国土交通省が処分する不動産の囲い込み。そもそも回避する方法はある? | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの森山賢治です。今回は、国土交通省による不動産の囲い込み規制と、囲い込みを回避する方法について解説します。

囲い込み

(写真はイメージです)

不動産の囲い込みは2025年から処分対象

2025年から国土交通省は不動産の囲い込み行為を処分対象とする新しい規制を導入します。この規制により、以下のような処分が行われる予定です。

  1. 是正指示:囲い込み行為が確認された場合、まずは是正指示が出されます。これは、違反行為を速やかに修正するよう求めるものです。
  2. 罰金:是正指示に従わない場合や重大な違反があった場合、罰金が科されることがあります。
  3. 業務停止命令:繰り返し違反を行った場合や特に悪質な場合には、一定期間の業務停止命令が出されることがあります。
  4. 免許取消:最も重い処分として、宅地建物取引業者免許の取消が行われる可能性があります。
  5. 社会的制裁:違反事業者名の公表も検討されており、これにより社会的な信用が失われるリスクがあります。

不動産の囲い込みとは

本来、不動産会社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を交わしたら、国土交通省が提供するレインズに登録する必要があります。

レインズとは、不動産業界全体で物件情報を共有して買主を探すことで、不動産取引を円滑にさせるシステムです。レインズを通じて他社から購入希望や内覧の問い合わせがあれば、不動産会社は応じなければなりません。

不動産の囲い込みとは、不動産会社が売却依頼された物件を、他の不動産会社を通して買わせないことです。自社で物件の買主を探して、売却と購入を自社のみで成約させるためにおこなわれます。

つまり、不動産会社が他社から紹介された買主に物件を購入させず、自社の顧客にのみ紹介して収益を得ようとする行為、それが囲い込みです。

囲い込みの目的と理由とは?

なぜ不動産会社の一部は囲い込みをするのでしょうか。その目的や理由を5つ挙げてみます。

  1. 両手仲介の利益:不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を得ることができるため、囲い込みを行うインセンティブが高くなります。
  2. 法的なあいまいさ:囲い込み自体は必ずしも違法ではなく、売主の承諾があれば合法とされる場合があります。
  3. 業界の慣習:囲い込みは長年にわたって行われてきた業界の慣習であり、特に大手不動産会社でも普通に行われています。
  4. 売主の無知:多くの売主が囲い込みの存在やそのリスクについて十分に理解していないため、不動産会社の行動を監視することが難しいといえます。
  5. 競争の激化:不動産市場の競争が激化する中で、少しでも多くの利益を確保しようとする不動産会社が囲い込みを行うことが増えています。

囲い込みをされるリスクとは

囲い込みに遭うとどんなリスクがあるのでしょうか。考え得るリスクを5つ挙げてみます。

  1. 売却期間の長期化:他の不動産会社からの買主紹介を拒むことで、売却活動が停滞し、物件の売却期間が長引く可能性があります。
  2. 売却価格の低下:囲い込みにより、物件の競争力が低下し、結果として売却価格が下がることがあります。
  3. 売主の利益減少:囲い込みによって、売主が得られるはずの利益が減少する可能性があります。
  4. 買主の選択肢の制限:囲い込みにより、買主が他の選択肢を知る機会が減り、最適な物件を見つけにくくなることがあります。
  5. 信頼関係の損失:囲い込みが発覚した場合、不動産会社への信頼が損なわれ、将来的な取引に悪影響を及ぼす可能性があります。

囲い込みをされているかを確認する方法は?

不動産会社によって囲い込みをされているのかどうか、確認する手段はあるのでしょうか? 有効な方法を2つ解説します。

契約している不動産会社にレインズの登録情報を確認する

契約している不動産会社にレインズの登録情報を問い合わせることによって、不動産会社を牽制できます。

不動産会社は、専属専任媒介契約の場合1週間に1度、専任媒介契約の場合は2週間に1度以上の頻度で、営業報告をしなければなりません。営業報告がない、もしくは自社の顧客のみを紹介し、他社からの反響がないようであれば、囲い込みをされている可能性があります。

レインズに登録できる取引状況には3つの項目があります。「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」です。売却活動を継続していれば、本来は公開中になっています。どの取引状況を登録しているか、不動産会社に確認してみましょう。

他の不動産会社に問い合わせをしてもらう

囲い込みをされているかどうか知るために、他の不動産会社に問い合わせをしてもらう方法があります。不動産会社に勤務する知り合いがいれば、お願いをするのもひとつの手といえます。

もちろん弊社からの問い合わせも可能です。契約中の不動産会社の対応を確認すれば、囲い込みされているかどうかが判断できます。

国土交通省が処分方針を発表後の現状

不動産取引の透明性が向上し、消費者の利益が守られることが期待されていますが、大変残念なことに大手不動産会社を中心に囲い込みは続いています。

レインズ掲載物件に確認をしても「売主様の都合で他社には紹介できない」「引越し後でないと内見ができない」「リフォーム後でないと内見できない」「カギが届いていない」などの言い訳を繰り返して、囲い込みを続けています。

囲い込みを防ぐためには、信頼できる不動産会社を選び、レインズ(指定流通機構)への登録状況を確認することが重要です。今後売却を検討されている方も、現在売却中で囲い込みを心配されている方も、ぜひ囲い込みを一切おこなわない弊社REDSにお問い合わせをください。

 

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