REDSエージェント、宅建士の穗坂一也です。
武蔵小山駅は東京都品川区小山3丁目にある東急目黒線の駅です。武蔵小山駅は品川区に立地していますが、駅の西側に隣接する都立小山台高校を過ぎると目黒区目黒本町に入ります。「武蔵小山エリア」という視点で見ると、品川区だけでなく目黒区にもまたがるエリアといえます。今回はこの武蔵小山駅周辺の不動産事情について解説します。
(写真はイメージです)
武蔵小山駅の歴史
武蔵小山駅の駅名の由来からお話しします。小山八幡神社(現在の荏原7丁目)が小高い山の上にあったことから、小山という地名がついたとされています。一方、この近辺が小高い山であることに由来する「小山」が語源とする説もあるそうです。
1923年に目黒蒲田電鉄(現在の東急目黒線)の駅として「小山駅」が開通しましたが、同名駅がすでに東北本線に設置されていたため、旧国名「武蔵」を冠して翌1924年に「武蔵小山」という名へ改称されました。
ちなみに目黒蒲田電鉄は東急電鉄創業のきっかけとなった路線です。明治の実業家、渋沢栄一が「田園都市構想」を掲げて洗足、多摩川台地域を宅地開発します。その地域から都心へ向かうアクセス路線として目黒蒲田電鉄を設立、1923年3月に目黒駅~丸子(現・沼部)駅間が、次いで同年11月1日に蒲田駅まで開通しました。時が流れて沿線一帯は住宅地化が進みましたが、どこかのどかな街並み、雰囲気が漂う街並みが広がっていました。
そんな目蒲線が2000(平成12)年に東横線の複々線部分を武蔵小杉駅まで走る東急目黒線(2008年に日吉駅まで延伸)と東急多摩川線に分割、武蔵小山駅は東急目黒線の駅となり、併せて目黒駅より都心方面へ向けて東京メトロ南北線と都営三田線の相互直通運転が開始、都心方面へのアクセスが便利になりました。
2006(平成18)年には駅の地下化工事が完了し、地上1面2線から地下2面4線に移設され現在に至ります。目黒線の地下化事業は、都市計画道路補助第26号線整備事業の一環として実施、これにより目黒駅付近から洗足駅付近にかけて約2.8kmの区間が道路と立体交差化され、武蔵小山駅前の開かずの踏切を横切る補助26号線の慢性的な交通渋滞が解消されました。
2023年には東急新横浜線が開業し、相鉄新横浜線との相互直通運転も開始されています。
武蔵小山エリアの住環境
駅の地下化、東急目黒線の誕生から始まる街の再開発によって利便性が向上し、「住みたい街」としても人気が高まっている武蔵小山。武蔵小山駅は目黒、大手町、永田町、日比谷へ1本という利便性の高さも人気の理由のひとつですが、駅周辺には2009年に駅前広場とバスロータリーができ、2010年に駅ビルが開業、駅前再開発によって2019年に誕生した商業施設(パークシティ武蔵小山THE MALL)に加え、全長800mある商店街「武蔵小山商店街パルム」、歴史ある温泉施設「清水湯」など、活気ある周辺環境も人気のポイントです。
住民の憩いの場、お散歩コース、ジョギングコースとなっている都立林試の森公園をはじめとした豊かな自然景観がある点も「住みたい街」に選ばれる理由といえます。
昭和31(1956)年にオープンした「武蔵小山商店街パルム」は完成当時「東洋一」と称えられ、現在も東京で最も長いアーケード商店街として知られています。アーケードに並ぶお店は約200店舗以上あり、飲食店や雑貨、服飾などバラエティ豊かなお店が立ち並び、雨の日でも傘をささずにショッピングが楽しめます。年間を通じてさまざまなイベントも開催され賑わっています。昔ながらの八百屋さん、パン屋さん、焼鳥屋さんなども元気に営業中。武蔵小山駅前を始端とすると中原街道まで至って終端となりますが、中原街道を越えるとすぐに今度は全長1.3km、都内最長の商店街である戸越銀座商店街につながります。
2019年にオープンしたパークシティ武蔵小山THE MALLは武蔵小山の新たな複合商業施設です。また、駅と直結するショッピングモールのetomo(エトモ)武蔵小山にはスイーツショップやベーカリー、無印良品、東急ストアなどが入っています。このほかオオゼキ武蔵小山店、ライフ武蔵小山店などの普段使いのスーパーマーケットも駅徒歩5分圏内にあります。
武蔵小山の不動産の特長
駅前には市街地再開発事業とし整備、建設されたパークシティ武蔵小山ザ・タワー(2019年築、地上41階建、総戸数628戸)、シティタワー武蔵小山(2021年竣工、地上41階建、総戸数506戸)の高層マンションが昔ながらの住宅、商店街と近接して立ち並んでいます。シティタワー武蔵小山には品川区役所の支所である荏原第一地域センターと荏原第一区民集会所も入っており、各種届出や住民票、マイナンバーカードの発行などに対応しています。
これらの大規模マンションは大規模な工場跡地を利用して建設されたマンションではなく、駅前の歴史ある商業地・住宅地の再開発事業として建設されたため、高層マンションが林立しておらず、新しい街並みと昔ながらの街並みが調和した住環境となっている点が特長といえます。
武蔵小山駅周辺は、2023年には東急目黒線と相鉄線の直通運転が開始され、新横浜へのアクセスなどの利便性も高まり、ますます発展が期待される注目エリアです。前記の再開発事業に続き、複数の市街地再開発事業が事業化に向けて検討が進められているそうです。
今後、新たにタワーマンションの建築予定や周辺の整備など、街のグレードアップが検討されていて、人気向上に伴う人口増加や街の付加価値アップが予想されています。
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