ペアローンの短所を補完するペアローン団信とは? 扱う銀行やメリットについて徹底解説 | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の近藤未来です。

ペアローンでは、1つの物件に対して、夫婦や親子などがそれぞれの名義で住宅ローンを契約します。2人合わせれば借入可能額が高くなるため、1人では手の届かない金額の物件も検討できるようになります。さらに、住宅ローン減税を受けられる物件の場合、ペアローンであれば2人それぞれが利用できるというメリットがあります。

ただし、ペアローンにもデメリットがあります。もしも一方が安定収入を得られなくなると、パートナーが連帯債務者として返済の義務を負うことになることです。さらに、ペアローン利用者の一方がローン返済期間中に亡くなってしまった場合、団体信用生命保険(団信)で1人分のローンは完済されますが、残った配偶者名義のローン返済はその後も続くことになります。

そんなペアローン利用者の不安にこたえる形で新たに始まったサービスが「ペアローン団信」です。今回はこの「ペアローン団信」について解説します。

ペアローン

(写真はイメージです)

ペアローン団信とは

ペアローン団信は、いずれか一方が死亡したら2人分のローン返済が免除される団体信用生命保険です。ペアローン団信の目的は、死亡したときに配偶者にのしかかる経済的負担を緩和することにあります。ローンの返済がいらない住宅をパートナーに残すことができ、住宅ローンに上乗せ金利を支払うことで利用ができます。

2024年6月にPayPay銀行、7月にみずほ銀行でサービスがすでにスタートしており、りそな銀行・埼玉りそな銀行でも10月から取り扱いを始めることが発表されています。すでにサービスが始まっている2行のサービス概要は、以下のとおりです。

【PayPay銀行】
名称:PayPay銀行 ペア連生一般団信
上乗せ金利:+0.2%
年齢:満65歳未満
特徴:死亡・高度障害・余命6カ月で2人とも返済免除

【みずほ銀行】
名称:みずほ銀行 ペアローン団信
上乗せ金利:+0.2%
年齢:満71歳未満
特徴:死亡・高度障害で2人とも返済免除

両行とも一般団信とがん保障付きがあります。2行のがん保障付きの商品の概要は以下の通りです。

【PayPay銀行】
名称:PayPay銀行 ペア連生がん100%保障団信
上乗せ金利:+0.4%
年齢:満51歳未満
特徴:・死亡・高度障害・余命6カ月で2人とも返済免除
   ・がん診断で2人ともローン残高の100%保障
   ・本人分のがん診断一時金 など

【みずほ銀行】
名称:みずほ銀行 ペアローン団信(がん団信のペア)
上乗せ金利:+0.2%
年齢:満51歳未満
特徴:・死亡・高度障害・余命6カ月で2人とも返済免除
   ・がん診断で2人ともローン残高の100%保障

※商品の詳細は各銀行のホームページ等でご確認ください。

「ペアローン団信」最大の注意点

経済的にメリットの多そうなペアローン団信ですが、見逃せない注意点があります。

ペアローン団信では契約者が死亡すると配偶者のローンも免除になりますが、配偶者が免除されたローン分については一時所得として扱われ、所得税の対象となってしまいます。この点について説明させていただきます。

団体信用生命保険は、そもそも生命保険です。生命保険金がローンの返済に充てられることで、以後のローン返済が免除される仕組みとなっています。生命保険金は、遺族の生活保障というその性質から、そもそも非課税扱いのため、契約者が死亡し本人分のローンが団信で免除されても税金はかからない仕組みとなっています。

では、ペアローン団信における配偶者のローン免除はどうかというと、生存者が自分のためにかけた保険で利益を得ることからこの理屈に当てはまりません。そのため、配偶者が免除されたローン分については、一時所得として扱われ、所得税の対象となります。

ペアローン契約済みの人は借り換えをするべきか?

すでに他の金融機関でペアローンを契約している人が、このペアローン団信を付けるためにローンの借り換えをするべきなのかというと、そんなことはありません。

別の金融機関へのローンの借り換えを行う場合、登記費用や銀行事務手数料、保証料などが再び必要になります。2人分のローンの借り換えにこうした手数料を支払うことを考えると、収入保障保険で保障を上乗せする方がコストを抑えられます。

では、これからマイホームの購入を検討している人はどうでしょうか。住宅購入を考えるうえで一番大切なことは、自分たちにとってのライフプランです。今後、共働きを続けて2人でローンを返済するのか、働き方を変える可能性はあるのかなど、まずは2人のキャリアプランやマネープランなどから、住みたいエリアや購入価格を考えるべきです。その予算感から物件候補を選び、条件のいいローンを選択していくという順番になります。

まとめ

ペアローン団信はあくまでもローンのおまけです。ペアローンには、死亡時以外にも離婚や収入減少のリスクもあります。

それでもペアローンを選択したい人は、多くの銀行の中から金利や条件を比較してローンを選び、そこにペアローン団信という選択肢があれば利用するという順番がいいでしょう。

ペアローン団信という選択肢がなければ、収入保障保険などの生命保険を使って、配偶者分のローン返済に備える方法があることも覚えておきましょう。

 

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