令和6年度税制改正で確認しておきたい住宅関連分野のポイント≪後編≫ | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは、REDSエージェント、宅建士の大西進(おおにし すすむ)です。私のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

≪後編≫は住宅ローン控除など、一番身近な税制について再確認していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

税制改正

住宅ローン減税の借入限度額および控除期間のポイント

住宅ローン減税の借入限度額と控除期間についてのポイントは3点です。

1.令和6(2024)年に入居の場合、子育て世帯と若者夫婦世帯の場合の借入限度額が2022年、2023年の水準に維持されました。

2.「その他住宅」は、住宅ローン減税が2024年以降の入居の場合は、適用されなくなりました。ただし、2023年までに新築の建築確認をされた住宅を取得した場合、借入限度額は2,000万円。

3.所得要件が1,000万円以下の場合、取得する住宅の床面積の緩和(50㎡→40㎡)の取り扱いが、2024年12月31日まで延長されました。

※(参考)「令和6年度国土交通省税制改正概要」Q&Aより(抜粋)
子育て世帯・若者夫婦世帯とは、具体的にどのような世帯を指すのでしょうか。
→①年齢19歳未満の扶養親族を有する者②年齢40歳未満であって配偶者を有する者、又は年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者が住宅ローン減税の適用を受ける場合が対象となります。なお、上記の年齢については、入居年の12月31日時点における年齢とすることを想定していますが、関係税制法の成立後、国土交通省HPにおいてご案内をさせていただきます。

住宅ローン減税の借入限度額及び床面積要件の維持

相続時精算課税制度で確認しておくポイント

令和5(2023)年度の税制改正大綱において、相続時精算課税選択者が2024年1月1日以後に、相続時精算課税制度を選択した父母から贈与を受けた場合は、一般の贈与の基礎控除とは別に年間110万円の基礎控除を受けられることになりました。

また一般贈与は、相続人に対する3年以内(2030年までに段階的に7年に延長)の贈与の相続財産に加算されるという持ち戻し規定が変更されることになりました。

暦年贈与と相続時精算課税制度の比較

相続時精算課税制度の利用は一般贈与の1割以下

相続時精算課税制度は、一度選択すると、その選択した父母などからの贈与については、一般贈与(暦年贈与)に戻ることはできず、その選択した父母などが死亡するまで、その贈与者からの贈与は相続時精算課税制度による贈与ということになります。

相続時精算課税制度は、2,500万円まで非課税で贈与できますが、これはあくまでも相続財産の前渡しにすぎないので、その贈与者が死亡したときには、すべて相続財産に加算されることとなっています。

また、一度、相続時精算課税制度を選択すると、年間110万円以下の少額の贈与でも毎年、申告をする必要があり、累積で2,500万円を超えた年以降は、少額の贈与であっても20%の税率による仮払い贈与税を支払う必要があります。

このように相続時精算課税制度は、一般贈与とは違い、贈与額のすべてが相続財産に加算されるなど一般贈与の10分の1以下の利用となっているようです。

利用推進のためメリットが設定される

ところが令和5(2023)年の税制改正において、相続時精算課税制度を推進する観点から、相続時精算課税の選択者が2024年1月1日以後に、相続時精算課税制度を選択した父母から贈与を受けた場合は、一般贈与の基礎控除とは別に年間110万円の基礎控除を受けられることになりました。

たとえば、父親からの贈与は相続時精算課税制度を選択し、母親からの贈与は一般贈与であった場合は、母親からの贈与に対する一般贈与の基礎控除110万円と別に、父親からの相続時精算課税制度による贈与に対しても110万円の基礎控除が受けられることになりました。また、一般贈与について、相続人に対する一定期間内(2030年までに段階的に3年から7年に延長。以下同じ)の贈与は相続財産に加算されるという持ち戻し規定があります。

そのため、母親からの贈与は3年間から最長7年間の持ち戻し期間が過ぎるまでの分は相続財産に加算されるのに対して、父親からの相続時精算課税制度による贈与は110万円の基礎控除によって110万円までの相続時精算課税贈与は申告しないでよいだけでなく、父親の死亡時にも持ち戻し不要となりました。

ただし、これはあくまでも相続時精算課税制度の中での基礎控除であるため、例えば相続時精算課税制度を選択していた父からその後に受けた贈与110万円以下の年については父親の相続時には加算されませんが、300万円贈与を受けた年であれば、110万円を控除した190万円が加算されることになります。このため、2024年からは、大資産家を除き、相続人のある子に対しては一般贈与よりも相続時精算課税制度を選択したほうが有利になるケースがあると考えられます。

災害被害を控除して再評価が可能に

相続時精算課税により贈与した財産は、あくまで贈与したときの評価額で相続財産に加算されることになっています。このため、例えば贈与を受けた建物が相続開始までに災害などにより滅失してしまったとしても、贈与時の評価額で相続財産に加算する必要がありました。

しかし、2024年1月1日以降に起きた災害によって、土地や建物が一定の被害を受けた場合は、贈与の評価額から災害による被害額を控除した額で再評価することが認められることになったことも確認しておきたいポイントです。

まとめ

2回にわたって「令和6年度税制改正で確認しておきたい住宅関連分野のポイント」を書きましたが、いかがだったでしょうか?

税の優遇だけを考えても、いい住宅を購入できるわけではありません。そのタイミングがとても大切なので、税の優遇も受けつつ、いい物件を購入するためには、やはりまめな物件チェックが必要となりそうです。

 

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