こんにちは。REDSエージェント、宅建士の由里です。一戸建ての場合、それぞれの接道方向によって、日常生活を送る上でメリットとデメリットがあります。事前によく把握し、ご家族の生活スタイルに合った物件を選びましょう。
北側道路
北側道路の大きなメリットは、南側道路の土地に比べて価格が安い傾向にあることです。南側道路の土地は人気が高く、供給数も少ないためです。北側道路を選択すれば、限られた予算でも理想の立地でマイホームを持つことが可能になるかもしれません。
北側道路の場合、マイホームの外観はスマートさに欠けるかもしれません。その理由として、北側には水回りが配置されることが多く、窓が少なくなるため、のっぺりして見えることが挙げられます。
しかし、工夫しだいでおしゃれな外観に仕上げることは可能です。例えば、建物の形状で個性を出したり、建物に細かな凹凸を作ったり、玄関周りに凹凸をつけたりすることで、外観ののっぺり感をなくすことができます。色の貼り分けでアクセントを作ることも有効です。
このほか、玄関が暗くなりやすいことや浴室などの水回りが道路の近くになりやすいこと、雪国だと駐車スペースの雪や氷がとけにくいことなどが、主なデメリットです。
メリットとしては、庭を南側に設けられるため、お子様やペットが道路に飛び出すリスクを抑えられます。さらに、窓やベランダなどの開放部が南向きに設けられるため、通行人の視線が気にならず、プライバシーを確保できる場合が多いといえます。
玄関を北向きに設置するため、南側に多くの居住スペースを確保できるというメリットもあります。日当たりを確保することが難しい場合が多いですが、日中に長く時間を過ごすリビングを2階に設けるなどして、デメリットを補うこともできるかもしれません。
南側道路
南側前面が道路のため、日当たりがよく、開放感があることがメリットです。見栄えのする外観の家にしやすいともいえます。その反面、道路を通行する人の視線が気になったり、庭からお子様やペットが道路に飛び出してしまうリスクが高くなったりするデメリットがあげられます。
建物の前(南側)に駐車スペースを作るケースが多くなりますが、建物の前に駐車スペースがあると、せっかくリビングに大きな窓を設置しても、そこから見える景色が駐車スペースになってしまいます。また、周囲に障害物が少ない場合、直射日光を受けやすく、夏場などは室内が暑くなり過ぎる傾向があります。
それでも、日当たりを確保できる南側道路は人気のため、土地の価格が比較的、高くなる傾向にあります。資産価値も保たれやすくなるといえるでしょう。
東側道路
東側が道路になり、遮るものがなければ、窓から朝日を室内に取り込めます。また、南面を広く取りやすく、プライバシー性の高い家になりやすいこともメリットです。さらに、住宅街の場合は西日をカットできるというメリットもあります。
西側道路
南面を広く取りやすく、プライバシー性の高い家になりやすいことがメリットとして挙げられます。また、家族が帰ってくる午後に比較的明るめにすることができます。
一方、住宅街では朝の光が入りにくいのと、道路側に大きな窓を設けると西日が入りやすくなることがあります。西日は目に刺激が強いだけでなく、含まれている紫外線で壁が黄ばんだり、家具が退色したり、ひどくなると接着剤が劣化してクロスが剝がれてしまうケースもあります。
敷地延長接道
敷地延長接道のメリットとしては、値段が安いことがあげられます。同じ敷地面積でも道路に接している土地よりも値段は安くなっています。また、固定資産税も安くなることがあります。さらに、敷地延長接道は道路から離れているため、車の音が気になる人や通行人の目が気になる人にとっては住みやすい環境かもしれません。
一方で、カースペースが限られていて駐車がしづらいことや、周囲を建物に囲まれていることが多いため、日当たりや風通しが確保しづらい点がデメリットとして挙げられます。
角地
角地は日当たりがよく、開放感があることが多いです。2面以上が道路に面し、隣の建物との隣接面が少ないため、視界も抜けやすく隣家の影響を受けにくく、プライバシー性が確保されやすくなります。
2つの道路と接しているため、玄関や駐車場の位置を決める際に、レイアウトの幅が広がります。また、条件を満たせば建蔽率が10%緩和される点も自由度の高さにつながっています。
ただし、角地には「道路斜線制限」という建築基準法による規制があります。これは、建物の高さを制限するもので、2方向に道路が接する角地では2つの道路斜線制限をクリアしないといけません。
角地は人気が高く、そのために資産価値も下がりにくい傾向にあるため、売却時にも高値での売却が期待できます。一方で、固定資産税も高くなる傾向にあります。
以上、注文建築から、新築建売住宅、中古戸建てをご購入の場合の参考になりましたら、幸いです。
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