REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの佐藤亮介です。
不動産を購入されるお客様は、購入契約をされる前に、不動産業者(仲介業者または売主の不動産業者)の宅建士から、購入する不動産について書面を示して「重要事項説明」を受ける決まりになっています。
お客様にとっては初めてのご経験となることがほとんどだと思いますので、重要事項説明におけるポイントをいくつかご説明したいと思います。
今回は、重要事項説明書に書かれている「Ⅰ 対象となる宅地または建物に直接関係する事項」中、「8.当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か」欄についての解説です。
土砂災害警戒区域にある不動産を売買するときの記載例
8.当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
土砂災害防止対策推進法 | 1.土砂災害警戒区域 | □外・■内 | →内の場合には下記2.および後記説明へ |
2.土砂災害特別警戒区域 | □外・■内 | →内の場合には後記説明へ |
売買対象の土地建物が、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域内にある場合の記載例は、次のとおりとなります。
土砂災害警戒区域について
対象不動産は土砂災害警戒区域内に存します。
同区域は、急傾斜地の崩壊等が発生したとき、住民等の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地として、●●知事が指定した区域です。
※ちなみに「急傾斜地の崩壊等」ですが、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りの3種類があります。
土砂災害特別警戒区域について
対象不動産は土砂災害特別警戒区域内に存します。
同区域は、警戒区域のうち、急傾斜地の崩壊等が発生したとき、建築物に損壊が生じ住民等の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限や居室を有する建築物の構造の規制をすべき土地として●●知事が指定した区域で、次のようなことがおこなわれます。
・特定開発行為に対する許可制
住宅(自己の居住の用に供するものを除く)、社会福祉施設、学校、医療施設のための開発行為は、●●知事の許可を要します。
・建築物の構造規制
居室を有する建築物に作用すると想定される衝撃に対し、安全なものとなるよう構造が規制されます。
・建築物等の移転勧告
●●知事は、住民等の生命または身体に著しい危害が生ずるおそれが大きいと認めるとき、所有者等に対し、当該建築物の移転等を勧告することができます。
※ちなみに「急傾斜地の崩壊等」ですが、土砂災害警戒区域と同様に、急傾斜地の崩壊、土石流、地滑りの3種類があります。
重要事項説明書に添付する資料としては、市区町村の作成している「土砂災害ハザードマップ」より、都道府県にて作成、公表している「土砂災害警戒区域等の指定の公示に係る図書」の方が、位置についてより正確です。
「土砂災害警戒区域等の指定の公示に係る図書」の入手先は以下のとおりです。
- 東京都:「東京都土砂災害警戒区域等マップ」
- 神奈川県:「神奈川県土砂災害警戒情報システム」
- 千葉県:「ちば情報マップ」の「防災情報」
また、売買対象不動産が土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に該当していない場合でも、近隣(おおむね200m以内)に指定がある場合は、以下のように記載するようにしています。
対象不動産は土砂災害警戒区域内ではありませんが、●側約○○m先は土砂災害警戒区域に指定されています。
同区域は、急傾斜地の崩壊等が発生したとき、住民等の生命または身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、当該区域における土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地として、●●知事が指定した区域です。
日常生活での活用について
近年の異常気象に伴い、川が氾濫したとか、がけ崩れが発生したというニュースをよく目にするようになっています。その報道の際、「洪水ハザードマップの浸水想定区域でした」とか、「土砂災害特別警戒区域でした」と伝えられるようになっています。
土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域については、不動産を購入する際の重要事項説明書で説明する項目ですが、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域にあたるエリアかどうかは、水害ハザードマップと同様にしっかり確認しておいたほうがいいのではないかと思います。
自身が住んでいる場所に限らず、例えば自宅から駅や学校、スーパーマーケットなどまでの道のりにないかどうかをチェックして家族と情報共有しておきましょう。また、観光やレジャーに関しては、天気予報とともに、訪れる場所やそこまでの道のりに警戒区域や特別警戒区域がないかどうかをチェックすることも大切かと思います。
弊社では、購入される皆様に安心してご購入いただけますよう、エージェントがしっかり調査をし、重要事項説明書を作成しております。
不動産は、大切な財産です。ご不明な点は、いつでもご質問ください。どうぞよろしくお願いいたします。
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