ついに! 「不動産の囲い込み」を国交省が処分へ | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の木村康幸です。今回は不動産業界の悪しき慣行として行われてきたいわゆる「不動産の囲い込み」が、国による処分対象となりそうだという「朗報」について解説します。

不動産の囲い込み

(写真はイメージです)

不動産の囲い込みとは?

不動産における「囲い込み」とは、自社で「両手仲介」を実現したいがために、売却依頼を受けた物件の情報を市場に公開しないという不動産業界の商慣習のことを指します。

「両手仲介」とは、売買の依頼を受け、相手方を他の不動産会社を介さずに見つけることができた場合に、依頼元と相手方の両方から、仲介手数料をもらえることをいいます。

他の不動産会社が介在する片手仲介に比べて、収益は単純計算で2倍となるため、不動産会社の多くは両手仲介を目指して、自社の顧客網やネット媒体などによる広告でお客さんを探すことに注力しています。

ただ、そもそも売主と買主は「高く売りたい」「安く買いたい」という利益が相反する立場にあります。このように、双方の依頼を受けたという立場になる「両手仲介」は、ともすれば、売主・買主という依頼者の利益よりも、不動産会社の利益を優先することになります。消費者を置き去りにした行為ともいえるでしょう。

不動産会社が、より収益の多い「両手仲介」を執拗(しつよう)に目指すがために、売主から売却の依頼を受けた不動産物件を、他の不動産会社に取り扱わせないようにする行為のことを、不動産会社では、「囲い込み」(不動産・物件の囲い込み)といいます。

弊社ホームページをご参照ください。

囲い込みの具体的な手口の一例

◆クリーニングをするとウソをつく

N社:弊社のサービスで住んだまま室内クリーニングをいたします。売主様は土日しかお休みがないため、今週末、来週末でクリーニングしますので内見は3週間目以降ですね。

私:買主様リフォームを考えていますので、クリーニング不要です。

N社:売主様の意向です。売主様が汚れた室内を見られたくないと言っています。
(この期間はN社のお客様には内見させています。そして「申し込みあり」になります)

国交省が囲い込みを処分方針

2024年8月29日の日経新聞に、国道交通省が囲い込みを処分するという内容の報道をしていました。以下、抜粋して引用します。

《不動産仲介業者による「囲い込み」が後を絶たない。売却依頼のあった物件を他社に紹介せず、売り手と買い手の双方から仲介手数料を取ろうとする行為だ。国土交通省は宅地建物取引業法の通達を改正し、2025年から囲い込みを確認すれば是正の指示処分の対象とする。物件の売却依頼を受け不動産業者は公的なデータベース「レインズ」に物件情報を載せ、取引状況を公表しなければならない。取引状況は「公開中」「書面による購入申し込みあり」など3段階で表示でき、囲い込む場合は「申し込みあり」と偽るケースが多いという。

「申し込みあり」とした場合、物件の購入希望をもつ顧客をかかえる不動産業者を遠ざけることができる。売却依頼を受けた業者は自ら買い手を探して成約させることができ、売買の両者から手数料を得られる。手数料は法律に基づく告示で「売買価格の3%プラス6万円」が上限の目安となっている。囲い込みが問題となっているのは、購入希望をもつ顧客が現れても、自社で買い手を探そうとするあまりに売却が遅れることがあるためだ。

高値での購入希望者が現れても、自社で受けた購入希望を優先しようとするために、低い価格での売却を迫られることもある。物件保有者の利益を損ねている可能性が指摘されている。国交省は取引の透明性を高めるため、宅建業法の解釈や運用に関する通達を6月末に改正し、囲い込みは処分対象だという見解を明確にした。

レインズへの登録内容に虚偽があることがわかれば処分する方針だ。こうした取り決めを2025年1月に施行する。発覚した場合は、宅建業法に基づく是正や再発防止の指示処分の対象となる。従来は発覚時の罰則が明確ではなく、囲い込みを許すもとになっていた。ある不動産業者の担当者は「大手でも、購入申し込みがないにもかかわらず、申し込みがあるとウソをついて内見を断るケースがある」と話す。レインズに関しては、仲介業者が売却を希望する物件の価格や面積、間取りなどを入力して掲載し、買い手側が検索できる仕組みとなっている。取引状況は必須の登録項目となっている。近年の住宅価格の高騰を受け、新築に比べて安価な中古住宅を選ぶ消費者は増えている。

内閣府の24年度の経済財政白書は住宅の着工戸数と中古住宅の取得戸数から中古の割合を試算しており、2022年度は約30%と10年前の約15%から上昇している。》

 

REDS 不動産流通システムの木村です。
宅地建物取引士・管理業務主任者・リフォームスタイリスト
(お気軽にお電話・メールにてお問い合わせください)

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