こんにちは。
REDSリフォーム、宅建士・二級建築士の髙石彩也子です。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「リフォームのススメ」です。
「無難な造り」は「部屋に人が合わせる」しかない
マンションでは特にですが、新築時のお部屋の多くは「無難に生活できるお部屋」になっています。
洋室が2つ、和室が1つ。水回りはキッチンにお風呂、洗面とトイレが別々に分かれていて、フローリングや白い無地の壁紙が貼られたお部屋は「このままお住まいできますよー」という造りになっています。
もちろんそのままでも十分暮らせるのですが、ご家族5人には狭かったり、反対に2人ではお部屋を持て余してしまっていたり。多少の不便さに目をつぶって、造られたお部屋に慣れて生活をしているといった方が多いのかもしれません。
住環境の良さや通勤・通学アクセスの利便性も、もちろん暮らす上では重要な要素だと思います。
そんな理由から、近場で〝ちょうどよい〟広さのお部屋がないだろうか、と物件を探し始めるのではないでしょうか(私がそうです)。
正直なところ、新築時に分譲されているマンションは、多数の人が求めやすい間取りや価格で販売できるような物件がほとんどです。建築時のコストも関わってきているのかな、とも思いますが、結局、「お部屋に人が合わせる」生活となってしまいます。
私がリフォームをオススメする理由
どうしてもお金がかかってしまうお話になってしまいますが、新しいお部屋をご購入したときは「ぜひともこの機会にリフォームをしませんか!?」と声を大にしてオススメしたいです。なぜリフォームをそんなに勧めたいのか、という理由をここでお話ししたいと思います。
配管が鉄管か、それとも架橋ポリエチレン管か
建物の年代とともに、使用される建材は変化しています。その中でも、やはりいちばん気にしてほしいのは給排水やガスの配管です。
昭和40年代~平成初期くらいまでの間、国内で使用されていた配管はほとんどが鋼管・鉄管です。金属の管ですので、使用していくうちに配管内にさびが発生してしまい、水がうまく流れず詰まってしまう、といった現象が起きます。
状態が悪くなると、水を出した際に赤水と呼ばれるさびの入ったお水が出てきてしまうこともあります。赤水は赤さびのほか、微生物や細菌の死骸が含まれる場合もあります。
お部屋の配管はおおよそ床下(給水などは天井から)に配管されており、床をはがさない限りは交換することはできません(管の継手などの部分は、大体床や壁の点検口から確認できたりするのですが)。
もし検討されているお部屋が平成初期までの建築物である場合は、配管を変える必要があるかもしれない、と頭の隅に置いておいてほしいです。リフォームの履歴がある場合は、その際に交換がされているかどうかを聞いてみるといいと思います。
スラブの状態が確認できる
スラブというのは、躯体(くたい)のコンクリート部分のことです。
よくフルリノベーション、スケルトンリフォーム、なんて言葉がリフォームをする際に出てきます。「意味は一緒では?」とよく言われますし、私もリフォームに関わるまでは一緒なのだと思っていました。でも実際はかなり違いがあります。
フルリノベーションは
- 水回り設備の一新
- 間取りの変更
- クロスの張り替え、フローリングの張り替え
スケルトンリフォームは
- 全部壊して、イチからお部屋を作り直す
スラブの状態が確認できるのは、ほとんど後者のスケルトンリフォームです。スケルトンリフォームでは、オートロック付きマンションでは共用部となるインターホンを除いてすべて解体されます。
コンクリートの箱がむき出しの状態、つまり四方八方すべてコンクリートの状態になりますので、ここで初めてスラブ(箱)の状態を確認できるようになります。大きなひび割れがないか、ジャンカ(型枠に流したコンクリートが行きわたらず、砂利などの骨材が表面に現れた欠陥部分)が出ていないか、鉄筋が露出していないか、などなど。お部屋ができあがっていると全く様子のわからない箱の状態を、初めて把握できるようになるわけです。
もしそういった状況が目視された場合は、簡易的な補修はリフォーム会社で対応もできる場合もありますが、修繕はマンションの管理組合側で行います。その場合は工期が延びてしまうこともあります。
また、断熱材がどのくらいの厚さで吹き付けられているか、なども見ることができます。黄色や緑色の発泡ウレタンが主で、外壁側の壁に30mmくらいの厚みで吹き付けられています(今は50mm以上の厚みでしょうか?)。
外壁側だけでなく、エレベーターと隣接している場合はその部分に吹き付けられていることもあります。
うまく機能が働いていない場合、冬場の結露の原因ともなったりして「天井から水滴が垂れてきます……」といったお悩みも出てきます。
結露がひどすぎてダンボールなどで覆いをすることになった、クローゼットの中がカビで真っ黒になってしまった、などのケースもあるため、リフォーム時に断熱材を張り直しすることもあります。
ライフスタイルに合わせたお部屋づくりができる
家族の人数、必要な部屋数などを改修で反映できるのがリフォームのいいところです。お子様が巣立ってふたり暮らしになるので……と、リビングを広くしたり、趣味のお部屋を設けたり。音楽や映画が趣味の方は、お部屋を防音室にすることもあります。
水回りやキッチンなど、給排水に関係する場所は位置を変えると床が上がってしまうなど、いろいろと制約が出てきてしまうこともありますが、居室は本当に自由です。来客が多い場合は土間を広げて明るく出迎えることもできます。
「家族が増えたけど、今のところからはできる限り動きたくない」といったときに、お子様スペースをリビングとつなげてあげてお母さんの目が届くところでのびのび生活できるように……などなど。
最後に
お部屋をご購入いただいたら、数十年そのお部屋で過ごすことになります。
お仕事をしていると、お家で生活する時間は一日の中でもしかしたら数時間かもしれませんが、帰ってきたときに出迎えてくれる場所でもあります。素敵な時間を過ごせるようにしてほしいです。
どんな生活を送りたいか、どんな雰囲気が落ち着くのかなど、いろいろな「好き」を詰め込んだリフォームのお手伝いができたらなぁ、と思っています。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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