相続登記は義務です! 空き家の相続人が今すぐやるべきこと | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

先日、NHKの朝の情報番組で相続について放送がありました。外出の準備をしながら耳で聞き、そういえば2024年4月1日から相続登記が義務化されたはず……と思い起こし、今月のテーマを「相続登記」としました。

相続登記

(写真はイメージです)

なぜ相続登記が義務化されたのか

ここ数年、テレビで「空き家問題」が多く取り上げられています。空き家が手入れされず、すでに朽ちて崩れ、解体されずに残っているのをテレビなどでご覧になったことがある方もいらっしゃると思います。敷地には雑草が生え、崩れている家には害虫や害獣が住処とすることも多く、周囲の家にも悪影響を及ぼしかねない物件も多く存在しています。

自治体などでそういった物件を解体できればいいのですが、周辺に悪影響を及ぼすからといってむやみに解体することはできません。土地と建物には所有者がいるためです。

では、所有者に解体の手続きを行ってもらえばよいのでは、と思いますが、実は謄本上の所有者はすでに亡くなっていることも多く、相続されているはずなのに現在の所有者が明確でないものが多数存在します。相続後、登記されずに放置されてきた物件です。

相続人を探して対応しようと思っても、まずその「相続人はだれか」を探すのが大変なうえ、相続人がわかっても、直接の相続人はすでに亡くなっており、そのお子さんなどに相続権利がある場合もあります。

そうすると、1つの物件に対して相続人が数十人(場合によってはそれ以上)もいる場合があり、その物件をどうするのか、ということに、その物件の所有者全員の合意を得なければ対応できません。結果、空き家物件は何も対応できずそのまま残っていく……という事態になっていました。

国土交通省のホームページで確認できる平成28(2016)年の「所有者不明土地の実態把握の状況について」には「全国の所有者不明率は20.3%」との記載があります。

所有者不明の土地面積が約410万haに相当するとのことですが、410万haがどれくらいか、というと、九州の土地面積が368万haとの記載が同資料にありました。九州の面積以上の所有者不明土地が日本にはあるとのことです。これには私も驚きました。

相続登記が行われないまま所有者が特定できない空き家が増えたことにより、周辺の公共工事が進まなかったり、隣地の所有者などには隣地からの害虫・害獣の被害や、そこに立ち入った人による火災の恐れ、家そのものが崩れてきて家宅に害を及ぼしたりする可能性などの危険があり、そういったことへの解消を目指し相続登記義務化が施行されました。

不動産相続による名義変更の期限

不動産相続登記が進まなかったことの原因のひとつに、2024年4月1日以前は名義変更の厳密な期限がなかったことがあります。期限がないというのは「罰則がない」ということでもあり、登記費用の面や登記の手間暇の面倒を避けて登記しないまま放置した、というのが実情だったと思われます。

ですが、先に説明したように相続未登記の土地が増えた結果、周辺のお宅や公共工事を行う自治体にも影響が出てきてしまいました。そのため法改正され、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。相続登記に期限がついたのです。

では、その期限はいつまでなのでしょうか?

相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります。

また、「相続登記の義務化」は令和6(2024)年4月1日から始まりましたが、令和6(2024)年4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていないものは、義務化の対象になりますので、要注意です。ただ、こちらには3年間の猶予期間があります。

もし近年亡くなったご両親が保有していたご実家や土地などがあれば、まずは相続登記がされているかご確認ください。されていなかったとしても、3年間の猶予期間がありますので、対応すれば問題ありません。

ですが、一方で、よくわからない相続などもあると思います。疎遠になった家族や親族の相続人になっていた……ということもありますので、可能性のある方は一度調べてみるといいでしょう。

相続した不動産を登記しないとどうなるのか

正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料(「かりょう」と読みます。「あやまち」に対する罰金です)が科される可能性があります。

過料は前科がつくものではありません。前科がつく罰金は「科料」と書きます。ですが、どちらにしても罰金が科されるというのは心穏やかではいられないと思います。

相続した物件があった場合、相続人の間で早めに遺産分割の話し合いを行い、不動産を取得した場合には、その結果に基づいて法務局に行き、相続登記する必要があります。

ご兄弟がいない場合などはご自身が対応すべきことなので早く対応できる内容かと思われますが、ご兄弟が多い場合などは早急に話を進めるのがよろしいかと存じます。

遺産分割が難しい場合は相続人申告登記を

相続登記が遅くなる可能性がある場合、一緒に新しくできた制度「相続人申告登記」という簡便な手続きを法務局にとって義務を果たすこともできます。

「相続人申告登記」手続きは、戸籍の証明書などを提出して、自分が相続人であることを申告する手続きです。各相続人が単独でかつ自分のタイミングで申告でき、提出する書類が相続登記に比べて少ないことがメリットです。押印や電子署名も求められないことから、非常に簡易に申請できる制度となっています。

申請に必要となる主な書類は以下のとおりです。

  • 申出書
  • 申出人が登記記録上の所有者の相続人であることが分かる戸籍の証明書(被相続人と申出人との関係によって必要書類が異なる)
  • 申出人の住所を証する情報(住民票など)。申出書に住民票上の申出人の氏名のふりがな(外国籍の方はローマ字氏名)および生年月日を記載した場合は提出を省略可

必要書類を準備したら、相続登記の期限である「不動産を相続したことを知ったときから3年以内」に、不動産を管轄する法務局に申し出を行う必要があります。

もし代理人が手続きを行う場合は、上記以外に別途「委任状」が必要です。

最後に

相続、と聞くと「実家は財産もないし自分には関係ない」と思いがちですが(私もそうです)、今後は意識せざるを得ないことになってきたように思います。

不透明で問題なかったことが、社会が成熟するに従っていろいろと課題もでてくるのだな、と思いますが、問題に悩まされてきた方(空き家物件の隣地にお住まいの方など)にはようやく、という印象なのだと思います。

以上、ざっくりとではありますが、相続登記の義務化についてお話ししました。次回は「相続登記」の具体的な内容について記載しようと思います。

 

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