皆様お世話になっております。
不動産流通システム【REDS】のエージェント、宅建士の大石です。
昨今、世間を騒がせている「住宅ローンの変動金利」について解説します。
(写真はイメージです)
住宅ローン金利はどんな仕組み?
そもそも住宅ローン金利の仕組みをご存知でしょうか?
簡単に言いますと「店頭金利」から「優遇金利」を差し引いて「実行金利」となり、この実行金利が皆様イメージする住宅ローンの金利になります。
この中で借りている間に変動がないものは「優遇金利」になります。住宅ローン金利が上がるということは「店頭金利」が上がるということでそれに引っ張られる形で「実行金利」も上がります。
ご存知かもしれませんが、この10月で多くの銀行の店頭金利が2.475%→2.625%と0.15%上がっております。
これを例にとると、もともと「店頭金利2.475%」で「優遇金利2%」、「実行金利0.475%」で借りていた人が店頭金利0.15%上がると、実行金利が0.475%+0.15%=0.625%となります。
たまに勘違いされる方がいらっしゃるのですが、これは新しくお借り入れする方だけではなく、現在借り入れをしている方の金利も上がります。
上記条件で5,000万円を35年間で借り入れていたとすると、0.475%で月々12万9,241円、0.625%で月々13万3,696円になるので、月で4,000円以上も支払いが変わってきます。
もちろん借り入れている金額が増えると、それ以上に支払いが変わってくるので、かなりの痛手となります。
このようなリスクは変動金利の場合は必ず付いて回ります。
そのため固定金利を選ぶ方や、変動金利と固定金利を組み合わせるミックスローンでリスクヘッジを行う方もいらっしゃいます。
変動金利・固定金利のメリット・デメリット
変動金利と固定金利のメリット・デメリットをそれぞれご説明します。
変動金利のメリット
- 初期の金利が低い:変動金利は一般的に固定金利よりも低めに設定されているため、初期の返済額を抑えることができます。
- 金利が低下すると返済額が減少する可能性がある:市場金利が下がれば、借りている住宅ローンの金利も下がり、返済額が減少することがあります。
ただし、今が超低金利といわれているので、こちらのメリットは昨今ではあまり享受されておりません。
変動金利のデメリット
- 金利上昇のリスク:金利は半年ごとに見直されることが一般的で、金利が上昇すれば将来的に返済額が増加します。予期せぬ金利上昇が家計に大きな負担をかける可能性があります。
- 返済額の安定性が低い:将来的にどれくらい返済することになるのかが予測しにくく、不安定です。
変動金利が向いている人
- 金利が低い時期に借りる場合:現在の金利が非常に低く、今後も大幅な上昇が見込まれないと判断できる場合は、変動金利が有利です。
- 短期間でローンを完済する予定のある人:短期間でローンを完済する、または繰り上げ返済を積極的に行う予定がある場合、変動金利の低い金利の恩恵を受けやすいでしょう。
- リスク許容度が高い人:将来的な金利上昇のリスクを許容できる場合に向いています。
固定金利のメリット
- 返済額が一定で安心:固定金利は借り入れ時の金利がずっと変わらないため、返済額が一定で家計管理がしやすく、将来の金利上昇を気にする必要がありません。
- 金利上昇の影響を受けない:将来的に金利が上昇しても、借り入れ時の金利が維持されるため、返済額が増えることはありません。
固定金利のデメリット
- 初期の金利が高い:固定金利は変動金利に比べて金利が高く設定されていることが多く、初期の返済額が変動金利に比べて大きくなります。
- 金利が下がっても恩恵がない:金利が下がったとしても、固定金利ではそれを享受できず、変動金利の方が結果的に有利になる場合もあります。
固定金利が向いている人
- 金利上昇のリスクを避けたい人:今後の金利上昇に対して不安がある人や、長期にわたって安定した返済計画を立てたい人に向いています。
- 長期で借り入れを考えている人:20年以上の長期の借り入れをする場合、金利が上昇する可能性を考慮して固定金利を選択する方が安全です。
- 家計が予測しやすい人:変動金利による返済額の増減に対応できる余裕が少ない場合、固定金利で毎月の支出を一定に保つ方が安心です。
結局、固定と変動ではどちらがおすすめか?
- 短期的なローンやリスクを取れる人には変動金利が有利:現在の金利が非常に低い状況であり、将来の金利上昇が少ないと予想されるなら、変動金利の方が月々の返済を抑えられます。
- 安定した長期返済計画を立てたい人には固定金利が安心:将来的な金利上昇のリスクを避けたい、または家計が予測しやすい方が安心な人には固定金利がおすすめです。
最終的には、金利上昇リスクをどれだけ受け入れられるかと返済計画の安定性を重視するかで判断することが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前半では金利の仕組み、後半では変動金利と固定金利のメリット・デメリットをご説明させていただきました。
金利が段階的に上がるといわれている中で、変動金利にするか固定金利にするか迷われるかと思います。金利が上がるとはいえまだまだ変動金利の方が安いので、そちらを選ばれる方が多いのですが、今後の情勢次第ではまた話が変わってくるやもしれません。
住宅ローンについてご不安な点がございましたら、宅建士・住宅ローンアドバイザーをもつ大石までぜひご相談くださいませ。
コメント