こんにちは。REDSリフォームの髙石です。ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回もリフォームをする上での制約について書いてみたいと思います。
(写真はイメージです)
二重天井と直天井
前回、床には二重床と直床の2種類があるとお伝えしました。天井も二重天井と直天井の2種類があります。
直天井とは
直天井は上階の床裏や屋根裏に直接仕上げ材を取り付けた天井のことです。
【直天井の特徴】
- コスト:施工コストが比較的低い。
- 耐震性:構造がシンプルで、耐震性も高い。
- 空間の広がり:天井裏の空間がないため、部屋が広く感じられます。
【直天井のデメリット】
- 遮音性:上階からの音が直接伝わりやすい。
- 設備の設置:埋込型の照明器具や空調機器の取り付けが難しい。
直天井は、シンプルでコストを抑えたい場合に適しています。また、商業系店舗や、住宅のリフォームであえて天井を見せる空間づくりも増えています。
ダクトや電気配線などインダストリアルな雰囲気で仕上げていたり、白く塗装をして観葉植物とのナチュラル感を演出していたりして、見た目はとってもオシャレで素敵な雰囲気になります。ですが、毎日暮らしていくお部屋ですので、音の問題や、ダクト配管に積もったホコリなどのお掃除が大変といったお話もチラホラ聞こえます。
二重天井とは
二重天井とは、床と同じように天井が二重構造となっているものです。上階の床(スラブ)から下地の枠を吊り下げ、その下に天板を貼り付けることで二重構造を作り出しています。
【二重天井のメリット】
- 遮音性:上階からの音が直接伝わりにくくなります。
- リフォームのしやすさ:配管や配線などが天井の空間に設置されますので、リフォームが比較的簡単です。
- 見た目がすっきりする:二重天井の中にはキッチンや洗面・トイレ・浴室から出る排気ダクト、天井埋込型エアコン、埋込型ダウンライトなどを取り付られます。配管・配線が隠れますので、天井がすっきりとした見た目になります。
【二重天井のデメリット】
- コスト:直天井に比べて、施工コストが高くなります。下地を組んだりする必要があるので、その分の費用がかかってしまいます。
- 遮音性の限界:ある程度の遮音性はあるとはいえ、完全な遮音性は保証されていません。例えば、重たいものなどが上階で落ちた、子供の走り回る足音が響く、などもあります。
マンションで二重天井の場合は、上階床(スラブ)から200mm程の高さが必要となります。室内の天井高さを2400mm確保したい場合は、階高2800mm以上あると十分な住空間を維持できるのではないでしょうか。
こちらはマンションの矩計図。上階のスラブ下に二重天井の空間があります。天井高は2500mm、床はスラブまでで195mmの空間としています。この場合、お部屋の階高は二重天井460mm+天井高2500mm+二重床195mm=3155mmとなります。
二重天井から直天井に変更したい、とした場合、写真例は2960mmもの天井高さの空間となり、より広く感じるお部屋づくりもできるということになります。
とはいえ、マンション最上階のお部屋などでは二重天井内に断熱材が吹き付けられているかと思います。その場合に直天井にしてしまうと、配管・配線に加えて断熱材もむき出しになってしまいますし、最近の夏の暑さを考えますと、無理に直天井に変更することもないのでは、と個人的には感じています(本当に暑いです…)。
もし、直床・直天井のお部屋から二重床・二重天井に変更したい、という場合は今現在のお部屋空間がどのくらいあるのか、知っておく必要があります。もしかしたら床は二重床に変更できずとも、場合によっては二重天井に変更することが可能な場合もあります。
お部屋の個性を見ながらリフォームを考えてあげるとよいかと思います。
天井設備
天井の中には配線・配管などが隠れていますが、よく目にする設備も天井には取り付けられています。照明器具や自動火災警報器、特に注意が必要な天井設備としてタワーマンションのスプリンクラーが挙げられます。
11階以上のマンションにはスプリンクラー設備が設置されています。設置基準は消防法によって定められていて、建物の用途や規模、構造によって異なります。
リフォームなどで間仕切り変更や天井を触る工事において、スプリンクラーの位置などを変更することはできません。配管をいじることもできませんし、また、衝撃で水が大量に放水されてしまうこともあります。スプリンクラーヘッド1つ当たりの放水量は毎分約30~50L、高層階で放水されてしまった時のことを想像すると、被害を考えたら恐ろしくて血の気が引きます…。
また、タワーマンションに限らず、お部屋の増室によって自動火災警報器を増設する必要も出てきます。各管轄の消防署によって設置基準が異なる場合もありますが、例えばファミリークローゼットなどの大型の収納を造作した場合、居室ではないものの、自動火災警報器を設置しなければいけなくなることもあります(以前、大型収納を計画した際にヒアリングしたときは、4㎡以内か超えるかでつける・つけないの判断が必要でした)。
リフォームを実施するには、暮らすうえで必要な設備などの設置も考えながら計画をしていなければいけません。リフォームで検討したいお部屋がはたして実現可能なのかどうか、ご相談事があればお気軽におたずねください。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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