屋根カバー工法とは? 葺き替え工事との違いも解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

戸建てリフォームでの外装工事や屋根・外壁の改修工事を行う場合、屋根の工事をどのようにするか、悩む方が多いと思います、既存の屋根材によってさまざまな工法がありますが、今回は屋根の「カバー工法」についてお話したいと思います。

屋根の工法

屋根カバー工法とは

屋根カバー工法は、古い屋根の上に軽い屋根を張ってかぶせる工事方法です。

1.工事の目的:古い屋根をはがして処分する手間と費用を省きつつ、新しい屋根を重ねて設置することで、工事費用と工事期間を抑えることができます。
2.適用例:一般住宅では、古いコロニアル(スレート)の上に軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板もしくはエスジーエル鋼板)をかぶせる工事がよく行われています。
3.工事手順:
○防水シートの貼付:最初にコロニアルの上に防水シートを貼ります。この防水シートは雨漏りを防ぐ役割を果たします。
○金属屋根の設置:防水シートを貼った後、軽い金属屋根を張ります。金属屋根自体も防水機能を備えているため、長期にわたる屋根の機能を取り戻します。

ただし、以下の屋根にはカバー工法が適用できませんので注意が必要です。

・瓦屋根:波立っている形状の屋根には適用できません。
・古いトタン屋根:屋根下地が傷んでいる場合は適用できないことが多いです。
・劣化が進んだコロニアル:築後40年以上経過した場合や雨漏りが生じている場合は避けたほうがよいです。

アスベストに強いガルバリウム鋼板カバー工法

カバー工法は、古い屋根の上に軽い屋根を張ってかぶせるため健康被害を及ぼすアスベスト入りの屋根材をリフォームする際に有用です。アスベストを使用していないスレート屋根は脆弱で、割れや欠け、剥離が発生しやすいのに対し、築20年以上経過してもダメージが目立たない場合、アスベスト入りの可能性があります。

そんなスレート屋根には「ガルバリウム鋼板カバー工法」が推奨されます。メリットは既存の屋根を解体せずに新しい屋根材を重ねるため、解体工事や廃棄物処理が不要であることです。葺き替え工事と比較して費用を抑えられるだけでなく、生活への影響が少ない工期で済むこともあげられます。

カバー工法の注意点

カバー工法を採用する際の注意点を4点紹介します。

1.屋根の状態を評価:まず、既存の屋根の状態を評価しましょう。屋根が劣化している場合、カバー工法が適しているかどうかを判断します。特に、古い屋根材が剥がれているか、傷んでいるかを確認しましょう。

2.アスベスト対策:アスベスト入りの屋根材をカバーする場合、アスベストは健康被害のリスクがあるため、適切な対策を講じる必要があります。

3.新しい屋根材の選定:カバー工法では、新しい屋根材を既存の屋根の上に重ねて設置します。適切な屋根材を選ぶことが重要です。軽量で耐久性のある材料を選びましょう。

4.専門業者の相談:カバー工法は専門的な工事です。屋根の専門業者に相談し、適切な方法を選定してください。工事のプロセスや費用、リスクについて詳しく説明してもらいましょう。

屋根の葺き替え工事とは

屋根

屋根のリフォームにおいて、カバー工法と異なるアプローチとして、葺き替え工事があります。以下にそれぞれのメリットとデメリットを詳しく説明します。

葺き替え工事のメリット

●屋根の寿命を延ばせる:下地を含めた屋根全体を一度にリフォームできるため、新築時のような仕上がりになります。屋根の寿命が長くなるのが嬉しいポイントです。

●瓦屋根は見た目をガラッと変えられる:瓦屋根を使用している家屋の場合は、新たな屋根材にまったく違うものを採用することでガラッと家の印象を変えることが可能です。

●災害による破損は火災保険が適用されることがある:台風などの自然災害が原因で破損が起きた場合は、火災保険が適用になることがあります。

葺き替え工事のデメリット

●費用と日数がかかる:作業内容が大がかりで、すでにある屋根を撤去する際に、廃材の処分費用と作業にかかる人件費が必要です。工期は5日から2週間程度とどうしても時間がかかってしまいます。

●廃材がたくさん出る:屋根の解体中は埃やチリが発生しやすいため、近所に気を使ってしまうという方もいるでしょう。

●工事中は雨漏りのリスクも:屋根が完全になくなってしまうため、雨が降った際に雨漏りを起こしてしまうことがあります。

カバー工法のメリット

●工事費用が安価:既存の屋根材を撤去処分することがないため、撤去費用・処分費用を省くことができます。

●工期が短い:作業工程も葺き替え工事より少ないため、工期が短くて済みます。

カバー工法のデメリット

●対象が限られる:カバー工法はスレートや金属屋根材のような平らな屋根が対象です。元々の屋根材よりも重たい素材は選べません。

●アスベストが含まれていたら費用が割高に:2004年以前のスレート屋根はアスベストが含まれている場合があります。アスベストを含むスレート屋根をリフォームする場合、破片が周囲に飛び散らないよう対応しなければならないため、その分修繕費用が高くなることがあります。

どちらの工法が自宅に適しているかは、屋根の状態やご予算により異なりますので、専門業者にしっかり見ていただく必要はあります。以上、屋根カバー工法についてご説明いたしました。

 

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