こんにちは。不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の髙坂美和です。本日は、不動産の「囲い込み」についてお話ししようと思います。
不動産の囲い込みとは、不動産仲介業者が売主から依頼を受けた物件を、他の仲介業者に紹介せず、自社だけで買主を見つけようとする行為を指します。この行為は売主にとって不利になることが多く、業界内でも問題視されています。
以下、囲い込みのメリットとデメリット、囲い込みを避けるにはどうすればいいのかなどについて解説します。
(写真はイメージです)
囲い込みのメリットとデメリット
囲い込みのメリットとデメリットをそれぞれ2つ紹介します。
囲い込みのメリット
- 仲介手数料の独占:仲介業者は売主と買主の両方から手数料を得ることができるため、収益が増加します。
- 取引のコントロール:取引全体を自社で管理できるため、スムーズな進行が期待できます。
囲い込みのデメリット
- 売主の利益の損失:他の仲介業者に物件を紹介しないため、買主の選択肢が狭まり、結果として売主が得られる価格が低くなる可能性があります。
- 市場の透明性の欠如:囲い込みは市場の透明性を損ない、公正な取引を妨げる要因となります。
囲い込みに遭わない対策
囲い込みに遭ったら売主の方に被害が大きいのですが、どのようにしたら遭わないで済むのでしょうか。考えられる方法を6つ紹介しましょう。
1.複数の仲介業者に依頼
ひとつの仲介業者に依頼するのではなく、複数の業者に依頼することで囲い込みを防ぐことができます。これにより、物件が広く市場に出回り、より多くの買主にアプローチできます。
2.専任媒介契約の見直し
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶ際には、囲い込みを防ぐための条項を契約に盛り込むといいでしょう。例えば「一定期間内に他の業者にも物件情報を公開する義務を設ける」などの対策が考えられます。
3.仲介業者の選定
信頼できる仲介業者を選ぶことも重要です。過去の実績や評判を確認し、透明性のある取引を行う業者を選びましょう。また、口コミやレビューを参考にすることも有効です。
4.レインズの活用
レインズ(Real Estate Information Network System)に物件情報を登録することで、他の仲介業者にも情報が共有され、囲い込みのリスクを減らすことができます。専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ場合、仲介業者は物件情報をレインズに登録する義務があります。
5.取引状況の確認
仲介業者に対して、物件の取引状況や他の買主からの申し込み状況について詳細な説明を求めましょう。透明性のある情報提供を求めることで、囲い込みのリスクを減らすことができます。
6.監視機関への相談
囲い込みが疑われる場合や不正行為が発覚した場合には、監視機関や消費者保護団体に相談することも有効です。これにより、適切な対応が取られる可能性が高まります。
これらのポイントに注意することで、囲い込みのリスクを減らし、より公正で透明性のある不動産取引を行うことができます。
国土交通省も対策開始
2025年から、日本では不動産売買仲介における囲い込み行為に対する罰則が強化される予定です。国土交通省は、宅地建物取引業法の通達を改正し、囲い込み行為が確認された場合には是正の指示処分の対象とすることを発表しました。
<新しい罰則の内容>
- 指示処分:囲い込み行為が確認された場合、まずは是正の指示が行われます。これにより、違反行為の是正が求められます。
- 業務停止命令:重大な違反や繰り返しの違反があった場合には、一定期間の業務停止命令が科されることがあります。
- 罰金:高額の罰金が課されることもあり、違反の程度に応じて段階的に設定される見込みです。
- 免許取り消し:特に悪質な場合や再犯の場合には、宅地建物取引業者免許の取り消しが行われることもあります。
この新しい規制により、不動産業界の透明性が向上し、公正な取引が促進されることが期待されています。囲い込み行為が減少することで、売主や買主の利益が守られ、業界全体の信頼性が向上するでしょう。
囲い込みはなぜいけないのか
囲い込みは、短期的には仲介業者にとって利益をもたらすかもしれませんが、長期的には業界全体の信頼性を損なうリスクがあります。売主や買主が不動産取引に対して不信感を抱くようになると、業界全体の健全な発展が妨げられる可能性があります。
囲い込みを防止することは、売主や買主の利益を守るだけでなく、不動産市場全体の健全な発展にも寄与します。透明性のある取引が増えることで、信頼性が向上し、より多くの人々が安心して不動産取引を行えるようになるでしょう。
こうした対策を実施することで、囲い込みの問題を効果的に防止し、公正で透明性のある不動産取引を実現することができます。売主としても、業界全体としても、積極的に取り組むことが求められます。
まとめ
囲い込みは、不動産売買仲介において避けるべき行為です。売主や買主の利益を最優先に考え、公正で透明性のある取引を実現するためには、業界全体での取り組みが不可欠です。
売主としては、複数の仲介業者に依頼することや、契約内容を慎重に確認することが重要です。また、業界としても倫理規定の強化や情報共有の促進を通じて、囲い込みの防止に努める必要があります。
このように、囲い込みの問題を理解し、適切な対策を講じましょう。
最後に**REDSの囲い込みをしない活動
私たちREDSは、お客様の利益を第一優先に仲介活動を行います。仲介手数料の割引・無料はもちろんのこと、「囲い込み」は一切おこないません。
囲い込みの防止策について上記にて説明いたしましたが、防止策のひとつである“複数の会社に依頼をする”ことで、自然と手間が増え、お客様の貴重な時間を無駄にすることになってしまいます。
「囲い込みはしてほしくないけど、手間をかけたくないから1社に依頼をしたい…」
そんなお客様の願いを叶えることができるのが、私たちREDSです!
REDSでは、売却をご依頼いただいた物件情報をすぐに不動産流通機構の情報システムであるレインズに登録し、全国の不動産会社に向けて一斉に販売を開始します。また物件をお探しの方に対しても、こちらの都合で紹介する物件を制限することはありません。REDSならではの戦略でお客様の利益を最大化いたします。
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