【仲介手数料最大無料】不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士・CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・公認不動産コンサルティングマスターの堤延歳(つつみ のぶとし)です。
2022年の春、話題になったNHKドラマ『正直不動産』では、全10話の現場監修はREDSエージェントの私が担当させていただきました。2024年早々には『正直不動産スペシャル・正直不動産シーズン2』も放送される予定です。
今回は2022年の『正直不動産』第3話に取り上げられた「ペアローン」を解説します。マイホーム購入の際にペアローンを組むとき、どのような点に注意をしなければならないのか、またそれぞれのメリットとデメリットを分かりやすく説明します。
ドラマ『正直不動産』第3話のあらすじ
NHKドラマ『正直不動産』の第3話は、高級マンションを共有名義でペアローンを組んで購入した夫婦が3年後に離婚することになり、主人公の永瀬財地にそのマンションの売却相談にきた室田夫婦の話。妻は売却に前向きですが、夫は売りたくない模様です。そのとき永瀬はどうアドバイスしたのか? また実際の不動産実務ではどう対応するのか?
ペアローンとは?
ペアローンとはひとつの物件にご夫婦それぞれが主債務者として住宅ローンを契約する借入方法で、夫が主債務者・妻が連帯保証人、妻が主債務者・夫が連帯保証人となり2本立ての契約となります。
ペアローンのメリット
ペアローンのメリットは主に3つあります。
●メリット1:夫婦2人分の収入でローンを組むため、借入金額の枠を大幅に増やすことができ、単独名義では買うことのできなかった、物件金額がより高くグレードの高い不動産を購入することができる。
●メリット2:夫婦2人とも、住宅ローン控除を適用することが可能となる。
●メリット3:2本立てのローンとなるため、さまざまな返済プランを考えることができる。返済比率の大きい夫の住宅ローンを長期固定プランで組み、返済比率の小さい妻の住宅ローンを変動金利で組み、繰り上げ返済などを活用して、短期間で返済するといった方法も可能。
ペアローンのデメリット
ペアローンの主なデメリットも3つ挙げます。
●デメリット1:夫(もしくは妻)の退職による返済リスクや妻の出産などで世帯収入が減るリスク。
●デメリット2:離婚時の返済リスク。離婚時は通常売却が一般的だが、お互いの合意がないと不動産売却はできない。売却金額が住宅ローン残債を下回る場合は、ある程度の手持ち資金を投入しないと売却も不可能となる。
●デメリット3:ペアローンの場合は、夫が死亡して団信が適用されても妻の債務は原則そのまま残ることになるので、妻はそのまま自分の住宅ローンを払い続けることになる。
返済リスクに備えた対策について
上記のようなペアローンの返済リスクにはどのように備えればいいのでしょうか。対策を3点、考えてみました。
●団体信用生命保険を夫婦連生団信(金利加算あり)に加入することで、夫もしくは妻が死亡した場合でもすべての債務がゼロになる。フラット35の夫婦連生団信(デュエット)は連帯債務者である夫婦2人で加入。夫婦のどちらかが死亡または所定の高度障害状態になった場合は、住宅の持分や返済額にかかわらず、残りの住宅ローンが全額弁済され、ローンの返済義務は残らないという仕組み。
●相手が万が一のときのことを考えて保険の見直しをする。特にけがや病気で働けなくなったときのリスクを考えて、就業不能保険などを手厚くする。
●離婚が成立したとしても、売却せずに家だけはそのままにしておくという選択肢(賃貸)もある。
最後に
住宅購入は大きな買い物。買えるということと支払えるということは全く別のことです。20年後、30年後のライフプランを考えて、住宅ローンだけのために将来の生活が制限制約されるようなライププランを組まないことが大事といえるでしょう。
YouTubeにも不動産購入で押さえておきたいポイントとして【ペアローン】の解説動画をUPしておりますので、ご興味がある方はぜひこちらの動画もご視聴してみて下さい!
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