菅野です。
7月8日に出た、国土交通省からのリリースです。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく長期優良住宅の認定状況について(令和2年3月末時点)
これによると、長期優良住宅の制度が出来てからの累計で、111万戸の新築住宅が認定されたとのこと。
結構多いなあ、と考える方もいるかもしれません。
でも、年間で新築って何軒建てられていると思いますか?
令和元年で「約88万3000戸」建っているんです。
そのうちの「約10万7000戸」が長期優良住宅です。
約12%の割合です。
全然、少ないいい!!
ちなみに、始まったのが平成20年からですから、12年経っています。
平成20年度から令和元年度まで、新築住宅は約1091万戸!建っているんです。
約1割が長期優良住宅となる計算ですが、これで「長期優良住宅の普及を促進」しているとは、ちょっと言い難いかと。
結局「長期優良住宅」が「ちょっと贅沢住宅」みたいな扱いになっていて、買う人はあまりそこを求めていないというか、気にしていない感じになっています。
あと、長期優良住宅は「面倒くさい」と言われることが多いです。
その面倒くささの原因の最たるものは
維持保全計画
です。
35年分の計画を立て、その通り点検・修繕を行い、記録を残さなければなりません。
違反すると是正指導や改善命令がおこなわれ、改善命令に違反した場合は、長期優良住宅の認定を取り消されます。
さらに、所管行政庁からの報告の求めに応じない場合や虚偽の報告をした場合には、30万円以下の罰金に処せられることがある!という、罰則までついています。
ここでダメだと思う人も多く、これが長期優良住宅の普及を阻む原因と考える人も少なくありません。
法の建てつけがおかしいのです。
建てる業者に制限と義務を課すべきで、建築会社の年間の着工棟数の割合を一定以上、長期優良住宅とする義務とか、そういった方向でやるべき話だと考えます。
日本の住宅性能は、諸外国に比べ劣る、という見解は共通のものとなっています。
まずはその性能の部分の最低限度を引き上げることから始めて、「長期優良住宅」という名前が形だけにならないよう、性能の良い中古住宅の流通を促進する方向性を加速してもらいたいです。
なので、長期に渡って面倒な義務を所有者に負わせるのではなく、性能の良い頑丈な建物を建てる義務を建築会社に負わせてください。
スクラップアンドビルドはもうダメ、なんて大分前から言っているのに、その状況が全然変わっていない。
レジ袋なんか比べ物にならないくらい、環境負荷が高いんですよ、家を壊して建て替えるのって。
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