2019年に行われた公益財団法人マンション管理センター主催の公開シンポジウム
マンション管理に関する有識者会議(3ヶ月に1回開催)を公開形式にしたものに参加してきました。
日本マンション学会会長、区分所有法の第一人者(法科大学院教授)、管理組合連合会会長、一級建築士、弁護士、マンション管理士等が参加して行われているマンション管理に関する我が国最高峰の会議の一つという位置づけです。
先着300人の受付が約1日で埋まったとの事でマンションの管理に対する意識は現状非常に高まっていると感じました。
購入を考えているお客様も当然に気にされるであろう内容でしたのでブログにさせていただきます。
やや専門的な記載になりますので疑問点、不明点がございます際にはお気軽にお問合せください。
このブログが皆様のお住まい探しの一助になれば幸いです。
【パネリスト発表】
公益財団法人日本建築家協会
関東甲信越支部メンテナンス部会
Ⅿ氏
「既存マンションの耐用年数についての考察」
以下発表内容抜粋
コンクリートの耐用年数は65年。
ただしこの数値は打ちっぱなしのノーメンテナンスの場合です。
適正な管理がなされているという前提であれば100年は十分に耐用するとのこと。
コンクリートさえ強度を保てていれば後は適宜必要な修繕をすることで100年以上の耐久性をマンションに持たせることは十分可能。
マンションの大規模修繕の歴史は30年程度であるが、技術の進歩は目を見張るものがあり国の制度整備も急速に整いつつあり
マンション市場の誕生、成長、成熟とともに安心できる住環境整備に向けた努力が本格化している。
(⇒マンション管理適正化法2000年・マンション立替え円滑化法2002年等)
管理体制の良否が市場で評価される(資産価値の維持向上)一部では調査が行われており再販時の価格に反映されている。
国土交通省作成の「マンンションの修繕積立金に関するガイドライン」は修繕、資産価値の維持を考える上で必須の資料として重要。
【その他重要項目の抜粋、追記】
・長期修繕計画とそれに基づいた適正な修繕積立金計画の有無
・修繕積立金計画が著しく低く設定されている場合は注意が必要
・計画は計画であり実際の積立金の値上げには総会決議が必要(管理規約に金額が記載されている場合は3/4以上の賛成が必要、記載なしの場合は過半数)
・目安210円/㎡(修繕積立金、規模により多少の単価差あり)
・約20パーセントの物件で大規模修繕時に金融機関からの借り入れ、一時金の徴収。(国土交通省調べ)
技術的な面だけではなく、専有部分も含めた修繕を同時に取り組むなどの新しい取り組みも行われ始めており築年数の経過した物件に居住している住民の管理面での明るい材料が整いつつあるとのこと。
色々な条件を考えた時にどうしても築年数を妥協しなきゃいけない場面があると思います。
そんな時に上記のような注意点をしっかり吟味すれば、安心できる築古物件に出会うことができるんですよという事です。
駅から近くて、広くて、築年数が新しいほうが良いに決まってますよね。
でも管理を意識することで上手な妥協というのが可能です。
古くても良い物件、古くても安心できる物件が実はたくさんあるんです。
私はマンション管理士としていつでもご提案、ご相談にお付き合いさせていただきます。
ご精読していただき誠にありがとうございます。
今回のブログが皆様のお住まい探しのプラスになれば幸いです。
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