東京の街⑦【北区】歴史・特徴・人気の街などについて | 仲介手数料無料のREDS

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REDSエージェントがご紹介する【東京の街】シリーズ。今回は東京都北区をご紹介します。

北区

北区の区名

方位を端的に表す「北」が区名となっている北区。北はJR埼京線の浮間舟渡駅のあたり、南は山手線西日暮里駅の西側、文京区千駄木と接しています。南北に長い区です。

北区の区名が決定したのは1947(昭和22)年、旧王子区と滝野川区の合併によって誕生しました。当初は「城北区」「京北区」「飛鳥山区」「赤羽区」なども区名の候補に挙がっていたとされています。

緯度的に北区よりも北側には足立区があります。板橋区の最北のエリアも若干ですが北区よりも北にあります。よって「23区最北の区=北区」ではありません。大阪市にも行政区として北区がありますが、こちらも大阪市の最北の区ではないそうです。

北区の歴史

北区は新河岸川の北側にある浮間地区を除き、おおむね京浜東北線の線路の東側が低地、西側が台地になっています。

台地部分は旧石器時代、縄文時代、弥生時代、古墳時代の遺跡が発見されており、古くから人が住み集落が形成されていました。低地部分は縄文時代の頃は現在の上中里の辺りまで東京湾の海が広がっており、縄文時代の「水産加工場」として知られる大規模な「中里貝塚」がありました。

台地部分も低地部分もおおむね農村地帯でしたが、近世以降、岩槻街道(日光御成道)や中山道の整備に伴い、町が形成されていきます。徳川吉宗によって王子飛鳥山に桜が植栽され、上野、品川の御殿山などとともに桜の名所としてにぎわいました。

明治時代以降は「抄紙会社」(現在の王子製紙の前身)、「鹿島紡績所」(民間初の紡績工場と言われています)などが王子・滝野川地域に作られ周辺に工場が集積していきます。また荒川放水路が昭和初期に完成し、河川周辺に工場立地が進みました。昭和以降は特に赤羽エリアに陸軍関係の施設が多く建てられ軍需工場も集積、「軍都」の様相を呈していました。このように軍事施設が多かったことから、太平洋戦争では戦災の被害が大きくなりました。

戦後は軍事施設の跡地に大規模な集合住宅が建設され、戦災や疎開で減少していた人口が急激に上昇していきます。1985年の埼京線開通、1991年の地下鉄南北線開通など交通施設の整備が進み利便性が向上、工場の跡地に大規模マンションが建設されるなど、住宅地として発展してきています。

北区の地質

東京都北区の地質は、大きく分けて台地と低地の2つに分けられます。

台地

北区の台地部分は、武蔵野台地の北縁部に位置しています。台地の標高は海抜20メートル前後で、比較的平坦な地形となっています。台地の主要な地層は関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われています。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されますが、自然堆積したローム土は安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多いです。

低地

北区の低地は海抜3~5メートルで、ほぼ平坦な地形となっています。低地の主要な地層は沖積層と呼ばれる砂や泥で構成されています。沖積層は、もともと海底や河川敷にあった地層が地殻変動や堆積作用によって陸上に隆起したものです。

低地には、新河岸川などの河川が流れています。これらの河川は、洪水などの被害をもたらす可能性もあります。

北区の街のご紹介

埼京線

(写真はイメージです)

北区は、歴史と文化が豊かな街であり、多くの観光スポットや商業施設が集まっています。また、都心へのアクセスも良好です。特に区内には23区最大の10のJRの駅があり、交通の利便性は特筆すべきものがあります。

北区の人気の街を4つご紹介させていただきます。

1.王子

王子は、JR京浜東北線、東京メトロ南北線、都電荒川線(東京さくらトラム)が乗り入れており、都内各地へのアクセスが良好です。また、王子神社や飛鳥山公園など、歴史的・文化的なスポットも多く、観光や散策にも人気の街です。

飛鳥山公園は渋沢栄一ゆかりの公園で、2024年に新1万円札の肖像画に採用されることでさらににぎわうことが予想されます。北区役所も王子本町にあります。王子駅近くには古楽を中心とした音楽祭「北とぴあ国際音楽祭」で知られる複合文化施設【北とぴあ】があります。王子駅のそばにある「音無親水公園」は、江戸時代に歌川広重が名所江戸百景で描いた景勝地で、「かつての渓流」を取り戻すべく東京都が整備。「日本の都市公園100選」にも選ばれています。

2.赤羽

JR埼京線、湘南新宿ライン、上野東京ラインが乗り入れる赤羽駅は、私鉄や地下鉄との乗換駅ではありませんが、「他社線への乗換駅でない駅(JR東日本の路線しか通っていない駅)」として、乗降客数は1位とされています。乗換なしで新宿まで約20分、池袋まで約15分、東京駅まで約30分で行くことができる交通の利便性の高さが魅力です。

赤羽駅周辺には、居酒屋や飲食店、カラオケ店などが軒を連ねています。また、赤羽は「せんべろの聖地」としても知られており、安くて美味しい居酒屋がたくさんあります。スーパーマーケットやドラッグストア、家電量販店などの商業施設が集まっており便利です。また、赤羽東口商店街や赤羽西口商店街など、活気あふれる商店街も魅力です。

3.十条

十条は、北区の中央部に位置するエリアで、最寄り駅はJR埼京線の十条駅・JR京浜東北線の東十条駅です。十条駅周辺は、商店街やスーパーマーケットなどの商業施設が集まっており、生活に便利なエリアです。十条銀座商店街は全長約1.5kmの商店街で約300店舗のお店が軒を連ねています。
十条駅と東十条駅は徒歩で10分程度の距離です。両駅を徒歩利用できる立地は希少性が高く(エリアとしては広くはありませんが)人気が高いです。

4.田端

田端は山手線・京浜東北線の駅で、その交通利便性の高さから人気があります。芥川龍之介、室生犀星、菊池寛、萩原朔太郎といった多くの文人や芸術家が集まった街として知られています。田端文士村記念館や田端文士村通りなど、歴史と文化を感じられるスポットが数多く残されています。

荒川田端緑地や田端公園などの公園も多く、自然豊かな環境も魅力です。田端は、歴史と文化、自然、都心へのアクセスなど、さまざまな魅力を兼ね備えた街です。

5.西が丘

JR赤羽駅の南西側の台地部分の住宅地である西が丘地区は、国立スポーツ科学センター、ナショナルトレーニングセンターなどのスポーツに関連する施設があることで知られています。

戦前の時期に周辺に軍事施設が多かったためか、かつて西が丘には海軍住宅があり、碁盤の目状に街区が整った住宅地が整備されました。世田谷の奥沢、練馬の大泉学園、中野の東中野など、戦前に軍事関係者と関係が深かった街は現在でも定評のある住宅地が多く、どこか街並みにも共通点があるような気がします。西が丘も桜並木がある整然とした街並みが特徴で安定した人気があります。

北区の特徴や今後について

北区の面積は20.61㎢、23区内では第11位の面積です。令和5年1月現在の人口は35.2万人で23区のランキングで第11位です。

北区は交通利便性が高いことが将来性の強みです。JR京浜東北線やJR埼京線、東京メトロ南北線などが乗り入れており、都心への通勤・通学も便利です。また、首都高速道路も通っており、車での移動もしやすい環境です。また自然環境にも恵まれていて、荒川や隅田川などの河川や、飛鳥山や王子神社などの緑豊かなエリアがあり、都会でありながらも自然を感じられる暮らしができます。

赤羽エリアが「穴場」として取り上げられることも多いですが、赤羽エリアだけではなく、北区は全体的に「まだまだ安い」と感じさせる場所も多く、今後スポットライトが当たる機会が多くなると予想しています。

北区の将来、明るいと思います。

 

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