正しい意思決定のために! 不動産価格上昇の仕組みを具体的に解説 | 仲介手数料無料のREDS

最近の不動産価格上昇相場の中では、多くの買主様にとって新規物件は常に「この物件高いよね」と感じる状況が続いていると思います。今後の状況を予測するのも難しい状況ですね。

しかしながら、将来の相場変動についての不透明性はいつも同じです。この点も購入、売却を難しくしていますが、この不透明性はすべての相場に共通する難易度の高い問題です。

そこで、今回は最近の価格上昇をわかりやすく理解するため、とあるマンションの相場変動を例にご説明します。価格上昇の仕組みの理解を深めておくことは、正しい購入判断の一助になると考えています。

モデルを単純化することで、購入可否に対する正しい選択をするための基準を持っていただければ嬉しいというのが今回のブログの狙いです。以下は仮想事例ですが、直近の相場を参考にしています。

マンションの価格

Aマンション:品川区10階建すべてのお部屋50㎡

成約事例(1):2019年1月、3階、5,000万円で成約

2019年3月にAマンションの別部屋の所有者が、同じく3階のお部屋を売りたいと思った時に「いくらで売りに出そうと思うか」、この点が重要です。

「1月に5,000万円で売れたなら、5,180万円で売り出してみよう!」

これは売主目線からすると当然ですよね! これが直近数年、都内で繰り返されてきました。

成約事例(2):2019年3月、3階、5,180万円で成約

この場合、3か月で3.6%の上昇ということになります。直近の首都圏の不動産市場は、下値を固めるということが繰り返されています。

2019年6月に同じくAマンション別部屋の所有者が3階のお部屋を売りたいと考えたとき、「5,280万円で売ろう!」というのも普通ですよね! これも難なく売れました。

成約事例(3):2019年6月、3階、5,280万円で成約

6か月で5.6%の上昇ということです。2019年9月に同じくAマンション別部屋の所有者が3階のお部屋を売りたいと考えたとき「5,480万円で売ろう!」となるのも普通ですよね!

成約事例(4):2019年9月、3階、5,480万円で成約

9か月で9.6%の上昇ということです。2019年12月に同じく別のAマンション所有者が3階のお部屋を売りたいと考えたとき「5,680万円で売ろう!」となる、これも普通ですよね!

成約事例(5):2019年12月、3階、5,680万円で成約

12か月で13.6%の上昇ということです。このような流れの繰り返しが、近年首都圏での不動産価格上昇の大きな要因の一つと考えられます。前年同月比で10%の価格上昇が認められた地域の場合、1年前は8,000万円だったお部屋が8,800万円で売りに出る。そしてこの価格で成約するというのが、近年の上昇相場の中で実際に起こっていることです。一般的な感覚からすると、「高すぎ」と感じてしまうと思いますし、この感覚は正常です。

東京のマンションの成約㎡単価推移

以下は、直近の東京都区部のマンションの成約㎡単価前年同月比の推移です(公財東日本不動産流通機構のデータの引用)。

■中古マンション成約㎡単価の前年同月比(2021年5月)
東京都区部13.4%の上昇

■中古マンション成約㎡単価の前年同月比(2022年5月)
東京都区部9.4%の上昇

■中古マンション成約㎡単価の前年同月比(2023年5月)
東京都区部8.2%の上昇

今後この傾向がどのように推移していくかを予測することは非常に難しいですが、直近の上昇相場を具体的な数字でご確認いただければと思います。

例えば、2021年からお住まい探しを継続のお客様にとっては、購入意欲が削がれるほどの価格の変動ですが、相場の流れには逆らうことができないということです。直近の上昇相場の中で、過去の成約事例を重要な要因と考えると、多くの購入者が買えない状況が続いるといえるかもしれません。

まとめ

しかし現実は、高くても売れるという状況に支えられ、上昇相場が継続しているということです。過去の成約事例を判断基準にする際には、あくまで過去の事例という意識をもって、そこからどの程度の上昇乖離があるかという観点からの検討が必要ということです。1年で10%の上昇が市場で形成されても適正相場、ということもありえるのです。

この点を踏まえて判断しなければ、なかなか新居の購入ができないということになってしまうのではないかと考えています。簡単な購入環境ではないと思いますが、そのような時こそ頼れる専門家に相談することが重要ではないでしょうか。相場を適切に理解することは、お住まい探しの成否に直結する重要な要因といって間違いないと思います。

 

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