両手仲介と片手仲介、〝お客様ファースト〟なのはどっち? | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。REDSエージェント、宅建士の髙坂美和です。

本日は、不動産売買仲介における「両手仲介」「片手仲介」についてご説明します。

不動産仲介

(写真はイメージです)

「両手仲介」とは

まずは「両手仲介」について説明します。

両手仲介とは、不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を受け取る形態の取引を指します。この場合、不動産会社は売主と買主の双方の利益を考慮しながら取引を進める必要があります。

両手仲介は、不動産会社にとって収益性が高く、取引全体をコントロールしやすいという特徴があります。

両手仲介のメリットとデメリット

両手仲介のメリット

  1. 収益性の向上:不動産会社は売主と買主の両方から手数料を受け取るため、収益が増加します。不動産会社にとっては大きなメリットです。
  2. 取引のスムーズさ:不動産会社が取引全体を管理するため、交渉や契約手続きが迅速に進むことが期待できます。売主と買主の間での調整がスムーズに行われるため、取引が円滑に進行します。
  3. 情報の一元管理:不動産会社が売主と買主の両方の情報を把握しているため、取引に関する情報を一元管理できます。これにより、誤解やトラブルの発生を防ぐことができます。

両手仲介のデメリット

  1. 利益相反のリスク:売主と買主の両方の利益を守る必要があるため、利益相反のリスクが存在します。不動産会社は公平性と透明性を保つことが求められます。
  2. 囲い込みの問題:両手仲介を行うために、他の不動産会社に情報を公開せず、自社で買主を見つけようとする「囲い込み」の問題が発生することがあります。これにより、売主がより良い条件で売却する機会を逃す可能性があります。

両手仲介の具体的な事例

ある不動産会社がマンションの売却依頼を受けたとします。この不動産会社は、自社の顧客リストから買主を見つけ、売主と買主の間で売買契約を成立させました。この場合、不動産会社は売主と買主の両方から仲介手数料を受け取ることができました。取引はスムーズに進み、売主も買主も満足のいく結果となりました。

これは理想的な両手仲介の例です。この例を見ると、両手仲介は、不動産会社にとって収益性が高く、取引をスムーズに進めるための有効な手段に見えます。

しかし、利益相反や囲い込みのリスクを避けるためには、透明性と公正性を保つことが重要です。不動産会社は依頼者に対して誠実に対応し、最適なサービスを提供することが求められます。

「片手仲介」とは

それでは、「片手仲介」についてもご説明します。

片手仲介とは、不動産会社が売主または買主のどちらか一方からのみ仲介手数料を受け取る形態の取引です。この場合、不動産会社は依頼者の利益を最優先に考え、取引を進めます。

片手仲介は、依頼者の利益を最大限に守ることができるため、特定の状況やニーズに応じて選ばれることがあります。

片手仲介のメリットとデメリット

片手仲介のメリット

  1. 依頼者の利益優先:不動産会社は依頼者(売主または買主)の利益を最優先に考えます。例えば、売主の立場であれば、できるだけ高い価格で売却するための戦略を立てます。買主の立場であれば、希望条件に合った物件を見つけるために全力を尽くします。
  2. 透明性の確保:利益相反のリスクが少なく、依頼者に対して透明性を保ちやすいです。不動産会社は依頼者の利益を守るために、誠実に対応することが求められます。
  3. 信頼関係の構築:依頼者との信頼関係を築きやすくなります。依頼者は、自分の利益を最優先に考えてくれる不動産会社に対して信頼を寄せることができます。

片手仲介のデメリット

  1. 取引のスピード:両手仲介に比べて、取引のスピードやコントロールが難しくなることがあります。これは、もう一方の当事者との調整が必要になるためです。例えば、売主が片手仲介を選んだ場合、買主を見つけるために他の不動産会社と協力する必要があり、時間がかかることがあります。
  2. 手数料の収益:不動産会社は一方からのみ手数料を受け取るため、収益が両手仲介に比べて少なくなる可能性があります。これは、不動産会社にとって収益性の面でのデメリットとなります。

片手仲介の具体的な事例

●事例1:ある不動産会社が、売主から土地の売却依頼を受けました。この会社は、他の不動産会社と協力して買主を見つけました。売主からのみ手数料を受け取る形となり、買主側の不動産会社も手数料を得ました。取引は少し時間がかかりましたが、売主の希望価格で売却することができました。

●事例2:ある不動産会社が、買主から新築マンションの購入依頼を受けました。この会社は、他の不動産会社が取り扱っている物件を紹介し、契約が成立しました。買主からのみ手数料を受け取る形となり、買主の希望条件に合った物件を見つけることができました。

片手仲介は、依頼者の利益を最優先に考えるため、特定の状況やニーズに応じて選ばれることがあります。例えば、売主ができるだけ高い価格で売却したい場合や、買主が特定の条件に合った物件を見つけたい場合に適しています。不動産会社は、依頼者に対して誠実に対応し、最適なサービスを提供することが求められます。

まとめ

片手仲介は、不動産会社が売主または買主のどちらか一方からのみ仲介手数料を受け取る形態の取引であり、依頼者の利益を最優先に考えることができます。透明性を保ちやすく、信頼関係を築きやすい一方で、取引のスピードや収益性に課題があります。具体的な状況や依頼者のニーズに応じて、最適な仲介形態を選ぶことが重要です。

私も大手不動産仲介会社に在籍していたのでよく分かるのですが、基本的には売り物件をお預かりした際に、「両手仲介」を目指します。もちろん、仲介手数料が多くもらえるからです。ただ、それが売主様、買主様のためになるのか、本当にお客様ファーストで仕事ができていたのかといわれると、疑問が残ります。

すべての会社がREDSのように両手仲介を目指さない会社になるのは難しいと思いますが、もっと片手仲介が一般的になり、仲介会社ばかりがもうかるようなシステムがなくなってほしいと思います。

 

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