昭和にはよく見られた十軒長屋。今、長屋に住むメリットとデメリットとは | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の藤ノ木裕です。今回は「十軒長屋」ついて解説します。

「十軒長屋」とは、一棟の建物に10戸の住戸が連続して並んでいる長屋のことです。これは、江戸時代から昭和初期にかけて多く見られた住宅形態で、各住戸が壁を共有しながら連続。各住戸には独立した玄関があり、直接外部に出入りできるようになっています。

各住戸は6畳や4畳半の部屋が一般的で水道やトイレは共用。特に都市部での住宅不足を補うために建てられ、戦後の混乱期には戦災者や引き揚げ者のために緊急対策として多くの長屋が建設されました。

現代では、長屋という形態は少なくなりましたが、テラスハウスやタウンハウスといった形で、住民どうしの交流という点でも再評価されています。

それでは早速、長屋についてご説明いたします。

長屋

(画像はイメージです)

十軒長屋はリノベーションされてオシャレ施設に

今でも十軒長屋が多く残っているエリアはいくつかありますが、都内では墨田区の京島エリアです。

戦前の長屋が多く残る地域で、ここではカフェやアトリエにリノベーションされて活用されています。特に、京島交差点周辺には、古い長屋を活用したアートスペースやカフェが点在しています。

長屋のメリット

長屋にはさまざまなメリットがあります。

経済的メリット

まず「建築コストの削減」があります。長屋は一棟の建物に複数の住戸が連続しているため、建築コストを抑えることができます。特に水道や電気などのインフラを共有することで、個別に建築するよりもコストが低くなります。

また、戸建てと比べて家賃が安い傾向があります。

社会的メリット

社会的メリットのひとつとして、長屋では住民どうしの距離が近いため、自然とコミュニティが形成されやすいことが挙げられます。共用の玄関や廊下がないため、プライバシーを保ちながらも、隣人との交流がしやすい環境です。

また、住民同士が顔見知りになり、互いに見守り合うことで防犯効果が期待できます。

環境的メリット

環境的メリットとしては、長屋は限られた土地を効率的に利用できることが挙げられます。特に都市部では、土地の有効活用が重要であり、長屋はその一助となります。

また、長屋は壁を共有するため、断熱効果が高くエネルギー効率が優れています。これにより冷暖房のコストを抑えることができます。

長屋のデメリット

長屋にはいくつかのデメリットがあり、以下にその主なポイントを挙げます。

火災が拡大しやすい

長屋は住戸が隣り合わせになっているため、一つの住戸で火災が発生すると隣接する住戸にも火が広がりやすく、特に木造の長屋ではこのリスクが高まります。

また長屋は特殊建築物に該当しないため、防火性が低いことが多いです。

防音対策が必要

長屋は壁を共有しているため、隣の住戸からの生活音が気になりがちです。特に木造の場合、会話やテレビの音、ドアの開閉音などが響きやすいといえます。防音対策が必要です。

プライバシー確保に難あり

長屋では住戸が密接しているため、プライバシーの確保が難しい場合があります。特に玄関や窓が隣接している場合、視線が気になることがあります。

修繕が難しいことも

長屋は一棟の建物を複数の住戸で共有しているため、修繕や改築が必要な場合、全体の合意が必要になるので修繕が遅れることがあります。

古い長屋は老朽化が進んでいることが多く、特に木造の長屋ではシロアリ被害や腐朽が問題となることがあるので注意が必要です。

まとめ

長屋は江戸時代から受け継がれてきた日本の伝統的な住宅形態であり、その歴史や文化を感じ取ることができます。まさに古き良き日本の風情を楽しむことができる点も魅力の一つです。

古い長屋をリノベーションし、現代的にアレンジすることで、快適な住環境を提供することができます。このように、古い建物の魅力を活かしつつ、現代の生活スタイルに適合した住まいを実現できる可能性があるかと存じます。

ぜひご検討いただけますと幸いです。

 

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