不動産流通システム・REDSの坂爪です。マンションを売却する際、どれくらいの期間がかかるのかは、多くの売主様が心配される部分です。今回は、マンションの売却期間の目安について、東京23区のマンションのケースを例に、売却期間の目安や売却活動のプロセス、売却をスムーズに進めるためのポイントについて解説します。
(写真はイメージです)
マンション売却の全体的な流れ
まずは物件の条件を定義させていただきます。
●東京23区内
●床面積50平米~80平米
●ファミリータイプの間取り(2LDK/3LDK)
●1981年6月1日以降の建築確認(新耐震基準)
この条件に当てはまる物件ですと不動産会社と売却依頼の媒介契約を締結してから成約まで3カ月弱が目安となりますが、注意していただきたいのは3カ月間で物件の引渡しと代金受領まですべてが完了するという意味ではありません。
あくまでも不動産会社と売却のための媒介契約をしてから、売買契約を締結するまでの期間です。
不動産売却の流れを時系列でみてみますと、以下の図のようになります。
この一連の流れの中で⑤売却依頼(媒介契約締結)から⑬売買契約締結、までの目安が3カ月弱ということになります。
実際に「売ろう」と思ってから物件を引き渡してすべて完了するまでには、少なくともプラス1カ月、不動産会社の選定に時間がかかったり、契約後のローンの審査に時間がかかったり、売主様・買主様・仲介会社の予定を合わせたりしているとプラス2~3カ月は余計にかかります。
内覧が始まると売主様は大忙し
話は変わりますが、実際の売却期間の中で、売主様にとって最も大変な時期は、⑧見学希望・日程調整と⑨内覧の時期です。
物件の広告が始まりますと、購入希望者から物件の見学(内覧)希望が入ってきます。
一次的には売却を依頼した仲介会社が話を受けて売主様に相談しながら見学の日程を調整していくのですが、私の経験で申し上げると希少性の高い物件ですと1日のご見学希望は2桁組に上ることもあります。
30分刻みでご見学いただいても半日は入れ代わり立ち代わりで次々と見ず知らずの方々が家に来て物件を見ていくわけです。
色々なところを開けて中を見たり質問をされたり、売主様もなかなか大変です。
その複数組の中で購入申し込みが入り契約に向けての話が確定すれば物件の見学はストップするのですが、購入申し込みが入らなければ何週も何回もこれを繰り返すことになります。
売却活動の期間中、特に⑧⑨の期間中の売主様のお出かけは調整が難しいですし、いつ見学希望が来ても対応できるように室内もキレイな状態を保っていただく必要があります。
ただし、これは大変ではあるものの、売主様にとっては高値で物件を売りやすく、望ましいケースです。
なぜなら、⑧⑨の期間中の売主様は前述のとおり、いつ見学希望が来ても対応できるように日程を空け、部屋をキレイにしてご見学を待つわけですが、それでも、待てど暮らせど見学希望が入らないケースもあるからです。
売却期間はどんどん長くなり、売主様は違う意味で本当に大変ですしストレスが溜まります。
最悪の場合にはお住み替えなどの売却後のライフプランの変更を余儀なくされるケースさえあります。
売却期間が長くなる原因とは?
このような状況になってしまう原因はいくつか考えられます。
【売却期間が長くなる原因①】価格が高い
これは、③複数社に査定依頼~④不動産会社を選択、のところで注意が必要です。
不動産会社は売却の依頼を受けるため査定価格を高めに出す傾向があります、売主様も「高く売れるなら、その会社に!!」と思って依頼するのでしょうが、インターネット全盛の昨今、購入側も物件や相場・市況についてよく調べています。
人気物件で希少性があっても、相場と極端に乖離した金額ではなかなか買手が決まりません。
多少室内の状況が悪くても、その点を勘案した価格設定をすれば物件は売れていきます。
【売却期間が長くなる原因②】物件の囲い込みが行われている
これも、③複数社に査定依頼~④不動産会社を選択、のところで注意が必要です。
不動産仲介会社の報酬は成功報酬型で売却の依頼をいただき無事に成約へと導くことで売主様から成約価格の3%+6万円と消費税を上限に受領します。(成約価格400万円以上の場合)
更に不動産会社は、買主様を自社で見つけることで買主様からも成約価格の3%+6万円と消費税を上限(成約価格400万円以上の場合)に報酬をもらうことができ、このように1社が売主様からも買主様からも手数料をいただくことを、不動産業界では「両手」といいます。
この「両手」にするために、売却を依頼した不動産会社が他社のお客様(購入希望や見学希望)を売主様の見えないところで断る行為が物件の囲い込みです。
本当は他社のお客様から沢山の見学希望が来ているのに、依頼した不動産会社のところで話を止められている、こうなってしまうとおのずと売却期間は長くなってしまいます。
【売却期間が長くなる原因③】売れやすい条件を満たしていない
●東京23区内
●床面積50平米~80平米
●ファミリータイプの間取り(2LDK/3LDK)
●1981年6月1日以降の建築確認
物件がこの条件から外れている場合には販売開始から3カ月弱では成約まで至らないケースもあります。住宅ローンの審査基準や耐震性能、減税条件等から総合的に需要と供給の問題で販売期間が長くなる傾向がありますが、これも価格の設定さえ適当であれば一定の期間はかかっても売れていきます。
マンション売却を成功させる最大のポイントとは?
最後に今回は「マンションの売却にかかる期間の目安」についてお話をしてきましたが、適正な期間でマンションの売却を成功させる最大のポイントは【不動産会社選び】です。
実際に売却活動をされる売主様の多くが3~4社にコンタクトして売却依頼先を選定しています。
その中で「とにかく高く売れる」「自社に条件が合うお客様がいる」このような話をする不動産会社の甘言に流されず、根拠のある適正な査定価格を示してくれるか、売却戦略や会社の特徴、囲い込みはしないのか等々、総合的に判断して会社を選ぶことが重要です。
高く売れると言うから某社に依頼したのに、3カ月で見学は1組、その後は事あるごとに「値段を下げましょう」と言われているというようなケースもございます。
REDSのエージェントは全員が宅建士、売主様担当のエージェントは売主様の利益のみ追及する社内システムで囲い込みを撲滅しています。そのうえで、市場原理を利用して他社様のお客様を含めた多くの潜在的購入希望者のなかからより条件の良い買主様との早期契約を目指します。
【不動産会社選び】の際にはREDSも候補に加えていただき、ぜひエージェントの話を聞いてみてください。
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