重要事項説明書で見落としがちなポイントその3:都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限 | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の佐藤亮介です。不動産を購入されるお客様は、購入契約をされる前に、不動産業者(仲介業者または売主の不動産業者)の宅建士から、購入する不動産について書面を示して「重要事項説明」を受ける決まりになっています。

お客様にとっては初めてのご経験となることがほとんどだと思いますので、重要事項説明におけるポイントをいくつかご説明したいと思います。今回は、重要事項説明書に書かれている「都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要」欄についての解説です。

重要事項説明書

都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要

①区域区分 ※1

 

✅1.都市計画区域内( ✅・市街化区域・□市街化調整区域・□区域区分のされてない区域)
□2.都市計画区域外(準都市計画区域の指定 □有・□無)
②市街化調整区域の場合
開発行為・旧住宅地造成事業法の許可等
既存宅地番号:       号
許可番号  :       号
検査済番号 :       号
完了公告  :       号
③都市計画施設
(✅有・□無)※2
✅1.都市計画道路(✅1.計画決定・□2.事業決定:名称 / 補助線街路第●●号 幅員 /○○m)
□2.その他の都市計画施設 (  )
④市街地開発事業 □有・✅ 無 (  )
※この欄には上記の補足説明を記載します。
主な【注目点】は、後記のとおりです。

※✅は該当している、□は該当していない、を表します。

※1
①区域区分:弊社のお取引のほとんどは、都市計画区域内(市街化区域)のため、そこにを✅入れ、②には斜線を入れております。

※2
③都市計画施設:1. 対象不動産に都市計画道路がかかっている場合の記載です。
 また2.その他の都市計画施設には、計画公園や計画河川等があります。
✅1.計画決定 計画のみ決定しているが、いつ事業を実施するか未定の場合
✅2.事業決定 事業に着手している、もしくは着手が決まっている場合

注目点1:対象不動産に計画道路がかかっている場合(1) 計画決定の場合

(1)計画決定の場合、計画の概要と影響、建築制限を記載します。計画決定のうち「優先整備路線」の場合は下線部分の文章が追加されます。

【記載例】
本物件には都市計画道路(別添図面明示部分約○○㎡)が計画決定しており、都市計画法第53・54条に基づき次のとおり建築制限があります。この都市計画道路は、行政庁が定める第○次事業化優先整備路線(○○年度~○○年度)に含まれております。なお、道路が整備された場合には騒音・振動等が生じることがありますので、あらかじめご承知おき下さい。

・建築物を建築する場合は、原則として都道府県知事の許可が必要となります。
・前号の建築物は階数が2以下でかつ地階を有しないもので、主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であり、かつ容易に移転し、または除却することができるものであるときに限り許可されます。また、都市計画に適合した建築物でなければなりません。
計画決定期日:○○年○月○日
計画道路名称:都市計画道路○○号線
計画道路幅員:○○m

注目点2:対象不動産に計画道路がかかっている場合(2)

事業決定の場合、計画の概要と影響、建築制限を記載します。

【記載例】
本物件には都市計画道路(別添図面明示部分約○○㎡)が事業決定しており、下記の制限があります。また、道路が整備された場合には騒音・振動等が生じることがありますので、あらかじめご承知おき下さい。

・都市計画法第65条に基づき、都市計画事業施行の障害となる土地の形質の変更もしくは建築物の建築その他工作物の建設を行い、または容易に移動できない物件の設置もしくは堆積を行う場合には、都道府県知事の許可が必要となります。
・土地収用法の事業の認可があったものとみなされるため、土地収用法第28条の3にもとづき、明らかに事業に支障を及ぼす土地の形質の変更等をしようとする場合には、都道府県知事の許可が必要となります。
・本物件を有償で譲渡しようとする場合は、当該都市計画事業の施工者に対して譲渡予定価額などについての届出が必要です。なお、届出の結果施行者から買い取る旨の通知があった場合には、所有者と施行者との間で売買契約が成立したものとみなされます(したがって、本物件は都市計画道路部分については買主への引き渡しができなくなります)。
事業決定期日:○○年○月○日
計画道路名称:都市計画道路○○号線
計画道路幅員:○○m
道路整備の見通し:○○○○

注目点3:対象不動産の前面道路が計画道路だが、整備済み(完成済み)の場合、その旨を記載

※整備済み(完成済み)の場合は記載しないという不動産業者もあります。ただし、都市計画図や用途地域図には計画道路の概略位置が記載されており、整備済みと記載しないと対象不動産にかかっているか、いないかは分かりませんので。

【記載例】
対象不動産の○側前面道路は都市計画道路○○号線ですが、整備済みです。

注目点4:対象不動産にはかからないが、近くに都市計画施設(計画道路、計画公園等)があり、影響が予想される場合は、その旨を記載

【記載例】
本物件〇側約〇mのところに都市計画道路の整備が計画決定しています。道路が整備された場合には騒音・振動等が生じることがありますので、あらかじめご承知おき下さい。
計画道路名称:都市計画道路○○号線
計画道路幅員:○○m

注目点5:開発許可を受けて造成された土地の場合は、その内容を記載

分譲中の土地や新築戸建に限らず記載します。
※一定面積以上の開発行為に基づく分譲地であることの説明となります。
※将来売却する場合も許可通りで売却することを求められる場合(例:敷地面積の最低限度)があります。

【記載例】
本物件は都市計画法第29条に定める開発許可にもとづき造成された開発区域内に存します(別添開発登録簿参照)。
開発許可年月日・番号:○○年○月○日・第○○○号
工事完了検査済証発行年月日:○○年○月○日
工事完了公告年月日・番号:○○年○月○日公告・第○○○号

注目点6:「土地区画整理事業を施行すべき区城内」の場合は、その内容・制限を記載

東京都の場合、大田、世田谷、中野、杉並、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川各区には、「土地区画整理事業を施行すべき区城」が定められており、事業化前であっても、一定の建築制限がありますので、ここで記載します。

【記載例】
対象不動産は、「土地区画整理事業を施行すべき区域」である「●●土地区画整理事業」区域に存しており、都市計画法第53・54条にもとづき次のとおり建築制限があります。

・建築物を建築する場合は、原則として都道府県知事の許可が必要となります。
・前号の建築物は階数が2以下でかつ地階を有しないもので、主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であり、かつ容易に移転し、または除却することができるものであるときに限り許可されます。また、都市計画に適合した建築物でなければなりません。

※なお、区によっては、一定の要件のもと、3階建が認められています。

 

弊社では、購入される皆様に安心してご購入いただけますよう、エージェントがしっかり調査をし、重要事項説明書を作成しております。不動産は、大切な財産です。ご不明な点は、いつでもご質問ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 

Source

コメント

タイトルとURLをコピーしました