住宅ローンの変動金利で押さえておくべき5つの特徴。5年ルールと125%ルールとは? | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の近藤未来です。

住宅ローンの変動金利は他のタイプに比べ、金利が低いことが魅力です。しかし、適用される金利は将来的に変動する可能性があり、そうなると返済額が変わります。

現在の日本の住宅ローンは〝超低金利時代〟ともいわれますが、今後どこかで利上げが行われる可能性もあり、変動金利を利用している人は、その特徴を正しく知っておく必要があります。

変動金利

住宅ローンの変動金利、5つの特徴

変動金利を正しく理解するために押さえておくべき5つの特徴を整理しておきます。

適用金利は半年ごとに見直しがされています

変動金利は文字どおり金利が変動するタイプの商品です。借りたあと、適用金利は半年ごとに見直されます。

金融機関によって異なる可能性はありますが、多くは4月と10月に見直しが行われ、翌々月から適用されます。今後、金融政策の方針が変わって利上げに踏み切ることがあれば、適用金利が上昇する可能性があります。

適用金利が変わっても毎月返済額は5年間固定されます(5年ルール)

元利均等方式の変動金利で借りた場合、半年ごとの金利見直しにより適用金利が上がったとしても、5年間は毎月の返済額は変わりません。

適用金利が大幅に上昇したときに毎月の返済額も上昇すると、家計にも大きな影響を及ぼすことになるので安心して返済できます。

「5年ルール」により返済額は変わらなくても元利割合は見直されています

5年ルールにより返済額は5年間変わらないものの、適用金利が変われば、返済額に占める元金と利息の割合は変わります(返済は利息が優先されます)。

例えば、毎月の返済額の合計が10万円で、元金返済額9万5,000円、利息が5,000円だったとします。適用金利が上がって支払利息が増えると、月10万円の返済額は変わらなくても、内訳が元金返済額9万円、利息1万円などと変わる可能性があります。

5年経過後の返済額上限は従前の125%までとなります(125%ルール)

前述のとおり、元利均等方式の変動金利の住宅ローンは5年ルールにより、たとえ金利が上昇しても5年間の返済額は変わらず、6年目にその時点の適用金利によって返済額が見直されます。このとき、適用金利がどれだけ高くなっていても、返済額の上限は125%までに抑えられます。この特徴は「125%ルール」といわれています。

従前の毎月返済額が10万円だった場合、6年目の見直しの際の上限は月12万5,000円。適用金利が大きく上がった場合でも家計への影響を抑えられます。

急激な金利上昇が続くと未払利息が発生する可能性があります

変動金利で急激な金利上昇が続いた場合、5年ルールや125%ルールが裏目に出て、返済額に占める元金と利息の割合が逆転して、毎月の返済額のほとんど(またはすべて)が利息へ充当され、融資残高が減らず未払い利息が発生する、という現象も起こり得るため注意が必要です。

未払い利息とは

未払い利息についても解説しておきます。

住宅ローンの金利が上昇しても、5年ルールと125%ルールがあれば、急激に毎月の返済額が上昇することはありません。しかし、金利が上がると利息は増えるので、毎月の返済額に占める利息部分の割合が増えていることになります。

金利が極端に上昇した場合は、理論上、毎月の返済額の全てが利息の支払いになることも考えられます。毎月の返済額よりも利息の支払金額の方が大きくなると、元金の返済は一切進まず、さらに未払いの利息が発生することになります。

この支払いきれずに返済が後回しになった利息のことを「未払利息」といいます。

125%ルールが設けられている場合は、金利の上昇時、25%の返済額の上昇では、支払利息の増加金額に追い付かず、返済額の見直し後でも未払利息が発生し続けることもあり得ます。住宅ローンの債務者は、返済期間の最終時点で未払利息と元金を全額返済しなければいけません。最終的に、住宅ローンの一括返済のために、金融資産の大部分を失ってしまったり、自宅を売却したりしなければならない可能性もあります。

5年ルールと125%ルールは、金利の上昇による返済金額の急上昇を抑える効果はありますが、未払利息が発生しやすくなり、さらに債務者がその事実に気がつきにくくなるという副作用があります。

変動金利の住宅ローンでも5年ルールと125%ルールがない場合があります。

そもそも、5年ルールと125%ルールは、変動金利でかつ元利均等返済を選択した場合に適用されるルールです。「元金均等返済」を選択した場合は、一般的に5年ルール、125%ルールは対象外となります。

まとめ

住宅ローンで変動金利を活用する場合には、こうしたリスクをしっかり理解したうえで利用することが大切です。

変動金利は金利を確認していないと、その特徴から金利の上昇に気づきにくく、気づいたときには固定金利への借り換えができないほど固定金利が上昇している可能性もあります。

変動金利を利用する人は、その特性やリスクもしっかり理解した上で、金利が上がったらどう行動するのか、戦略を持って利用していただければと思います。

 

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