こんにちは。不動産売買の仲介手数料が【無料・割引】のREDSエージェント、宅建士の穗坂一也(ほさか かずや)です。今回は大井町駅周辺と不動産事情について解説します。
(写真はイメージです)
大井町駅の立地と概要
大井町駅は東京都品川区大井一丁目にあるJR東日本・東急電鉄・東京臨海高速鉄道(りんかい線)の駅です。
JR東日本の大井町駅は、1901年に国有鉄道東海道本線の大井聯絡所(連絡所)として開設され、1914年に京浜線(現在の京浜東北線)と開業をともにしました。
東急大井町線は、1927年に目黒蒲田電鉄(現在の東急電鉄)大井町線として部分的に開通、分譲地の販売が好調であったことから、1929年に大井町〜大岡山間が、1930年に大井町〜二子玉川間が開通、現在は田園都市線に乗り入れ溝の口駅間を往復する路線となっています(1時間に数本ペースで田園都市線長津田駅行き、中央林間駅行きがあります)。
2002年12月には東京臨海高速鉄道(りんかい線)大井町駅が開業し、3社3路線が乗り入れ相互間の接続駅となっています。ちなみに大井町駅は、東急大井町線とJR京浜東北線の改札口が地上にありますが、りんかい線の改札口は地下1階に位置しています。
りんかい線ホームは二重構造
りんかい線のホームは二層構造となっており、地下3階が大崎方面行き、地下5階が新木場方面行きとなっており、地上からりんかい線のホームにたどりつくまで複数回エスカレーターに乗って下る必要があるため、乗換時間には注意が必要です。
これは大井町駅が東京多摩地域から東西に長く続く海抜高度の高い武蔵野台地の東端部に位置しており、りんかい線が海抜20m弱の大井町駅から東側に新木場駅方面に向け、海抜数mの品川シーサイド駅、天王洲アイル駅の地下、および東京湾下を経由してお台場方面へ向かうため、このような高低差のある駅構造になっているのです。
ちなみに大井町駅は羽田空港まで直線距離で6~7kmほどです。2020年に新飛行経路の運用が開始されて以降、大井町駅周辺は着陸前の高度を下げた飛行機が比較的間近に見えるスポットになっています(垂直尾翼のエアラインマークが視認できます。個人的には騒音は全く気になりません)。
前述のとおり、この大井町駅周辺より西側の立地は、品川駅~大井町駅~大森駅の各駅を結ぶラインを境にして西側に台地が広がっており、比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦な地形です。関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われており、自然堆積したローム土は安定しているため、比較的地盤強度が期待でき、住宅地盤として良好とされています。
労働者の街から副都心へ
大井町はかつて、城南地区の下町でした。1970年代になっても国鉄の駅舎西側(阪急百貨店側)の出口周辺には小さな飲み屋さんが軒を連ねていました。
JR東日本の駅舎は1993年にアトレ大井町となり東西自由通路もできましたが、品川区のほかの地域がそうであるように、大井町駅周辺もかつては国鉄大井工場(現・東京総合車両センター)や日本光学工業(現・ニコン)本社工場など大規模な工場が軒を連ねる工業地帯でした。大工場の周辺には住宅やアパートや社宅が立ち並び、商店街も繁栄。多くの人が働く工場は地域に欠かせない存在で労働者の街でした。
現在、大井町駅徒歩圏にはシティタワー大井町(2019年築、29階建、総戸数635戸)、シティテラス大井仙台坂ヒルトップガーデン(2012年築、23階建、総戸数132戸)、ブリリア大井町ラヴィアンタワー(2012年築、28階建、総戸数283戸)、クレヴィアタワー大井町ザレジデンス(2020年築、21階建、総戸数136戸)などの大規模マンションが立ち並びます。
複合商業施設「阪急大井町ガーデン」、駅ビル「アトレ大井町」、「LABI LIFE SELECT 品川大井町(ヤマダ電機)」、「イトーヨーカドー大井町店」などもあって洗練された街並みとなっていますが、駅徒歩1分で昭和レトロの香り漂う広さ2~3坪の小さな飲み屋が40軒近くひしめき、明るい時間から赤提灯が灯るのんべえ横丁「東小路飲食店街」が健在です。
大井町駅周辺の不動産開発と再開発
そんな大井町駅周辺ですが、大井町駅前では大井町駅と品川区役所、および山手線等の操車場に隣接したJR東日本の敷地の一部(かつて国鉄~JR東日本の社宅があり、2021年まで劇団四季専用劇場「夏」がありライオンキングなどを上演していた場所)に再開発計画「大井町駅周辺 広町地区開発計画」が2024年4月現在進行中、工事着手されています。
地上23階地下4階建のオフィス棟、地上26階地下2階建の賃貸住宅・ホテル棟(低層部に店舗、中層部に285室のホテル、高層部に290戸の賃貸住宅)が建設されるA1地区、駅前広場約4600㎡の芝生広場、商業施設、駐車場があるA2地区が整備されることになります。
この再開発事業地に隣接した敷地には品川区役所新庁舎の建設工事も始まります(地上14階建、2025年着工、2027年竣工予定)。
現在も注目されている大井町駅周辺ですが、現在進行中の街のグレードアップにも注目です。
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