排水管のつまり解消とメンテナンスの方法とは? 材質の変化や仕組みも解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

マンションリフォーム時に間取り変更を検討する際、特にキッチンの配置を変える場合に留意しなければならないことのひとつが排水管経路の問題です。

排水管は適切な勾配を付け施工しなければならないので、キッチンを壁付け式から対面式にしたいと思っても排水管の経路の問題でできないことが結構あります。排水管は、家庭や建物から不要な水を適切に排出するための重要な設備です。

今回は排水管について解説します。

シンク

排水管の種類と材質

排水管にはさまざまな種類があり、それぞれ特定の用途や設置場所に応じて使用されます。排水管の種類と特徴、排水設備の仕組みについてまとめました。

・塩ビ管(プラスチック製):耐食性に優れ、軽量で施工性がよく、価格も安いため、一般的によく使用されます。硬質ポリ塩化ビニル管(VU管やVP管)があります。

・鋼管(金属管):耐熱性に優れており、配管用炭素鋼鋼管や硬質ビニルライニング鋼管があります。これらは塩ビ管の内管に鋼管の外管を取り付けることで、耐熱性と耐食性を兼ね備えています。

・耐火二層管:繊維モルタルの外管を塩ビ管の内管に取り付けたもので、遮音性・耐食性・耐火性に優れ、結露に強いです。

排水設備の仕組み

排水設備は、個人で所有する設備と市町村などで管理する公共下水道の2つに分けられます。敷地内の排水設備は個人で設置・維持管理が必要です。

排水は、建物内の排水が集結し、屋外排水設備に運ばれるまでの流れがあり、その過程で排水管の名称が変わることがあります。例えば、排水管を縦に配置すると配水立て管、横引き管を配水横主管と呼びます。

排水設備では、スムーズに汚水を排除するために適切な勾配が必要です。管の径の大きさによって勾配は変わり、下流のほうが、径が大きくなるように設計されています。これは、汚物や異物がつまる原因を防ぐためです。排水管施工に関しては、建築基準法により決められています。

日本における排水管の歴史

排水管は、古代文明から現代に至るまで、人々の生活環境を改善し、公衆衛生を守るために発展してきました。以下に、日本における排水管の歴史の概要をご紹介します。

・古代からの排水設備:日本では、飛鳥時代に寺院で使用されたと推測される土管が出土しており、古代からの排水設備の存在が確認されています。また、江戸時代には竹を利用した管が排水用として使用されていたことがわかっています。

・近代下水道の始まり:日本での近代下水道の整備は、明治時代に始まりました。明治17(1884)年に東京で日本初の近代下水道が開通し、公衆衛生の向上に大きく寄与しました。

・昭和49(1974)年以前:昭和初期までは「亜鉛メッキ鋼管」が使用されていました。これは鉄管を亜鉛で加工したもので、衛生的にも品質的にも現在の基準からは好ましくないとされています。管内にさびが発生し、赤水が出ることもありました。

・昭和50(1975)年~平成5(1993)年:昭和50年代には「硬質塩化ビニル鋼管」が開発され、直管内のさび問題が解決されました。しかし、接合部やバルブは依然としてさびやすかったため、問題が完全には解決されませんでした。

・平成5(1993)年~平成10(1998)年:接合部の問題を解決するために「コア内蔵継手」が発明され、鉄管の使用が減少しました。しかし、継手の問題が残りました。

・平成10(1998)年以降:技術革新により「ステンレス鋼管」と「ポリエチレン管」が開発され、鉄さび問題に終止符が打たれました。これにより、配管がつまるリスクも軽減され、清潔な水が供給されるようになりました。

排水管のつまりとメンテナンス方法

このように、排水管は時代とともに進化し、現代ではさまざまな材質の管が使用され、より効率的で衛生的な水の管理が可能になっています。排水管の材質がよくなったとしても、汚れたりつまったりすることがなくなることはありません。排水管のつまりは、家庭内でよく発生する問題のひとつです。以下に、一般的な原因と、それに対するメンテナンス方法をご紹介します。

排水管のつまりの一般的な原因

・キッチン:油汚れが固まったり、食材のカスやヌメリが蓄積したりすることが原因です。また、固形物が排水管に入り込むこともあります。

・洗濯機:泥、髪の毛、糸クズ、洗濯洗剤などが排水管で絡まり、蓄積によって排水が流れるのをせき止めます。

・浴室:髪の毛や体毛、皮脂や垢、シャンプーやボディソープのせっけんカスなどが原因で、つまりが発生します。

・洗面台:髪の毛、ヌメリ、水アカ、小物類などが排水管をつまらせる原因となります。

メンテナンス方法

・お湯を流し込む:油が原因の場合、60度前後のお湯を流すことで油を溶かし、つまりを解消できます。

・洗浄剤を使う:市販のパイプクリーナーを使用して、髪の毛やヌメリ、水アカなどを溶かすことができます。

・ラバーカップ(スッポン)を使用する:つまりが解消されない場合、ラバーカップでつまりを取り除く方法が効果的です。

・定期的な清掃:排水管内に流れ込んだ毛髪に洗剤やせっけんのカスが蓄積し、塊となって排水管のつまりや悪臭を引き起こすことがあるため、日頃の清掃で除去し、せっけんカスが排水管に残らないように水で流すことを習慣づけることが重要です。

これらの方法でつまりを解消できる場合が多いですが、自分で対処できない場合や複数の場所で水が流れなくなった場合は、専門の業者に依頼することをお勧めします。また、排水管のつまりを防ぐためには、日常的な予防措置が非常に重要です。例えば、キッチンでは油を直接排水管に流さない、浴室では髪の毛をしっかりと取り除く、などの習慣をつけることが効果的です。

以上、排水管について、お伝えしました。

 

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