重要事項説明書を交付するまでに記載事項をどのようにチェックしているか、裏側を解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の佐藤と申します。私は重要事項説明書や売買契約書をチェックする業務に携わっています。賃貸や売買などの不動産取引で、不動産会社が買主に対して契約上重要な事柄を記載して当事者に交付義務のある重要事項説明書のチェックの際に気を付けていることがいくつかあるのですが、それはどのようなことなのか解説します。

重要事項説明書

重要事項説明書のチェック点

重要事項説明書で私がチェックしているのは、大きく分けると次の3点です。

対象不動産について正しく認識する

不動産について正しく認識するために押さえているのは主に以下の9項目です。

1.売買対象不動産に、私道部分やセットバックはないか

これについては、前回のブログで取り上げましたので、ご覧いただければ幸いです。

2.敷地に都市計画道路がかかっていないか

敷地に都市計画道路がかかっている場合は、計画決定なのか、事業決定なのか、すでに完了(整備済み)なのかを調べます。チェックは、弊社REDSエージェントや共同仲介の他業者から頂いた資料で行いますが、ネットからの情報とも突き合せて行うことで、漏れをなくします。

さらに、計画道路については自治体のサイトでは分からない場合があり、その際は電話などで確認して念には念を入れます。

3.用途地域や建ぺい率・容積率、建物の高さの制限、地区計画の内容の確認

・用途地域が2つ以上にまたがっていないか、建ぺい率の緩和、容積率の制限はないか
・地区計画などで異なる定めがないか

4.接道義務は満たしているか(再建築が可能か)

5.特に中古戸建て・中古マンションの場合、現在の法令に照らし、適合しているか

・建ぺい率・容積率の超過はないか、容積率の緩和措置を受けていないか
・容積率が超過している場合、違反建築の可能性はないか、あるいは既存不適格か

建築後の法令の変更についても確認証や検査済証、建築計画概要書、戸建ての新築時の設計図書等と照らし合わせて遵法性を確認します。

・敷地面積の最低限度を満たしていないが、制度の制定がいつだったか
・高度地区、景観条例による建築物の高さの制限を超過しているが、高度地区、景観条例の制定がいつだったか

6.マンションの管理関係

管理規約、使用細則、ペット飼育に関する細則、専有部分の修繕に関する細則、駐車場・駐輪場・バイク置場の細則、いわゆる重要事項調査報告書の確認です。

・管理費・修繕積立金の改訂予定がないか
・大規模修繕工事の予定はないか

さらに、次の4つの制限について、内容と手続きなどを確認します。

・専有部分の用途の制限(住宅以外の使用について)
・ペットの飼育制限(大きさや数など)
・フローリングの制限(遮音等級など)
・楽器の使用制限(時間帯など)

7.飲用水・ガス・下水の配管状況

・配管の越境・非越境がないか

8.ハザードマップの確認

9.将来、費用が生じることや、第三者が係わってくる事柄の記載

・大規模修繕工事の一時金
・飲用水・ガス・下水の配管の越境解消
・飲用水の引込み管が古い、細い場合
・第三者所有の私道の場合、通行や掘削の承諾

重要事項説明書を読み返したとき、お客様に疑問が生じないようにする

書類に関する疑問

「都市計画図・用途地域図を見ると、計画道路にかかっているようにも見えますが」という疑問がお客様から出ることがあります。弊社では、物件に接して都市計画道路や計画公園などの都市施設があって、整備済みの場合は、整備済みの記載をしています。

当然、敷地にかかっている場合はその説明を記載します。また近くにある計画道路も、計画決定、事業中、整備済みを記載しています。中には整備済みでかかっていない場合は記載しないという仲介業者もありますが、整備済み(あるいはかかっていない)と記載しないと、お客様には分かりませんので、REDSでは記載しています。

また、「分譲時パンフレットの建築概要に開発行為と記載されているが」という方もいます。開発行為による場合はその旨記載します。こちらもすでに完了した開発行為は記載しないという仲介業者もありますが、REDSでは記載していますのでご安心ください。

転記ミスをしない、誤字・脱字をなくす

お名前、地番、住所、面積、法令名、書類名の転記には細心の注意を払います。

■住所

○番○号、□番地□、△番地の△(略して●―●―●とはしません)。住所の表示は、市区町村によって異なります。また、「住居表示」なのかどうかも確認します。

■書類名

市区町村や発行会社によって名称が異なりますので、よく確認します。

土地の固定資産税、都市計画税額の証明書は、同じものでも自治体によって以下のように異なります。

・令和●年度固定資産(土地・建物)関係証明書
・令和●年度公課証明書(土地)
・令和●年度固定資産税(土地)記載事項証明書
・令和●年度土地(補充)課税台帳登録証明書(公租証明)
・令和●年度固定資産課税(補充)台帳登録事項証明書 等

もはや同じ種類の書類か分かりませんね。いわゆる重要事項調査報告書も管理会社によって名称が異なります。

・管理にかかる重要事項調査報告書
・管理にかかる重要事項報告書
・重要事項にかかる調査報告書

次回の「重要事項説明書のポイント」シリーズもぜひご覧ください。

 

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