戸建ての建築前に行う地盤調査とは? その必要性や改良工法、費用について解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは。仲介手数料が必ず割引・最大無料の「不動産流通システム」、REDSエージェント、宅建士の戸村麻衣子です。

日本は言わずと知れた地震大国。最近は弊社の営業エリアである1都3県でも小さな地震が頻発しているように思われます。

地震に強い家を建てる、というのはどのメーカーや工務店でも掲げる目標のひとつです。建物構造はもちろんですが、そもそも、その家が建つ土地は地震に強いのか……。それを調べるのが地盤調査です。本日はその地盤調査についてお話しします。

地盤調査

地盤調査はなぜ必要なのか

「地盤」とは、建造物・施設物等の基礎となる土地のことをさします。頑丈な土地であれば改良工事は必要ない場合もあるのですが、軟弱地盤と呼ばれるような、柔らかい粘土や砂でできた地盤の上に家を建てると、地震のときに液状化したり、家の重さに耐えられず、家が傾く原因にもなったりします。

2000年に住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が施行され、引き渡し後10年以内に住宅に瑕疵(工事不備による欠陥など)が見つかった場合は、無償で補修などをしなくてはならないという瑕疵担保責任が課されるようになりました。補修費用に備える瑕疵担保保険に事業者が加入するためには地盤調査をする必要があるため、原則として家を建てる前には地盤調査が行われます(法律的な義務がある訳ではありません)。

最初から地盤の固い土地であればいいのですが、こればかりは調べないとわからないもので、どの現場にも調査が入ります。ハウスメーカー勤務時代、新築戸建て建設時に地盤業者さんに言われたのは「地盤はたとえ隣の土地であっても違うことがあるからね! 調べなきゃわかんないよ」でした。

また、同じ土地であっても建て直しの際には再度、地盤調査します。「家の構造の重要な部分の地盤がどうなっているか」を調べているのです。間取りや工法が変われば家にとって重要な「柱」が建つ場所も変わります。地盤調査は、家の構造上重要な「柱(四隅)」の個所を調査しているため、新しい家を建てるたびに調査しなければならないのです。

地盤調査の方法

地盤調査の方法で最も一般的なものはSWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)です。

一般的には家の四隅と真ん中の5ポイントを10mくらいの深さまで計測し、地質改良が必要か確認します。費用はだいたい5万円程度です(現在は価格高騰もあり、もう少し高くなっている可能性があります)。

SWS試験以外ではボーリング調査などもありますが、費用が25万~30万円程度することもあり、建物の荷重を考えても、一般的な個人宅の場合はより詳しいボーリング調査まで行う必要はありません。

SWS試験はおおよそ半日程度です。詳細調査結果は後日となりますが、大まかな判断(地盤改良工事が必要かどうか)は調査直後にできるそうです。

中古戸建ての場合の調査

2000年以降の物件であれば大抵は地盤調査を行っているので、売主様に調査報告書や改良工事報告書が残っていないか確認しましょう。だいたい皆さん保管していらっしゃいます。

2000年より前となるとほとんど調査されていないと思われるため、もし資料があるのであれば、かなり良質な物件といえます。

しかし、基本的にはないものと考えるのが妥当です。ない場合はSWS試験など行うのがベストですが、売主様が行うことはまずありえないと思いますし、すでに建っている建物の主要柱部分の地盤を調べることは不可能です。

その場合、以下のサイトなどで周辺の地盤情報を得ることができます。

該当の個所に近い場所での調査結果があれば、購入される予定の土地周辺の大まかな地盤情報は得られるかと思います。

地盤調査結果で問題があった場合、新築や建て替えなどは改良工事が必要です。中古物件についてはご購入判断のひとつになると思われます。

地盤改良工事とその費用

新築や建て替えの場合の地盤改良工事には以下の方法があります。

表層改良工法

比較的浅い場所に硬い地盤がある地層に適しており、深さ2m程度までを掘ってセメント系の固化材を流し込み、地盤を補強します。弱い地盤が地表から2m以内に収まっていれば、この工法を用いることが可能です。建物の面積約20坪に対し、50万円程度が相場となります。

柱状改良工法

表層改良で強度を出すのが難しい地盤の場合、地面に開けた穴へセメント・水・土を流し込み、地中でコンクリート製の柱にする地盤補強をします。弱い地盤が地表から8m以内に収まっていれば、この工法が選択されます。建物の面積約20坪に対し、100万円程度が相場です。

安定した支持層まで打ち込む方法もありますが、戸建ての場合はそこまで打たず、4mほどで済ませる方法もあるそうです。支持層まで打たなくても地震の際に数十本の柱(この場合、土の中に作ったコンクリート製の柱)と土が摩擦を起こすことで、柱の注入された土の部分が一体化し、家の揺れをおさえることができるそうです。

鋼管杭工法

地面に開けた穴へ鋼管を打ち込み、地盤を補強する方法です。地表から30m程度の深い地層まで地盤を補強でき、工事期間も短めで作業場所が狭くても施工できます。「柱状改良工法」ではコンクリートでしたが、代わりに鋼管を使用しています。建物の面積約20坪に対し、100万円程度が相場です。

以上の工法の中で、どれを選択するか、というのは、その土地の状態によります。個人の希望で決められるものではないので、業者の方に最適な方法を提案してもらいましょう。

最後に

地盤調査は新築戸建てには必要な調査です。せっかく建てた(購入した)家で安心して暮らすためにも、調査を行い、改良工事が必要なことも見込んで予算を組み立てることをお勧めします。

REDSではお客様にいいことも悪いこともきちんとお話しして売却・購入に携わる「正直不動産」営業です。お客様に接する営業全員が宅建士であるREDSエージェントにお気軽にご相談ください!

 

Source

コメント

タイトルとURLをコピーしました