菅野です。
以前にもこんなブログエントリーを書きましたが、大阪の堺市でまた、私道の通行妨害による逮捕者がでました。
「私有地」通行妨害トラブルが映像に、妻「主人はやる、命のある限り」(MBS)
どうやら、自転車に乗って通ろうとした方を押し倒して傷害罪で検挙されたようです。
これ、映像を見ていると通行妨害しているおじさんが
「(地目)宅地や」
といっているのがちょっと気になりました。
ここの登記簿を見ていないので、あくまでも「仮定」のお話になりますが、この道路の共有の仕方にもしかすると、このおじさんが主張する言い分が見えてくるかもしれません。
私道の共有といってもいろいろな共有のしかたがあります。
例えば件の道路が下記のような共有であれば、おじさんの言うことは全くの筋違いになります。
↓こんな共有の仕方もあります。
これだと、自分の家の前の土地を共有者がもっているので、「自分の土地を通るな」と言い張ると、他の方にも「じゃあお前も俺の土地を通るな」と言われてしまい、家から出ることが出来なくなります。
お互いに他人の所有する土地が家の目の前にあるので、お互い様、となります。
ところで、今回の事件はもしかするとこうなっているとするとちょっと厄介です。
こうなっていても、本来であればおじさんの所有する私道部分は「道路」として使用することを条件に「おじさんち」を建築する許可が出ているので、あくまでも「道路」として利用しなければいけません。
ただ(道路として通行させるか否かは別として)目の前の土地は自分の土地だ、と言い張ることは出来なくはないのですよね。
古い私道に面する物件で、上記のような権利関係の「位置指定道路」物件は、実はけっこうあります。
その中に、家の前の土地に植栽があったり、自動車を停めたりして近隣とトラブルになっているところはしばしばあります。
これがひどいと「位置指定道路」として認められなくなり、その沿道の土地には家が建てられなくなったりしてしまいます。
わたしたち不動産のプロでも、私道の取り扱いは厄介なものです。
今回の騒動はとんでもないことですが、実は権利関係にそういった騒動のタネがあったりしますので、注意したいところです。
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