路地状敷地(敷地延長、旗竿地)をめぐる制限やメリット・デメリットについて解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。REDSの宅建士・宅建マイスター、後藤光志です。

4月も中旬を過ぎました。今年は桜の開花が遅く4月に満開となりました。さすがに桜はもう終わりとなりますが、新緑の木々と鳥のさえずりを楽しめる季節となりましたね。

さて今回は「路地状敷地」について書いてみました。

路地状敷地

路地状敷地(敷地延長、旗竿地)とは?

路地状敷地(敷地延長、旗竿地)とはなんでしょうか。東京都建築安全条例第三条(路地状敷地の形態)によると、「建築物の敷地が路地状部分のみによって道路(都市計画区域外の建築物の敷地にあっては、道とする。以下同じ。)に接する場合」としています。

敷地の一部が通路状になっており、そこを通って前面道路に出入りする形状になっている土地のことで「旗竿地」とも呼ばれます。土地を真上から見た場合、旗の形をした敷地部分と竿の形をした通路状になった敷地部分があるからでしょう。

路地状敷地(旗竿地)には制限がいっぱい

路地状敷地(旗竿地)にはいろいろな制限があるのでまとめてみました。

建築基準法第43条第1項では、「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」と定められています。路地状敷地について細かな制限は設けてはおりませんが、建築基準法第40条、第43条第3項を根拠として特定行政庁が条例で制限できることになっています。そのため路地状敷地については地方公共団体により制限が違っているため注意が必要です。

よくあるのは路地状部分の長さと幅員の関係です。例として東京都、横浜市、埼玉県を取り上げてみます。

■東京都の場合(東京都建築安全条例)

  • 路地状部分の長さ20m以下のものは、路地状部分の幅員が2m以上
  • 路地状部分の長さ20mを超えるものは、路地状部分の幅員が3m以上

以上が必要となります。ただし、耐火建築物および準耐火建築物以外の建築物で延べ面積200㎡を超えるものの敷地に対しては、「上記2mは3mに、3mは4mとする」と定められています。

■横浜市の場合(横浜市建築基準条例)

  • 路地状部分の長さ15m以下のものは、路地状部分の幅員が2m以上
  • 路地状部分の長さ15mを超え25m以下のものは、路地状部分の幅員が3m以上
  • 路地状部分の長さ25mを超えるものは、路地状部分の幅員が4m以上

■埼玉県の場合(埼玉県建築基準法施行条例)

  • 路地状部分の長さ10m未満のものは、路地状部分の幅員が2m以上
  • 路地状部分の長さ10m以上15m未満のものは、路地状部分の幅員が2.5m以上
  • 路地状部分の長さ15m以上20m未満のものは、路地状部分の幅員が3m以上
  • 路地状部分の長さ20m以上のものは、路地状部分の幅員が4m以上

ただし、建築物の延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計。以下同じ。)が200㎡を超えるときは、「2mは3mと、2.5mは3.5mと、3mは4mと、それぞれ読み替えるものとする」と定められています。

このように地方公共団体により条件が異なるため注意が必要です。

大規模建築物や特殊建築物はさらに厳しい条件が加わる

大規模建築物や特殊建築物についての敷地と道路との関係(建築延べ面積の大きさによる接道の長さ、接道する道路の幅員など)についても地方公共団体により異なりますが、路地状敷地に住宅以外の建物を建築する場合はさらに厳しい条件が加わります。

例えば東京都では

  • 路地状敷地で路地状部分の幅員が4m未満のものには、階数(主要構造部が耐火構造の地階を除く。)が3(耐火建築物、準耐火建築物または令第136条の2に定める技術的基準に適合する建築物の場合は、4)以上の建築物を建築してはならない。(東京都建築安全条例第3条の2)
  • 特殊建築物は、路地状部分のみによって道路に接する敷地に建築してはならない。ただし、次に掲げる建築物については、この限りでない。
  1. 路地状部分の幅員が10m以上で、かつ、敷地面積が1000㎡未満である建築物。
  2. 階数が3以下であって、延べ面積が200㎡以下で、かつ、住戸または住室の数が12を超えない共同住宅で、路地状部分の長さが20m以下であるもの。(東京都建築安全条例第10条)

このように、路地状敷地にはいろんな制限が加わります(特に住宅以外の場合)。この東京都の建築安全条例で定める路地状敷地の定義(どのような形状を路地状敷地として取り扱うか)は区や市によっても違います。

旗竿地の形状をしていない場合でも、道路から見通せない死角部分がある敷地は原則として路地状敷地とされるようですので、土地の購入、建物を建築する場合は、物件所在地の市区町村で確認する必要があります。

有効幅員は2mなくても大丈夫なのか

ところで、話は最初に戻ります。建築基準法第43条第1項には、「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」と定められていますが、路地状部分の幅員が2mあれば境界ブロックにより有効幅員が2mなくても問題ないのでしょうか?

建築基準法43条の記載はあくまで敷地の形状のことであって、有効幅員のことではありません。よって境界ブロックで有効幅員が2mに満たなくても問題はないようです。ただし、長屋の建築など避難経路として2mと定められている場合は有効幅員が2m必要となります。戸建と長屋では事情が違ってきますのでご注意ください。

また隣地から建築物の越境(屋根、出窓、隣地の境界ブロックが傾いて敷地に一部越境しているなど)がある場合は越境部分の敷地は建築対象敷地から除外する必要がありますので、路地状部分の幅員がピッタリ2mの場合、除外すると2mに満たなくなりますので、越境を解消することが必要となります。同じく境界ブロックが建築基準法に適合していない場合も適合させることが必要となりますので、建物を建築する場合はご注意ください。

路地状敷地のメリットとデメリット

以上、路地状敷地についての制限を書いてきましたが、最後に路地状敷地のメリット、デメリットを考えてみます。

メリット

  • 比較的安く土地を購入できる
  • 幹線道路から離れているため、比較的静かで住みやすい
  • 建物が直接道路に接しないため通行人から見られることも少なく、プライバシーが守られやすい
  • 土地のコストが抑えられるため、建物や外構により多くの予算を割り当てる場合がある
  • 路地状部分を利用して、庭や緑化スペースを設けることができる
  • 子供が安全に遊べるスペースを確保できる場合も
  • 小さい子供が道路に飛び出す心配が少ない

デメリット

  • 周囲が建物に囲まれているため、日光が十分に入らないことがある
  • 周囲が建物で囲まれているため、風が通りにくい状況になることも
  • 狭い場合はほとんどの場合、駐車場としてしか利用できないことが多い
  • 車を置くと通行が難しくなる
  • 路地状部分の幅が2m確保できないと、接道義務を満たせず建築不可能になることも
  • 大規模建築物や特殊建築物を建てる場合や、重機が敷地に入ることが困難な場合、コストが増大する可能性

まとめ

路地状敷地はメリットを考慮しつつ、路地状敷地の特性を最大限に活用することが重要です。また、購入を検討する際には、デメリットも十分に理解し、予算含めバランスを考えることが大切です。

 

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