気になる物件の販売図面、不動産会社から渡されたらチェックするところは? | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは、不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の小室武稔です。今回は物件の価格や概要、アピールポイントを記載したチラシ「販売図面」がテーマです。

販売図面は不動産会社が作成するもので、物件の概要のほかに、室内の写真や外観写真、スーパーなどの施設までの距離などを掲載し、購入検討者様へお渡しする資料のことです。

販売図面の内容は「不動産の表示に関する公正競争規約」に則って記載されています。聞きなれない言葉も多く、記載内容を難しく感じる方も多くいらっしゃると思いますので、販売図面の見方について、ご説明します。

図面

販売図面に記載されている価格は税抜きなのか税込みなのか

販売図面にある販売価格は記載されているとおりですが、不動産の購入を検討する際に見る価格には、税込価格なのか税抜価格なのか分からない物件を多く見かけます。

不動産の広告には「税抜表示」は認められておらず、消費税課税事業者が売主の場合は「税込」の価格となります。販売図面に「税込」と記載されていれば、不動産会社もしくは一般法人が売主の物件となります。マンションや戸建ての新築物件は、課税事業者である不動産会社が売主の場合が大半なので、必ず表示価格のそばに「税込」と表示されています。

ただし、土地の売買は、消費税の課税の対象とならない非課税取引となりますので、消費税課税事業者の場合も「税込」の表示はありません。

一方、「非課税」表示の物件は、一般個人が売主の物件ということになります。一般個人の販売物件は課税対象ではありませんので、消費税はかかりません。

販売図面上の価格の表示で、「消費税が発生しているのか」「売主が個人か法人か」を判断することができることも知っておいて損はないでしょう。

販売図面にある交通や距離の表示について

不動産広告は、距離や徒歩分数を計算する際、徒歩距離で1分を80mとして表示します。仮に距離が500mであれば、7分の表示となります。2022年9月に施行した改正不動産の表示に関する公正競争規約で、駅や周辺施設までの距離や所要時間を測る際の起点と終点は、「出入口」とすることを明文化されました。

これまでは、駅やスーパーなどの施設の近い敷地の出入口からの距離を表示する会社も多くありましたが、改正後は、必ず建物の出入口で計測することとなっています。

また複数棟からなる大規模マンションは、それぞれの棟によって駅や施設までの距離表示が異なる可能性があります。

土地・建物の面積について

販売図面には、土地・建物の面積が記載されていますが、単純な広さの把握だけでなく、各減税措置の対象か否か判断材料にもなります。

マンションの面積表示は、壁芯面積となるケースがほとんどで、そのほかに登記面積があります。壁芯面積と登記面積はどちらも同じ広さを表す表示ですが、計測方法上、登記面積のほうが少し狭くなります。壁芯面積表示が50㎡を少し超えた広さの物件は、登記面積では50㎡未満で減税措置が受けられない可能性もあるので注意が必要です。

間取り(リビング・ダイニング・キッチンなど)の表示について

3LDKや3DKといった間取り表示はお部屋の大きさで表示が変わり、一般的に広い部屋になるにつれて1R⇒DK⇒LDKとなります。

1Rは、キッチンと居室に仕切りがなく一体化したワンルームタイプのことです。Dはダイニングルーム(食事室)、Lはリビングルーム(居間)の意味で、DKなら「キッチンにテーブルを置いて食事もできる程度の広さの部屋」、LDKなら「DKよりさらに広くソファなども置けるほどの広さの部屋」という意味です。

また、アルファベットの前の数字は居室の数となり、3LDKなら「3部屋の居室とリビング・ダイニング・キッチン」となります。このほか、「2SLDK」や「2LDK+S」という表記もよく見られますが、このSは「サービスルーム」を表し、採光不足などで居室とは認められないものの、納戸やフリースペースとして使える部屋があることを示しています。

構造について

販売図面には戸建てやマンションの構造も表示されています。戸建てであれば、木造か軽量鉄骨造、マンションであれば多くが鉄筋コンクリート造(RC造)で建築され、ほかに鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)も代表的です。

構造によってメリットとデメリットがありますので、確認されるといいかと思います。

土地権利について

建物が建っている土地の権利についても販売図面には記載されています。「所有権」や「借地権」などで、所有権の不動産の売買の場合は、建物だけでなく、土地(マンションの場合は建物ごとの持分)も売買し、所有権を有することになります。

また、借地権の場合は土地の売買は行われず、土地の所有者と賃貸借契約を結び、賃料(地代)を支払うことになります。また売却時の「譲渡承諾料」や「毎月の賃料(地代)」も記載されていますので、確認が必要です。

マンションの場合の管理体制について

マンションの場合、管理費や修繕積立金、その他ランニングコストの金額も記載されます。
日勤や巡回などの管理員の管理体制についての記載もありますので、購入の判断材料として、確認が必要です。

引渡しの記載について

新築物件であれば、建築の状況に応じて、引渡しの時期が設定されています。また、中古物件であれば、売主様のご事情によって時期が設定されます。

現況が「空室」でお引越し後であっても、住宅ローンの完済手続きで1か月程度の期間を要することもあり、引渡し時期を「相談」としているケースがありますので、事前に確認しておくといいでしょう。

最後に

販売図面についておおまかな記載内容をご説明させていただきました。多くのお客様が内見前にインターネット広告を確認のうえ、不動産会社に問い合わせ、不動産会社より販売図面を提供されるでしょう。販売図面上で気になる点は事前に確認し、内見に進むべき物件か、判断材料として販売図面をご活用いただければと思います。

ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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