アスベスト(石綿)が含まれるもの、人体への影響がヤバい「レベル2」を紹介 | 仲介手数料無料のREDS

皆様こんにちは、【REDS】不動産流通システム、一級建築施工管理技士補の木須陽子です。

前回のブログで建築物アスベスト含有建材調査者の資格を修得したことと、石綿の事前調査結果の報告が義務化にあたり、人体への影響のお話をさせていただきました。今回はどんなものにアスベストが含まれているか、前回のレベル1に続いてレベル2のお話しをしたいと思います。

解体工事

おさらい・アスベストのレベルの違いとは?

アスベストを使用している製品には、アスベスト吹付け材(レベル1)、アスベスト含有建材(レベル2)、アスベスト含有建材(レベル3)の3種類があります。

アスベスト吹付け材(レベル1)とアスベスト含有建材(レベル2)は、飛散性の製品です。一方、アスベスト含有建材(レベル3)は、非飛散性の製品です。

アスベストのレベルの違いとは、飛散の危険性に合わせた作業レベルのことで、アスベストを含む住宅を解体する際、アスベストが飛散すると作業員や近隣住民の健康に影響が出る恐れがあります。この健康被害を防ぐために、アスベストのレベルが定められているのです。

レベル2のアスベスト

アスベスト含有建材(レベル2)には、保温材、耐火被覆材、断熱材の3種類があります。

耐火被覆板(ケイ酸カルシウム板第2種)

石綿含有耐火被覆板とは、吹付けアスベストと同じ配合比を用いて、工場において型枠で成形したものです。アスベストの含有率は70%以下です。

ケイ酸カルシウム板は第1種と第2種の2種類に分類されます。主な成分は同じなのですが、主にかさ比重(同じ体積における重さ)によって分けられています。石綿含有ケイ酸カルシウム板第2種は主に分厚く(12~70mm)、また軽く、鉄骨の耐火被覆材などに使用されています。耐火被覆材として、吹付け材の代わりに、鉄骨の梁や柱、エレベーター周辺などで、化粧目的に使用されています。

ケイ酸カルシウム板

煙突用石綿断熱材

昭和39年ごろ、従来配管の保温材として使われていたカポサイトを全国のボイラー用の煙突断熱材として転用しました。鉄筋コンクリート煙突は熱に弱く、コンクリート自体がアルカリ性。その弱点を補う断熱材ライニング材が必要であり、煙突から排気される高温酸性なガスからコンクリートを保護し、軽量化させることを目的に、日本の高度成長とともに大量に普及しました。

■カポスタック:断熱材にアスベストを混ぜ圧縮し、筒状に成形製造したものです。
■ニューカポスタック:ライナー層と断熱層の2層構造となっており、ライナー層部分にはスレート板を使用、断熱層には綿状のものを使用しております。
■ハイスタック:ケイ酸カルシウム板を丸型に成形したものです。

煙突⽯綿断熱材(カポスタック)は、オフィスビル、⼯場、ホテル、病院等⼤型施設内のボイラーに接続している煙突内部の断熱材に広く使⽤されています。

煙突用石綿断熱材

屋根用折板石綿断熱材

アスベスト含有の屋根用折板裏断熱材とは、フェルト状などの断熱材です。結露防止、断熱などの目的で、倉庫、車庫、渡り廊下などの屋根裏に使用されています。かつてアスベスト含有率が90%の商品がありました。

屋根材を大きく分けると瓦、スレート、金属になります。このうち、アスベストを含んでいる可能性があるのが前述のスレート(カラーベスト・コロニアル)と粘土瓦以外の瓦、セメント瓦などです。セメント瓦は厚型スレートと呼ばれることもあり、そのことから分かるようにその成分はほぼスレートと同じです

屋根用折板石綿断熱材

配管保温材

レベル2に該当するアスベスト含有保温材とは、アスベストを0.1重量パーセント超えで含有する保温材、耐火被覆材、断熱材を指します。衛生・空調設備の場合は、配管、ダクト、機器類の保温・保冷の目的でアスベスト含有保温材が使用されている可能性があります。

化学プラントなどの施設で使われていることがほとんどであり、建築物では、ボイラー、焼却炉などの設備機器やダクト、配管などに、高温の熱絶縁の目的で使用されています。

配管は熱を逃がさないために保温材が巻かれるのですが、エルボ部分は高温になりやすく隙間を埋めづらいということもあり、直管とは別の保温材が巻かれます。この保温材こそがアスベストです。熱や薬品に強いアスベストは保温材としても優秀で、あちこちのエルボにアスベスト保温材が巻かれました。アスベスト含有の保温材は、1980年(昭和55年)に製造が終了しています。

配管保温材

次回はレベル3のアスベスト含有建材についてお話します。

参考:一般社団法人 建築物石綿含有建材調査者協会(ASA)

 

Source

コメント

タイトルとURLをコピーしました