皆様こんにちは。REDS不動産流通システムの渡部です。
先日お客様とお話していたところ、
「タワーマンションの修繕積立金は将来の値上げが心配で躊躇する」
「階数がそれほど高くない一般的な大きさのマンションの方が値上げ幅が抑えられて自分達に合っているのではないか」
というお話がありました。
ネット記事でも「タワーマンションは将来の大規模修繕でとんでもない費用がかかるからやがて廃墟化する!」というようなものもたまに目にしますね。
実際はどうなっているのか?
タワーマンションは1972年の【三田綱町パークマンション】が第一号と呼ばれることがあります。
ただあちらは地上19階建てで現在は一般にタワーマンションは「20階以上」と定義されることが多いので1976年の【与野ハウス(地上21階建て)】が第一号とされているようです。
いずれにせよ1990年代くらいまではまだまだ珍しい形態でした。
1997年に建築基準法が改正され「高層住居誘導地区」が導入、これ以降都心部・湾岸地域などで多くのタワーマンションが建築されました。
建築が本格化した2000年代からもまだ20数年、まだまだ修繕の実施事例(特に複数回の大規模修繕工事)が少なく、将来どうなるのかはこれから明らかになってくるところは否めません。
ただ国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」というものを作成・公表しています。
https://www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf
実際に適用されている修繕積立金ではなく、作成された長期修繕計画を参照し、
「長期修繕計画の計画期間全体に必要な修繕工事費の総額を、当該期間で積み立てる場合の専有面積(㎡)あたりの月額単価」として分析したものです。
事柄の性質上、物件ごと建物ごとに個別差が出るのは避けられないためあくまで参考データですが、
「超高層マンション(一般に地上20 階以上)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要となるほか、共用部分の占める割合が高くなる等のため、修繕工事費が増大する傾向にある」
という事実に着目し、「地上階数20階未満」と「地上階数20階以上」に建物を分類して比較しています。地上階数20階未満のものはさらに延床面積に応じて4つに分類しています(個人的には延床面積に加えて「戸数」のデータも詳しく見てみたかったところですが)。
【計画期間全体における修繕積立金の平均額の目安】は以下のようになっています。
ばらつきが大きい数字のため「事例の3分の2が包含される幅」と「平均値」の2つの数字が示されています。
「機械式駐車場がある場合」は別とするなど、個別のケースごとに考えなければならない点はありますが、とても参考になる数字だと思います。
この数字から「地上階数20階以上」のタワーマンションの修繕積立金について示唆されることは、
「タワーマンションの修繕積立金(長期修繕計画での見積ベース)はやや高くなる傾向がある」
「ただしその数字は延床面積5,000㎡未満の物件とほぼ同じくらいである」
ということになるでしょうか。
延床面積5,000㎡未満のマンションは、都内で分譲済みのかなり多くの物件が含まれます。
そうするとデータ・想定上は修繕積立金が将来とんでもない額まで上昇するというほどではないのかもしれません。
逆に「延床面積が小さい物件はタワーマンションと同程度に将来修繕積立金の上昇がある」と判断すべきかもしれません。20階建て未満のタワーマンションではない大型物件が比較的割安といえるかもしれませんね。
機械式駐車場の有無や共用部分の施設類を含めた物件のグレード等によっても大きく変化するデータですので、そのまま個別の物件に類推して考えるべきではないかもしれませんが、一つの目安として参考になるのではないかと思います。
個々の物件の長期修繕計画はそれぞれ異なりますので個別に検討する必要はありますが、一つの参考データとしてお役立ていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
渡部
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