こんにちは。
不動産売買の仲介手数料が【無料・割引】の【REDS】の小野田(おのだ)です。
本日は 前回のブログ の続きで、不動産の「リースバック」契約の注意点・まとめについて記載させて頂きます。
◆「リースバック」契約の注意点
・契約の特性と売却金額の妥当性
不動産の「リースバック」契約では不動産会社等が買主となりますので、一般的な仲介で一般消費者(エンドユーザー)へ売却を行う場合に比べて売却金額は低くなってしまいます。
売却までの期間が短期で済む点や、売却先が不動産会社であることを考慮すれば、個人的には「20~30%」程度安くなってしまうことは仕方のない範囲と思われますが、そもそも「リースバック」契約は売却金額が安くなってしまう契約であることを理解した上で契約を行うことと、その売却金額が妥当な範囲の値引き率に収まっているのかを良く検証することが必要です。
・売買契約の内容の公平性(契約内容が売主に不利、買主に有利になっていないか)
私が先日びっくりしたのは、まさしくこの売買契約の内容でした。
売買契約書に書かれている「契約解除」に関する条項が、とにかく「買主だけに有利」だったのです。
①普段の売買契約書では見かけたことのない項目が解除できる条件で入っている。
②契約の解除の申し出は、基本「買主から」のみとなっている。
私が見た売買契約書では、境界や隣地からの越境物、その他諸々について、何かあれば「買主は白紙解除を行うことが出来る」となっていました。
本来は対象不動産について十分に調査を行い、物的・法的な確定を行って売買を行うべきですが「リースバック」を利用する売主様の中には、緊急に資金が必要な方もいると思いますので、これらの調査が行えない(待てない)場合もあるかと思いますので「(境界の確定が出来ない等)何かあれば契約を解除できる」という契約条件で契約を行うのは仕方ない場合もあると考えられますが、契約解除の多くが「買主から」のみ行えるのは、如何なものかと思いました。
また、解除を申し立てることが出来る事項に「物件に瑕疵が認められた場合」には解除できるという、非常に抽象的な表現が使われており、「瑕疵」の程度や内容について「あえて抽象的にぼかして書いているのでは?」と思われる節がありました(「瑕疵」の程度や内容を限定していないので、お引渡しが完了するまでは解約のリスクの高い不安定な契約となります)。
・賃貸借契約の内容の公平性
不動産の「リースバック」契約は、売買契約により所有権が移転すると同時に、買主を貸主・売主を借主とする賃貸借契約を締結することになります。
従いまして、この賃貸借契約の内容も非常に重要なポイントとなります。
賃貸の契約方式は「普通賃貸借」・「定期賃貸借」のいずれか、賃料、管理費、その他の毎月の諸費用、敷金・礼金等の金額は妥当なのか、退去時の条件は妥当なのか等、賃貸契約の内容も「リースバック」の売買契約前に契約条件を確認しておくことが重要です。
・「買戻し」の金額について
不動産の「リースバック」契約に「買戻し特約」が付いている場合には、リースバックの売買契約で定めた期間内に、契約で定めた金額を支払うことで物件を買戻すこと出来ます。
「買い戻すこと」を前提に「リースバック」方式で売買を行う場合には、その買戻しの金額は現実的で妥当性のある金額なのかを見極める必要があります。
(私の見た契約書では、定期賃貸借の終了する3年後に売却金額の約1.2倍の金額を払えば買い戻せる様になっていました)
◆「リースバック」契約についてのまとめ
不動産の「リースバック」契約は、現在の自宅にそのまま住み続けながら、売却資金を受け取れるという特徴を持った売買契約です。「買戻し特約」が付いている場合には、後で自宅を買い戻すことが出来ます。
買主は不動産業者等となることから、売却までの期間は短期となりますが、売却金額は一般に売却を行う場合に比べて低くなってしまいます。また、売却後は賃借人となるため「家賃」が発生します。
これから高齢化社会が進むと「売値は多少割安になっても構わないから、現在の自宅に住み続けたい」というニーズも出て来ると思いますので、売主様の背景によっては「リースバック」契約が最良の売却の選択肢となるケースが増えて行く可能性もあるかと思います。
ただ、売買契約締結前に契約内容をチェックして、売買契約の条件があまりにも売主(自分)に不利になっていないか、またその後の賃貸契約の内容も通常の場合に比べて一方的に借主(自分)不利な契約条件となっていないか等、
不動産のリースバック契約の特徴や契約内容(リスクを含め)をきちんと理解した上で契約を行うことは、正直、一般の方にはかなりハードルが高いのではないかと思います。
(不動産の「リースバック」契約は、仲介が入らない事も多く、売主様(個人)は買主となる不動産会社等と直接契約を行うことも多いため、ますますこの点がネックになりそうです)
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