぐるしく変わるので、そういう意味でいちいち怪しいと思うことは少なかったです。
(ただ、何度か各地の警察署から照会が入ったり、直接営業所に捜査員が来て捜査に協力してほしい、という事案はありました。なんせ新宿ですので…)
今回は、千葉の空きが長い物件だったらしく、配達員がすぐ「怪しい」と思えたのが逮捕につながったようです。
今はAmazonなんかは置き配が普通になったりしてるので、なかなか難しいと思いますが、配達員さんは本当にグッジョブ!です。
今回のニュースはそれほど大きく騒がれていないように思いますが、
「リモート内覧(内見)」とは
「お客様を現地に一人で行かせて勝手に見てもらうこと」
ではなく、
「不動産業者の担当者だけで物件へ行き、映像と音声をお届けして、お客様が現地に行かなくても現地に行ったように物件を知ることができること」
であるとご理解いただければ幸いです。
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