REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの渡部です。
この度、東京23区北部の中古マンションの売却の依頼をいただき、すぐに購入申込をいただき、無事に成約となりました。
価格は満額での成約となりました。
レインズ(業者間の物件のデータベース)に掲載してから売買契約まで要した期間は約2週間でした。
中古マンションの場合購入申込から売買契約までの間に物件の調査・書類作成等の準備で1週間程度の期間を要することが多いです。
レインズへの登録から2週間で成約というとほぼ「最短」に近いスケジュールと言えます。
ところでこちらの物件を売主様が売り出したのは昨年の夏頃でした。
そこから計算するとおよそ6カ月強時間がかかった計算です。
以前は別の仲介会社様が6カ月間専任で販売していました。
ただ月に数件ぽつぽつと顧客の内見が入るくらいで全く成果が出なかったそうです。
媒介契約の期間が3か月間、二度目の更新を迎えるにあたり弊社に販売の窓口を変更し、すぐに成果が出た形となりました。
弊社に切り替えるにあたり売主様から販売価格について意見を求められました。
以前の6カ月間の間に数度価格を見直したそうですが、結果が出ず少し弱気になられていたところもあったでしょうか。
ただデータをもとに査定してみると販売価格は妥当な水準で、相場から乖離していませんでした。
そこで【このままの販売価格を継続するべき】と提案させていただきました。
不動産は価格が安くなれば安くなるほど売れやすくなります。
売れていない物件の価格を安くすれば売れやすくなるのは当然です。
しかし少しでも高く売るのが売主様側のエージェントとしての「使命」です。
現在の販売価格は相場の水準だから急ぐ事情がないならばこのままの価格で勝負した方がよい。
そう提案させていただきご納得をいただいて販売をスタートすることになりました。
そしてそこから2週間程度で不動産会社のオフィスで買主様と対面し、契約書に署名捺印することになりました。
価格は販売価格=満額での成約となりました。
私個人でもこうした【業者変更】後にすぐに成約する例はかなり経験しています。
弊社全体でみると相当な数になると思います。
それまで全く売れる気配がなかった物件が、販売の窓口を弊社に変更しただけで嘘のようにすぐに売れてしまう。
なぜこのようなことが生じるのでしょうか?
理由を少し考えてみたいと思います。
※なお、弊社の前に半年間販売の窓口になっていた業者様は、TVCMも頻繁に流している「マンションの販売に強い」ことをアピールされている大手業者様でした。
一つは、「囲い込みをしない」ことです。
自社顧客での【両手仲介】を狙って他社様経由のお客様を排除する【囲い込み】は、当然ながら顧客の目に物件が触れる機会を失わせ、売れるものが売れなくなります。
以前の業者様が囲い込みをしていたかどうかは分かりませんが、少なくとも依頼を受けてからすぐに物件情報をオープンにして広く他業者様の情報網にも乗せたことは早期売却につながったと思います。
二つ目は、「それ(=囲い込みをしないこと)が他の仲介会社にすぐに分かること」です。
囲い込みは巧妙な【技術】を駆使して、あの手この手で行われます。
外部の不動産会社からは、それが囲い込まれている物件なのかを客観的に知る術はありません(推測できる事情、疑わしい指標などは幾つもあります)。
ただ「囲い込まれていない物件」を客観的に知る術はあります。
それは「広告掲載を他社に認めるかどうか」で判断することができます。
広告掲載を他社に認める=他社経由のお客様もwelcomeです!という(業者間では)分かりやすいサインになります。
自社のお客様に物件を紹介するにあたり、「囲い込みにあうリスクがない」というのは非常に大きく、積極的に他業者様も動いてくれることになります。
三つ目は、「広告の量が増えたこと」です。
当物件も物件情報をオープンにするとすぐに膨大な広告掲載の依頼が届きました。
現地の業者間での写真撮影の順番の交通整理が必要だったほどでした。
最終的に契約になった買主様は直接の広告による反響客ではなく、仲介業者様が直接物件を勧めてくれた方でした。
しかし広告からの反響、内見依頼が複数届いていたことが買主様の価格交渉の誘惑を断念させ、満額での購入申込へとつながりました。
その意味で広告の量が増えたことは高値での売却に確実に意味がありました。
他にも担当者レベルでの成約に向けた準備(ポイントを押さえた準備をしないとせっかく物件を気に入るお客様が現れてもなかなか契約をまとめることはできません)の差などもあったのかもしれません。
ただ「内見が月に数件あるかどうか」という状態だったそうですから、もっと根本的な、「物件の売却のシステム」や「販売手法の差異」が結果につながったのだと思います。
売主様には弊社に変更したことによる「違い」として、各種ポータルサイトなどで物件の広告の量が増えることを予告し、ご自身で確認していただきました。
今まで売れなかった物件がなぜ売れたのか。その理由のすべてではないにせよ一部はご理解いただけました。
このように販売のプロセスを理解していただき、最終的な結果に「納得」していただくことが不動産取引で必要とされていることだと感じます。
相場の動きや販売価格と相場価格との乖離など、物件が売れない原因は他にもあります。
ただ不動産会社の選択が原因で売れる物件が売れない物件になってしまうことは絶対に避けなければなりませんし、避けることができます。
これから物件の売却を検討される方も現在物件を販売中の方も、不動産会社選びは慎重に、十分注意して行うことをお勧めします。
参考になれば幸いです。
渡部
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