新型コロナ感染症”COVID-19″流行で変わる住宅の価値 | 仲介手数料無料のREDS

菅野です。

とうとう新型コロナウイルスSARS-CoV-2の東京の新規感染者確認数が140人を超えました。

4月5日に確認された東京都の感染者143人のうち、92人の感染経路が確認できていない、とのことでした。

今までのように、クラスター対策で封じ込めていくというフェーズではなくなってきたようです。

これからはより一層、各個人での感染防止対策が重要になっていきます。

 

テレビ等で小池都知事が何度も言っていることですが、新型コロナウイルスの感染防止対策として

「三密」を避ける

ことが重要であるとされています。

この三つの「密」は密閉・密集・密接のことを指しています。

 

それを避けるため、

・風通しを良くして頻繁に換気をおこなう。

・人の集まるところに近寄らない。

・人と近い距離で発声、会話しない。

ことを徹底しなければならないとされています。

 

この最初の「風をとおして換気する」ことの意味ですが、新型コロナウイルスの感染方法の特徴として

エアロゾル感染

というものがあります。ウイルスが感染者の口腔から発せられた「エアロゾル」によって伝染していく、というものです。

ここで、「日本エアロゾル学会」のサイトをご紹介します。

日本エアロゾル学会 ウェブサイト

日本エアロゾル学会では、口腔内から発せられたエアロゾル粒子に関して以下のような見解を提示しています。

以下、HPより引用です。

 

ガス分⼦は混ざりやすい(拡散しやすい)ですが,エアロゾル粒⼦の中でも室内にも多く存在する⼤きさが1,000 分の1mm(1μm)程度の微⼩なエアロゾル粒⼦はガス分⼦に⽐べればほとんど拡散しません。さらに、⽬に⾒える粗⼤な粒⼦とは異なり,その沈降速度も⾮常に⼩さく,空間中に⻑く浮遊しています。この微⼩なエアロゾル粒⼦を室内から追い出すには,空気の流れ(気流)により移動させ,排出(換気)または空気清浄機により除去することが必要です。

 

引用終わり

「エアロゾル」は空気中に長く浮遊し、そこにとどまっている、というのです。

感染者がしゃべったり、くしゃみ、咳をしたりした際に出るエアロゾルは、その場にフワフワと浮いているわけで、それを吸い込んでしまえばその人は感染してしまう、という恐ろしい結果となります。

なので、その「エアロゾル」を風通しで吹き飛ばしてやればよい、ということになります。

 

 

以上よりこれからは、住宅(建築物)の要素として

「風通し」

が重要になってくることは間違いありません。

今までも、もちろん良いに越したことはなかった要素の「風通し」ですが、今後は優先順位が上がっていくことでしょう。

 

風通しを考えると、今まで良いとされていた要素が変わってくる可能性があります。

例えば「内廊下のマンション」は高級な物件とされていましたが、風通しはあまり良くありません。

また「都心の狭小一戸建て」も風通しが決してよいとは言えないでしょう。隣棟間で民法で定められた距離が取れていない建物については、今後は敬遠する人が増えるかもしれません。

また、今までも良いと言われなかったものが、より敬遠される可能性があります。

いわゆる「行灯部屋」と呼ばれる、窓のない部屋のあるマンションは、より敬遠される可能性があります。

タワーマンションは一般的には風通しが良いとは言えないので、今後は窓の多い物件が人気になっていくかもしれません。

 

また、郊外の一戸建てが見直されてくるかもしれません。

もともと、近郊市街地の一戸建てについては、都心ほど景気の影響を受けないと言われていますが、これから、隣戸との空間がそれなりに取れている住居地域の一戸建てに都心から移住してくる人達が増えるかもしれません。

もともと、都心の住宅は利便性を大きく重視するあまり、今まで重要とされてきた要素を損ねた、無理やり建てられたようなものが多くあり、こういった非常事態でその異常さが表れてしまう、と考えられなくもありません。

立地を重視するあまり、変な建てられ方をした物件は、この機会で淘汰されていくかもしれませんね。

この新型コロナウイルス感染症の流行は、偏った住宅事情を大きく変容させていく可能性があります。

 

(余談ですが、本来「三密」というと真言宗密教で仏の身・口・意《仏様の身体・言葉・心は人間には計り知れず、密なるものであるという意味》を指し、「三密加持」を行うことでこの三密と合致して大日如来と一体になり即身成仏できる、と説かれています。でも、新型コロナ感染の「三密」に合致して成仏ではシャレにならないですよ。気を付けて!!)

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