住まいを買う前に知っておきたい「用途地域」について解説 | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の木村です。「用途地域」という言葉をご存じでしょうか。用途地域とは、都市や町などの都市計画において、異なる地域に特定の用途や機能をそれぞれ割り当てることで、都市の機能的な整備や開発を進めるための基準やルールを指します。これにより、都市内のさまざまな活動や要求に対応し、効果的な都市空間の配置と利用を実現しようとするものです。

マンションにせよ、戸建てにせよ、これから住まいを購入しようとしている方は、用途地域について知っておいたほうがいいでしょう。用途地域の主な目的と機能について詳しく説明します。

街

用途地域の目的

まず、用途地域を設定する目的について解説します。

1.都市の機能的な分散:都市内のさまざまな活動や用途を効果的に分散させることにより、混雑や交通渋滞などの問題を緩和し、都市全体の機能的なバランスを保ちます。

2.居住地域との調和:住宅地域と商業地域、工業地域などの用途地域を適切に配置することで、住民の生活環境を確保します。住宅地域は静かで安全な環境を提供し、商業地域や工業地域は活動の拠点としての役割を果たすことで、住民の快適な生活をサポートします。

3.環境保全と景観の配慮:自然環境や景観の保全を考慮し、適切な場所に公園や緑地、景観地区などを配置することで、都市の魅力と快適性を向上させます。

4.経済活動の促進:商業地域や工業地域を設けることで、企業や産業の成長を支援し、雇用創出や経済活動を活性化させます。

5.交通・アクセスの改善:用途地域を適切に配置することで、交通の利便性を向上させることができます。例えば、交通の要所に商業地域を配置することで、アクセスが容易になり、人々の利便性が高まります。

6.公共施設の配置:学校、医療施設、行政機関などの公共施設を適切な場所に配置することで、住民のニーズに応じた公共サービスの提供が可能となります。

7.災害リスクの軽減:自然災害や事故などのリスクを軽減するため、危険な地域には特定の用途を割り当てないように計画します。洪水や地震などのリスクを考慮し、適切な地域に住宅や建物を配置されています。

8.持続可能な開発:環境への負荷や資源の使用を最小限に抑えるため、用途地域の計画において持続可能な開発の原則を導入することが重要です。エネルギー効率や廃棄物処理などの観点から、各地域の役割を適切に決定します。

用途地域の種別と概要

SUUMO参照。

第一種低層住居専用地域

低層住宅のための地域です。建築物の高さが10メートルや12メートルなどに制限されています。一戸建てだけでなく低層マンションも建てられます。一方、店舗は床面積の合計が50㎡以下であれば可能ですが、この規模では一般的なコンビニは建てられません。建物の種類としては、一戸建て住宅のほか賃貸住宅やマンション、小中学校が建てられます。

第二種低層住居専用地域

高さの制限は第一種低層住居専用地域と同様です。一方、建物の種類は床面積150㎡までの店舗が可能になるため、第一種低層住居専用地域で可能な建物に加え、コンビニや飲食店が建てられます。

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅のための地域です。建物の高さ制限はありません。

第二種中高層住居専用地域

建物の種類は第一種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、2階建て以内&床面積1500㎡以下の店舗や事務所が建てられます。

第一種住居地域

住宅の環境を守るための地域です。住宅以外は上記の第一種・第二種中高層住居専用地域で可能な建物に加えて、3000㎡までの店舗や事務所、ホテルが建てられます。

第二種住居地域

主に住宅の環境を守るための地域です。第一種住居地域で可能な建物に加えて、ボウリング場やスケート場、また床面積10000㎡以下ならパチンコやカラオケボックスなども建てられます。

準住居地域

道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。国道や幹線道路沿いが指定されることが多く、第二種住居地域で可能な建物に加えて、車庫や倉庫、作業場の床面積が150㎡以下の自動車修理工場、客席部分200㎡未満の劇場や映画館などが建てられます。

田園住居地域

農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。

近隣商業地域

準住居地域よりさらに制限が緩和され、店舗や事務所、劇場や映画館などに床面積の制限がありません。

商業地域

映画館、飲食店、百貨店などが集まることを目的とした地域です。風俗施設や小規模な工場も認められています。ターミナル駅の周辺部などが指定されることが多いです。

準工業地域

主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。

工業地域

どんな工場でも建てられる地域です。

工業専用地域

工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅は建てられません。

まとめ

以上のように、用途地域は都市の健全な発展や住民の生活の質を向上させるための重要な概念です。適切な用途地域の配置により、都市がより魅力的で持続可能な場所として成長し、住民の幸福感や生活の質が向上することが期待されます。

どの用途地域にある住まいを購入するかによって生活が変わってくる可能性がありますので、購入前にしっかり知っておきましょう。

 

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