「告知事項あり」物件を「第三者の為の特約」でご売却した話 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。

 

不動産売買の仲介手数料が【無料・割引】【REDS】の小野田です。

 

先日、 お預かりしていた「告知事項あり」の物件を「第三者の為の特約」という特約を付けて売買させて頂きました。

 

こちらの物件は人気のあるエリアのマンションですが、入居されていた方がお部屋のベランダから転落されて亡くなったという「告知事項」のある物件でした。

 

売主様よりご売却の相談を受けた際に、

「告知事項」がある場合には「告知事項」がある旨を広告に表示して売却活動を行う必要性があること、

そしてこの場合には、相場よりも売却価格は相当下がってしまうであろう事をご説明しましたところ、

売主様にご理解を頂く事ができ、ご売却をお手伝いさせて頂く事になりました。

 

こういう物件の場合、困るのは売出し価格の値付けです。

当方は不動産仲介業の期間よりも長い時間、不動産の価格査定の仕事をしていましたので、売却価格の査定については、ちょっと自信があります。

(おそらく普通の不動産会社の社員の百倍以上の件数は価格査定をしています)

 

この物件も「告知事項」が無い状態の価格は把握出来たのですが、「告知事項」がどこまで影響するのかは、正直、実際に売りに出してみるまでは分からないというのが実情でした。

(不動産市場は不完全競争市場である為、もともと成約する価格は上下にブレてしまうのですが、「特殊要因」が入るとそのブレ幅は大きくなってしまう為です)

 

「告知事項」があると「相場より2~3割安くなる」というのが一般的に言われているところなのですが、人気エリアで比較的お求めやすい価格帯の物件であり、

また、売主様も特に急いでご売却する必要はないとの事でしたので、売り出しは相場より1割程度低い価格で開始してみる事にしました。

 

いざ販売を開始してみますと、人気エリアなので反響は多いのですが、「告知事項」が有る事を告げると、内見にならない状況が数か月続きました。

 

売主様に状況をご説明して、販売価格の値下げをご提案させて頂き、お値下げして売却を開始したところ、徐々に内見が入る様にはなりましたが、具体的なお話は入りませんでした。

 

同時並行で、複数のリノベーション業者に買取り価格の査定を依頼したところ、予想通り大半が「取り扱い不可」で、

買取りが可能な業者もかなり安い価格でないと、出来ないとの回答でした。

 

そんな中、ある不動産業者さんが買取を打診して来ました。

 

最初に提示のあった価格は一般的な買取業者さんの価格よりも少し高目でしたが、売主様にご納得頂くにはもう少し価格を上乗せしてほしいという水準でした。

 

買主側の業者も商売なので、無条件に買取り価格を上げる訳には行きませんので、

何とかもう少し高く出来る方法はないかと、先方の担当者とお話をしていると、買取りの価格が上がりそうな方法が見付かりました。

 

その方法とは、「第三者の為の特約」という約定を付けての売買契約でした。

 

「第三者の為の特約」とは、売主様と買主様とで売買契約を結んだ後、一定期間内に買主様が転売先を見付けた場合には、売主様からその転売先へ直接登記を移転出来るという内容の特約です。

この特約を付けることで、買主は登記費用や不動産取得税の軽減が図れる為、その分、買主は購入価格を上げる事が出来る様になります。

 

先方の業者さんは、この方法を前提としていなかった様で、当方から「第三者の為の特約」のご提案と一緒に買取り価格の値上げの交渉をお願いしましたところ、

当初のご提示よりも5%程度も購入価格を上げして頂く事が出来ました。

 

大金が動く不動産の売買契約で、聞いたことが無い特約の付いた契約では、ご不安だと思いますので、

売主様に安心してご契約を頂くため「第三者の為の特約」ついて事前にご説明させていただき、

また、契約書に記載の文言についても、売買代金全額の支払いがあるまでは、所有権は売主様からは移らない旨を分かり易く強調して記載させていただく事で、売主様にも安心して頂く事が出来、無事にご契約となりました。

 

今後も売主様、買主様ともにご安心頂ける事を第一にお仕事をさせて頂きたいと思います。

 

では、また。

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