マンションの大規模修繕、かかる費用や修繕積立金の金額について解説 | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建士の島崎正輝です。

新築や中古を問わずマンションを購入する場合、知っておきたいのが十数年に1度行われる「大規模修繕」です。新築マンションであっても、建物や設備は劣化していきます。今回は、大規模修繕の必要な理由や費用、工程など、物件の購入の前に知っておきたい内容を考察します。

マンション大規模修繕

(画像はイメージです)

マンションの大規模修繕とは?

大規模修繕とは、古くなるに伴って劣化したマンションの建物や設備などを定期的に補修していくことです。普段から実施するのが難しい建物の本体を維持するための修理修繕や共用部分の改修をいいます。

何年ごとに行うかはマンションによって異なります。目安は13年から16年程度の周期で行うのが一般的です。

ただし修繕工事期間中の生活の不便さや修繕の費用負担など、マンションの所有者には結構負担がかかります。しかし、安全と価値の維持のためには決して欠かせないものです。

マンションの大規模修繕はなぜ必要?

マンションの大規模修繕が必要な理由はなんでしょうか? 大きく2つが挙げられます。

建物や設備は時間の経過とともに劣化するため

マンションの大規模修繕が必要な理由のひとつは、建物や設備は年月の経過で劣化するためです。新築のマンションでも、年数が経過すればしだいにさまざまな部分が壊れたり汚れたりするのは避けられません。

外壁や屋根は紫外線や風雨にさらされ、そして乾燥によるひび割れやタイルのはがれなどが必ず発生します。こうした経年劣化を定期的に保守することが、大規模修繕の大きな目的です。

経年劣化により修繕が必要になりやすい箇所は、次のようなものが挙げられます。

外壁、屋根、バルコニー、手すりなどの鉄部分、給排水配管、エレベーター、共用廊下・階段、エントランス、オートロック、インターホン、宅配ボックス、機械式駐車場、フェンス、専用使用部分、玄関扉、サッシ、窓枠、バルコニー、ルーフバルコニー、玄関ポーチ、1階の専用庭、専用使用駐車場、トランクルームなど

専有部分である玄関扉の内側や、給排水・ガス給湯配管などの専有部分にあたる箇所は、区分所有者が修繕しなければなりません。

資産価値を守るため

もうひとつの理由は、マンションの建物の資産価値を維持するためです。大規模修繕をしないままマンションの建物の経年劣化を放置すると、雨漏りや設備故障によって生活の支障をきたします。さらに見た目も悪くなります。また、故障や不具合などだけではなくて、設備の仕様が時代遅れになって、不便さを感じることにもなってきます。

マンションの生活のしやすさが損なわれると、その物件の価値も下がり、将来的には、売却したり賃貸したりしたときに、売却価格や家賃収入を下げざるを得なくなります。このような事態を防ぐためにも、大規模修繕はとても重要な意味を持っているものなのです。

特に中古マンションの売買時には、大規模修繕の実施の有無、内容や大規模修繕計画の有無、過去の修繕履歴や将来の修繕計画を、売買契約時に行われる重要事項説明で買主に申し送りすることが義務付けられています。修繕が十分に行われているかどうかは、マンションを購入する側にとっては重要な要素のひとつなのです。

マンションの大規模修繕にかかる費用

では次に大規模修繕にはいくらくらいの費用がかかるのかを考察していきます。

大規模修繕にかかる費用は、マンションの大きさや構造などによって大きく異なります。ここでは国土交通省が公表している大規模修繕の「平均金額」を検証します。

国土交通省が平成29(2017)年に調査した結果によると、マンションの大規模修繕の一戸あたりにかかった費用で最も多かったのは75万~100万円(回答全体の30.6%)でした。次いで100万~125万円(同24.7%)、さらに50万~75万円(同13.8%)となっています。

この調査結果からわかるように大規模修繕は、最も多いケースで1回の大規模修繕で一戸あたり100万円前後かかるということになります。すると総戸数が100戸のマンションで考えた場合、大規模修繕にかかる費用は100万円×100=約1億円となります。ここから分かるように大きなお金が必要であることが分かります。

マンションの大規模修繕の費用は、区分所有者が毎月「修繕積立金」を積み立てていきます。この修繕積立金の平均金額は、平成30(2018)年度の調査では1万1,243円だそうです。

今後はこの平均金額が上がっていく可能性が高いと思われます。すでに平成25(2013)年度以前の調査と比較しても上昇傾向で、「積立額が大幅に不足している」と回答しているマンションが34.8%存在するそうです。

このほか修繕積立金が値上がりして支払いができなくなったり、経済的な事情で支払いが困難になったりした場合は滞納する前に管理組合と相談しましょう。修繕積立金の支払いの滞納が続くとマンション管理組合で大きな問題になり、マンションに住み続けることが困難になる場合があります。また、最悪訴訟に発展したりした場合には給与や口座が差し押さえられてしまうこともあります。

このような事態を防ぐために、支払いが厳しいと思ったら管理会社や管理組合などに早めに相談しましょう。対応はマンションによっていろいろ異なりますが、支払い日の延長、分納などを行ってもらえる可能性が十分にあります。支払いを免れることは残念ながらないので、管理費や修繕積立金の支払いが難しいようなら、マンションの売却の検討をすべきと考えます。

マンションの大規模修繕はどう行われる?

実際にマンションの大規模修繕がどのように行われるのでしょうか。

近年では、マンションの規模によって大規模修繕の流れは大きく2つあります。

まず、大規模なマンションの場合は、管理組合の中に「大規模修繕委員会」を発足する形式が増えています。一方、中規模マンション以下では、マンションの管理組合の「理事会」主導で、管理委託しているマンション管理会社と進める形式が一般的です。

簡単に触れましたが大規模修繕をご理解いただけましたら幸いです。

 

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