こんにちは。不動産売買の仲介手数料が【無料・割引】の【REDS】エージェント、宅建士・宅建マイスターの小野田(おのだ)です。今回は「500万円台で買える」とニュースにもなっていた「3Dプリンター住宅」について紹介します。
3Dプリンター住宅とは?
3Dプリンター住宅とは、強化繊維プラスチックやガラス繊維強化石膏、コンクリートなどの材料を使い、3Dプリンターで印刷して建築する住宅のことです。
3Dプリンター住宅の工法
3Dプリンター住宅の工法には、主に2つの工法があります。
1つ目は工場であらかじめ住宅のパーツとなる部材を3Dプリンターで作り、それらを現場に運んで組み立てる工法。
2つ目は現場に3Dプリンターを運び、その場で住宅のパーツを作り、建築する工法です。砂のような素材に凝固剤をかけて固めた建材を、掘り出す工法もあるようですが、強度面の問題で他の工法が使われることが一般的です、
3Dプリンター住宅の普及状況
海外では、スタートアップ企業を中心に開発が進んでおり、分譲住宅として使用する事例もあります。また、比較的安く簡単に建築できるため、災害発生時の仮設住宅として使用することも期待されています。
しかし、これまで日本では、3Dプリンター住宅は、耐震性や耐火性など建築基準法が定める強度を満たしていなかったため、あまり普及していないのが実情でした。
3Dプリンター住宅のメリット
3Dプリンター住宅には以下のようなメリットがあります。
建築費用が安い
3Dプリンター住宅は、従来からある木造住宅や鉄筋コンクリート造住宅などと比較すると、大幅に建築費用を抑えることができます。
3Dプリンターを現場に運んでパーツを作ることもできるため、壁や柱といった大きな部材を運搬する必要もありません。また、人手があまりかからないため、人件費を抑えることもできます。
建築期間が短い
3Dプリンターは、24時間休みなく稼働できます。そのため、3Dプリンター住宅は、数時間や数日で建築できることもあり、建築期間を大幅に短縮できます。
二酸化炭素の排出量を削減
3Dプリンター住宅は、建築期間が短いことに加え、部材運搬のエネルギー消費も抑えられるため、二酸化炭素の排出量を削減することができます。
デザインの自由度が高い
従来の建築工法では難しい曲線の建築も3Dプリンターは得意としています。さまざまなデザインを実現でき、デザインの自由度が高いのも特徴です。
3Dプリンター住宅のデメリット
3Dプリンター住宅にはデメリットもあります。
建築基準法に対応していないことが多い
日本では10㎡以下の住宅は建築確認申請の対象外となりますが、それを超える住宅は建築基準法に準拠する必要があります。
住宅を建築するためには、建築基準法で定められた材料を使う必要がありますが、3Dプリンターで使われる材料は、日本の建築基準法に対応していないことも多いといわれます。
3Dプリンターを設置する広い土地が必要
建築時に3Dプリンターを現場に持ち込むなら、3Dプリンター本体を置くための広さが必要になります。このため狭小地での建築には向いていません。
3Dプリンター住宅の耐用年数
3Dプリンター住宅は使用する材料によっては、耐用年数が木造住宅よりも短い場合もあります。
3Dプリンター住宅の具体例
先日、日本のスタートアップ企業「セレンディクス(株)」が2人世帯向けの50㎡の3Dプリンター住宅を500万円台で販売という記事が出ていました。
下記、「セレンディクス(株)」の2023年8月2日付けのプレスリリースからの抜粋となります。
セレンディクス株式会社は、2023年7月25日に愛知県小牧市において、日本初となる二人世帯向け3Dプリンター住宅 serendix50を竣工したことをお知らせします。
■serendix50(フジツボモデル)詳細
構造:鉄骨造+鉄筋コンクリート造 平屋
延べ床面積:50㎡
最大高さ:4m
販売予定価格 550万円
1.技術面
・日本の建築基準法に準拠
・48時間以内に施工完了
・人の作業を大幅に削減し、ほとんどの部材について単一素材で複合機能を持たせた3Dプリンター住宅を実現
2.居住面
・50平米の広さ
・1階建て平屋 高い天井のある快適な室内
・構造強度・耐火性・耐水性・断熱性の担保
3.価格面
・販売価格を一般的な住宅価格の1/10、車が買える500万円を目指す
今回のserendix50(フジツボモデル)は、60代以上の夫婦世帯から終の棲家として一般住宅仕様の3Dプリンター住宅を熱望する声が多く寄せられたことを受け、鉄骨造1LDK平屋で高い天井のある快適な50㎡になるモデル「serendix50」を生み出した。
新モデルでは、快適性能と安全性能を検証されたデジタルデータにより、躯体を3Dプリンターで出力、屋根はデジタルデータをもとにCNCカッターで造形するという2つの新しいデジタルファブリケーションの技術を融合させ、開始からわずか44時間30分で完成。
まとめ
個人的には一番の懸念事項だった「日本の建築基準法」に準拠しているとのことで、水回りの設備も込みで「500万円台」ならば、住宅ローンを気にすることなく、気軽に家を建てることができるようになりますので、今後の普及にも期待が持てるのではないかと思いました。
住居としての安全性と快適性が確保されているのであれば、将来自分が建て替える際にも十分にアリな選択だと思いました。
では、また。
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