皆様こんにちは。
不動産売買の 仲介手数料が「割引・最大無料」の【REDS】の渡部親三です。
この度下記のマンションのご購入をお手伝いさせて頂きました。
〇 中古マンション
所在)中央区某所所在 2000年築 約65㎡ 2LDK 高層階 西向き
仲介手数料【半額】にてご購入となりました。
建物名に「銀座」を冠した物件で、駅徒歩1分の好立地が魅力の物件でした。
当物件は角地になっている土地で、どちらの道路も中央区の公道です。
公図はこのようになっています。
土地は目に見えないところに境界線があったりしまして、一つの土地に一つの建物が建っているとは限りません。
住所(住居表示)とは別に土地には「地番」が振り当てられているのですが、さすが中央区、とても綺麗な公図になっています。
接している二方向の道路はともに「無地番」となっており、これは国や地方自体が所有・管理している「公道」であることを示しています。
今回の物件は共同仲介で売主側に仲介業者さんが入っており、書類の作成をお願いしましたが、北東側の道路は「建築基準法42条2項道路」だということです。
しかし・・・なにかおかしい・・・
2項道路は長年不動産を取り扱っていると、現地で「2項道路だな」と感じたり、公図をみて「これは2項ね」と推測することができるようになります(もちろん最終的には役所で確認が必要ですが)。
しかし上の公図を見ると2項道路の特徴がありません。
「1項1号にしては狭い道路だったし・・・もしかして3項?」
と思い付き、あらためて私が役所に確認すると案の定「42条3項道路」ということでした。中央区はたまにあるんですよね。
道路の「建築基準法上の種別」はおろそかにできない重要なポイントです。
不動産の取引に際しての調査ではひょっとすると最も重要なポイントかも知れません。
セットバックが必要な2項道路は特に慎重な調査が必要で、セットバック済みなのか、改めてセットバックが必要なのか、どの程度敷地を道路提供する必要があるかは重大な影響があります(特に土地、戸建の取引)。
42条3項道路とは、
「特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。」
という道路です。
今回の道路は中心は1.5m、認定幅員は3m、現況も3mの道路でした。
本来は中心から2mセットバックが必要なため50㎝セットバックが必要なのですが、3項道路に指定されているため後退の必要がない道路なんですね。
そう考えると先ほどの公図にも全く違和感がなくなります。「後退」の痕跡が公図上どこにもなく、それでいて比較的新しい街並みなので「矛盾」があるように見えたのですが、3項道路でしたら「なるほど」と合点がいきます。
3項道路は中央区は結構多くて、月島や銀座、築地などの地域では「頻出」します。
ただこのエリアの取引の経験がないと知らないという不動産業者も多いようで、試しに会社内で聞いた限りほぼ全員が「未体験」でした。珍しい道路であることは間違いありません。
京都の祇園あたりにも42条3項道路がかなりあるようです。
「路地」の文化、歴史的な街並みの保存・活用にうまく利用されているようです。
2項道路に接している土地で建替えを考える場合はセットバックに皆さん悩まされます。
そうしたところら考えると3項道路は4m未満でもセットバックが不要なので「羨ましい!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
世の中にはこんな「恵まれた」道路もあるんですね。
【道路は不動産の命】
という言葉があります。
非常に深い意味のある業界での格言です。
不動産を生かすも殺すも道路次第です。
皆様も不動産の道路については細心の注意を払うようにしましょう。
道路の話を始めると長くなりますのでまたの機会にこの格言の意義等について触れたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
渡部
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