不動産の「囲い込み」。購入を妨害するあきれた実態を告発します | 仲介手数料無料のREDS

成田 育子

REDSエージェント、宅建士の成田です。

いつものことなのですが、不動産の「囲い込み」が毎日のように続いております。囲い込みについてはこちらをご覧ください。私のお客様が受けた囲い込みの被害をリアルにお伝えします。

囲い込み

ケース1:S不動産販売

S不動産販売受任物件某マンション(居住中)の購入を希望されていたお客様から、内見されたいとのご要望を受けました。こちらの取った手続きは以下のような流れです。

  1. FAXで内見の案内依頼書を送る。
  2. 案内依頼書がきちんと届いているか、S不動産会社に連絡し確認をする。
  3. 届いていることを確認するも、「担当者不在なので渡しておく」との回答。担当者は13時帰社予定と確認。折り返し電話をしていただけるよう伝える。
  4. 13時過ぎに電話をする。「担当者は接客に入った。何時に終わるかわかりません」と冷たい対応。折り返し電話をいただけるよう再度伝える。
  5. 15時過ぎに再度電話。今度は「接客後すぐに外出した。戻りは19時」と言われる。再度必ず折り返し電話をいただけるようお願いする。
  6. 18時50分に電話をすると「そのまま直帰しました」との回答。

上記の流れは不動産会社が囲い込みを行うときの〝いつもの〟対応です。業者間には義務上募集掲載はしていても、物件担当者は一切つかまらず、折り返し電話は一切きません。最後の「戻り19時、その後直帰」というのもいつものパターンで、19時以降は会社へ電話をすると人にはつながらず、留守番電話になるからです。

S不動産販売はもう社内で囲い込みが義務化されていて、1~6の流れがマニュアル化されているのでしょうか。同様の手口は私以外の弊社エージェントも多々あっています。これでは売主様のご予定すら聞いてもらえません。

私はお客様をご案内することができずご迷惑をかけてしまうので、直接お客様に連絡していただくしかありませんでした。電話をしていただいたら、すぐに担当者が出てご案内していただけたそうです。お客様も上記の内容をすべて知っていたので、とても気分が悪く、結局はそちらの物件を決めなかったそうです。

お客様はその営業担当者に「他社からだと案内してもらえないのですか?」と質問したら、「そのようなことはしておりません」と、おどおどしながら話していたそうです。

ケース2:MR不動産

MR不動産受任マンション(空室)を、お客様より案内依頼を受けました。私が同社とかわしたやり取りは以下のとおりです。

  1. 「今週末の土日は案内ができません」と回答。
  2. 「空室なのに何故?」と質問すると、「空室でも担当者が立ち会わないといけないので、とにかく案内ができない」と回答。できない理由は最後まで不明。
  3. 「土日は担当者がお休みですか?」と聞くも、「そうではないが案内ができない」との回答。
  4. 「来週の土曜日なら案内可能」と担当者から回答を引き出したので、お客様と相談し、時間を決めて再度来週の土曜日でお願いして、「確定」。マンションの資料をメールで送付するよう依頼。
  5. ところが翌週になっても一向に資料が届かない。2日前の木曜日に電話をしたら、「今週末にその物件は契約になりました。伝えていませんでしたっけ? あれ、おかしいなあ?」と担当者。

連絡ももらっておらず、土日案内もさせてもらえず、翌週の案内予約までしておいたのに、最後は契約になったと。しかもこの話口調。あきれるばかりで本当に酷い対応です。担当者がつかまらない、絶対に電話に出ない、折り返し電話をしてこない、囲い込みのやり方はS不動産販売に限らず、他社にも同様の手口で今まで何百回もされています。

囲い込みで損をするのは売主様だけ

売主様からすると、囲い込みをされると、ほとんど他社に物件の情報が流れないため、買い手が見つかりにくくなり、売却まで時間がかかります。それだけならまだしも、囲い込みをしている不動産会社は、「なかなか売れないので値下げをしませんか」などと提案してきます。

値下げをして買主を見つけたとしても、会社側は両手仲介となり、売主、買主の両方から仲介手数料をもらえるため、囲い込みをせずに片手仲介になってしまった場合と比べても利益が増えるわけです。つまり、売却まで時間がかかろうが、値下げをしようが、「損をするのは売主様だけ」ということなのです。

専任媒介契約をすると不動産会社が不動産流通機構(レインズ)に物件を登録する義務があります。
悪質なケースでは、1件も紹介がないのにもかかわらず、取引状況の項目が「申し込み有」や、「紹介停止中」と表示されていたり、「販売図面」を掲載していなかったりする場合、囲い込みをされている可能性がきわめて高いといえます。

お客様より物件をお預かりして、案内時に買主希望者様にお渡しする販売図面を作成していないということはありえません。「他社に詳細な図面を渡さない」イコール「他社には紹介しないよ」というアピールです。

最近ファミリー向けCMを頻繁に行っているT不動産がこの図面を掲載しないというのが、他支店でも同様に行われています。レインズに掲載する義務があるので、掲載と同時にこのような「申し込み有」や、「紹介停止中」を同時に掲載する会社もあります。

不動産会社が囲い込む目的は仲介手数料の二重取り

両手

買主様売主様双方から「3%+6万円+消費税」の仲介手数料が欲しいのもわかります。3,000万円の物件ですと片方のお客様より105万6,000円ですが、これが売主様買主様双方からになると倍の211万2,000円になるわけです。

ですから不動産各社の営業担当者はどんな手段を使ってでも両手仲介手数料が欲しく、上記のような悪質な手段で物件を囲い込んでいるのです。

かなりリアルに今回紹介してしまいましたが、皆様に少しでもリアルな事実を知っていただきたく投稿いたしました。

皆様からのお問い合わせお待ちしております。

 

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