不動産広告の徒歩表記、おかしいと感じませんか? | 仲介手数料無料のREDS

【仲介手数料最大無料】のREDSエージェント、宅建士の小田 俊介(おだ しゅんすけ)です。今回は、日々SUUMOやアットホームなど不動産ポータルサイトをご覧になる皆様の疑問なのではないかと思われる、【不動産の徒歩表記】について解説します。

不動産広告

不動産広告の「徒歩〇分」って本当?

弊社でご売却の依頼をいただいている物件に限らず、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトでは物件掲載を行っておりますが、物件購入を検討されている皆様に質問です。

「Googleマップで検索したら8分なのに広告には5分と表記されていた」「徒歩10分以内で見つけた物件をいざ実際に現地にいったら15分程歩いた」などのご経験をお持ちではありませんでしょうか。

こういったことが起きるのは、不動産会社または掲載担当者が誤情報として登録しているためではなく、「不動産の表示に関する公正競争規約」というルールの基に記載がされていることが理由です。

※不動産会社、担当者が掲載ミスをしている場合もあります。

それではこの「不動産の表示に関する公正競争規約」がどのようなルールを定めているのか深掘りしていきましょう。

不動産の表示に関する公正競争規約とは

不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、公正取引委員会および消費者庁長官が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」といいます。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」「公取規約」と呼んでいます。

この表示規約が最初に作られたのは1963(昭和38)年のことですが、その後10回以上も改正されて、不動産の広告に関する最も詳細な規制として、不動産会社では広く遵守されています。

不動産の表示に関する公正競争規約が定める徒歩表記のルール

上記規約が定める徒歩表記ですが、まず、1分=80mとなります。1分未満の端数が出たときは1分として計算。つまり、距離が81mだった場合は徒歩2分になり、端数が切り上げになるため注意が必要です。

マップで移動距離を調べるアプリでは「不動産の表示に関する公正競争規約」が採用されていませんが、時間のずれに大きな差はありません。

この1分=80mの基準についてですが、ハイヒールを履いた女性の平均速度で、正確には分速80.3mです。当初は男性の歩行速度の1分=100mを検討していたようでしたが、早歩きがしにくいハイヒールで職員が実際に歩き、計測した速さは1分=80mということで、以後不動産業界では1分=80mが定着しました。

道路距離≠直線距離

表示ルールにおいて徒歩表記は直線距離ではなく、道路距離で考えます。

道路距離とは実際に歩く道のりであり、建物や横断歩道を無視して測る距離ではありません。そのため、駅から直線距離10mの近さでも、道路距離で大回りしなければならないケースがあります。

また、人の混雑や交通量の多いエリアで渋滞をしても距離は考慮されていません。目的地である不動産まで距離が近いと思っても、案外遠くに感じてしまうものです。

不動産情報にある徒歩の所要時間における注意点

不動産情報にある徒歩の所要時間と実際に歩いて計った時間と異なる要因として主なものを4つ紹介します。

信号

信号待ちの時間は、目的地である不動産の計測時間に含まれません。

駅から徒歩10分かかるエリアだと信号が1つや2つはあることでしょう。とくに歩行者用信号のみが動くエリアで、信号の切り替わりが遅い条件がそろうと時間は数分ずれてしまいます。通勤や通学の方は不動産情報をうのみにせず、少し早めの時間で出入りするように調整しましょう。

また、信号には踏切も含まれます。遮断機が下りて電車が通るまでの時間は含まれません。信号や踏切などで停止してしまうシチュエーションは、徒歩の所要時間に入らないのを把握していただければと存じます。

坂道

上り坂だと歩くのが遅くなり、下り坂だと歩くのが早くなるものですが、不動産情報の表記では考慮されません。

実際に歩いてみると、不動産情報に記載されていた所要時間よりも短かったり、長かったりします。

階段

階段の上り下りも、不動産情報の所要時間に含まれません。階段の段数が少なくて、段の幅が適度な広さであれば大きな差は出ないでしょう。

しかし、地域によっては数十段から数百段ある階段を通らなければいけなかったり、段の幅が狭すぎてゆっくりかつ慎重に上らなければいけなかったりします。

特に階段が苦手なお年を召した方や、歩行に困難を抱える方にとっては大幅な時間を取らせてしまうでしょう。もし該当する場合は、事前に周辺情報を調べておくか、不動産会社に問い合わせておくのがおすすめです。

物件から駅の出口までの距離

Googleマップで駅徒歩を検索すると、物件から駅の主要出口までの徒歩距離が表示されます。規約上は駅の出口が複数ある場合は、物件に一番近い出口から測った距離を採用することが認められています。

そのため、駅の出口によって物件までの距離が変わり、表記と実際の徒歩距離に誤差が生じることがあります。

まとめ

ここまで徒歩表記についてご説明してまいりましたが、疑問は解消されましたでしょうか。いずれにしても徒歩距離はあくまで目安として捉え、検討物件に住むこととなった際は、時間に余裕をもって過ごされることを推奨いたします。

今回はここまで、お読みいただき誠にありがとうございます。

 

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