菅野です。
先日、「4月1日に東京ロックダウンが発令される」とのデマが流れました。
私が聞いたのは30日の月曜日ですが、その夕方には官房長官が会見で明確に否定されていました。
当日のYahoo!ニュース個人(篠原修司さん)の記事です。
「4月1日からロックダウンに入る」チェーンメールが『LINE』を中心に出回る。デマなので注意
割と信じた人も多かったようで、弊社の福島のブログでもこんな感じで書いています。
見ると、友人からLINEで届いたとのことですが、これは「チェーンメール」とは若干、ニュアンスが違うような気がします。
(チェーンメールのお決まり文「拡散してください」が見られない)
また、電話で聞いた方も直接の会話で聞いた方もいました。
実は、私もこのデマを聞いたのですが、その後にいろいろなSNSでこの内容が流れていないか確認したところ、なぜか私の周りでは見かけませんでした。
メールで受け取ったという人もあまり聞かず、デマの流れ方が、以前とちょっと変わったというか、「復古」という言葉が適当かわかりませんがいわゆる「口コミ」の時代に戻ったように感じました。
デマを信じてしまう理由は、いろいろ研究されています。
以下のリンクは、新潟青陵大学の碓井真史先生が、東日本大震災の流言について書かれたサイトです。
これは今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの状況にも非常に当てはまっていると思います。
今回、私が感じたのは以下の3つのことです。
1、耳元で話されると感情が動く(電話で言われると信じてしまいやすい)
以前、NHKの「ガッテン!」で特殊詐欺(いわゆる「振り込め詐欺」「オレオレ詐欺」等のこと)について、なぜ騙されてしまうのか、という回がありました。
どうやら、受話器で聞くと相手がすぐ近くにいるように錯覚して、身近な距離感を許す信頼関係の人からの言葉のように感じられるそうです。
それで、どうやら感情を動かされてしまうらしいのです。
これはデマにも当てはまると思います。
2、関係の薄い2方向以上から入ってくるデマは信用されやすい。
まったく違う人から同じデマが入ってくると、客観性が補強されてしまい、デマを真実と錯覚しやすくなるようです。
内容が、例えば「テレビのディレクターからの情報」が「日本医師会からの情報」とか「経済産業省関係者からの情報」とかに変わっていても、違う方向から同じ情報が入っている、と思ってしまい、余計に補強されてしまうようです。
3、人間は「言いふらしたい」動物
早川洋行先生著「流言の社会学 形式社会学からの接近」によると、ジャン・ノエル・カプフェレ「噂」の中で人々が広める理由として6つ挙げているそうです。
①伝達内容のニュース性
②伝達内容の検証
③同意欲求
④自己解放
⑤娯楽性
⑥関係性の維持
これに早川先生は「作為」(だましたい気持ち)を含めて、7つの要因で人々は流言を広める、と書かれています。
とにかく、人は自分に情報をとどめているよりも、誰かに言いふらしたい生き物だということです。
今回のロックダウンについてのデマ以外にも、
・新型コロナウイルスには○○が聞く
とか
・新型コロナウイルスの蔓延はどこかの国の陰謀
などのデマが流れています。
こういったことに心をうごかされないよう、不安に対して向き合っていく必要があります。
心療内科医の海原純子先生が書いた記事です。
デマ拡散の心理とは 見えない敵に負けないための「不安管理」10か条
不安な時に、ひとは流言蜚語に惑わされやすいものです。
また、不安は身体にも影響を及ぼすそうですので、この十か条を心にとどめて、不安に対処していきたいと思います。
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