こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。
先日、土地のお取引をさせていただいた際、越境物がありました。越境とは、主に自分の所有する土地の境界を越えて、隣接する他人の土地に物を建てたり、樹木の根や枝が伸びて他人の土地に入ったりすることを指します。
土地の越境問題は、隣地所有者とトラブルに発展する可能性が高いため、適切に対処しないと法的な問題に発展することもあります。どう対処すべきなのでしょうか。
(写真はイメージです)
土地の越境とは
土地の越境とは、自分の土地の境界を越えて、隣地の土地に物がある、または、物が越境している状況です。越境の例としては、以下のようなものがあります。
1.建物や塀、柵が越境している
自分の土地に建てた塀、壁などが隣の土地に越境することがあります。例えば、建物の一部が隣地に立ち入っている、塀が境界線を越えているといったケースです。
2.木の枝や根が越境している
自分の敷地にある木の枝が隣地に伸びていたり、木の根が隣地に侵入したりしている場合です。これも越境の一例です。
3.物品や作業道具の越境
自分の土地で作業を行った際に道具や物品が隣地に越境してしまうこともあります。
越境が発生した場合の法的対応は?
越境が発生した場合、法的にどのように取り扱われるか、また、どのように解決すべきかは、民法を中心に法律で規定されています。
民法に基づく越境物の取扱い
民法では、他人の土地に越境している物に対して、所有者は「撤去を求める権利」を持っています。具体的には次のような規定があります。
●民法第207条(越境物の撤去)
他人の土地に越境している物(建物、塀、枝、根など)は、隣地所有者に対して撤去を求めることができます。越境物を取り除くように要求する権利があります。例えば、隣の土地に塀が越境している場合、隣地の所有者はその塀の撤去を求めることができます。
●民法第208条(越境物の使用)
長期間にわたり越境している物については、使用権が発生することがあります。これは「時効取得」と呼ばれ、越境物が一定の期間(通常10年以上)存在していた場合、その物の使用を合法化できることがあります。例えば、塀や建物が長期間越境していた場合、隣地の所有者がその使用を認めることなく、撤去を求めることが難しくなることがあります。
越境物に対する時効取得
越境物の使用権が時効で取得できることがあります。これは、越境している物が10年以上の期間、隣地に越境していた場合、隣地所有者がその物を撤去することを求める権利が制限される場合があるということです。
時効取得とは物が越境して10年以上、隣地所有者がそのことに対して異議を唱えなかった場合、その越境物を使用し続ける権利が認められるというものです。ただし、時効取得を主張するためには、越境物が隣地の所有者の許可なしに、公開かつ継続的に使用されていたことが必要です。
境界確定の訴え
越境問題の多くは、土地の境界が不明確な場合に発生します。そのため、境界線を明確にするために境界確定訴訟を行うことがあります。この訴訟は、土地の境界を確定するための手続きで、裁判所に申し立てることができます。
測量士を立てて、隣地所有者との合意の下で境界を確定し、その結果を法的に認めてもらいます。裁判所が判断する場合もあります。
越境が発生した場合の解決方法
越境が発生した場合、まずは隣地所有者と話し合い、解決を試みることが最も一般的です。解決方法としては以下のものがあります。
話し合いによる解決
越境に関する問題が発生した場合、まずは隣地所有者と話し合いを行うことが重要です。越境が発生した理由や状況を説明し、円満に解決できる方法を探ります。
自分の土地に越境している物を撤去する、または隣地の許可を得て越境部分を整理し、境界線に誤解があった場合は再度境界線を確認し、合意を得ることで越境問題を解消できます。
測量による境界確定
境界線が不確かである場合、測量士を雇って土地の境界線を明確にすることが必要です。測量結果をもとに、境界線を確定し、越境が本当に発生しているのかを確認します。
法的手段による解決
話し合いで解決しない場合、最終的には法的手段に訴えることも考えなければなりません。法的手段としては以下の方法があります。
- 越境物の撤去請求:民法第207条に基づいて、越境している物の撤去を法的に請求することができます。
- 境界確定訴訟:境界線が不確かな場合、境界確定訴訟を提起して、裁判所に判断を仰ぐことができます。
越境を防ぐための予防策
越境が発生しないように、予防策を講じることが重要です。以下の方法で、越境問題を未然に防ぎましょう。
- 土地購入時の確認:土地を購入する際に、境界線をしっかり確認しておくことが重要です。
- 測量を依頼:境界線が不確かであれば、専門家(測量士)を依頼して、事前に境界を確定しておくと安心です。
- 近隣住民とのコミュニケーション:隣地との良好な関係を築き、境界に関する問題を早期に発見し、解決することが予防策となります。
まとめ
土地の越境は、隣地所有者とのトラブルを引き起こす可能性がありますが、法的に明確な解決策があります。越境が発生した場合は、まずは隣地所有者と話し合い、必要に応じて法的手段を取りましょう。土地購入時に境界を確認する、測量を依頼するなど、予防策を講じて越境を未然に防ぐことも大切です。
不動産流通システムREDSでは、「JR山手線の主要ターミナル駅および横浜駅からおおむね30分圏内」の不動産の売買仲介を専門にお取り扱いしております。多少前後してもお取り扱い可能の場合もありますのでお気軽にご相談ください。
常に顧客目線で考え、お客様の満足を最優先に業務に取り組んでいます。その一環として、弊社ではお客様がエージェントを指名できるように対応しております。
不動産売買で大切なのは会社よりも、対応する担当者ともいわれています。お客様と相性のよさそうなエージェントがいましたらぜひ、ご指名をいただけたら幸いです。
《不動産仲介手数料が無料もしくは割引》の不動産流通システム【REDS】では、引き続きみなさまからのお問い合わせを心よりお待ちしております。
コメント