東京の街⑥【葛飾区】歴史・特徴・人気の街を詳しく解説 | 仲介手数料無料のREDS

REDSエージェント、宅建マイスターの渡部です。REDSエージェントがご紹介する【東京の街】シリーズ。
今回は東京都葛飾区をご紹介します。

葛飾区

(写真はイメージです)

葛飾区の区名の由来

【葛飾】という地名は古代にまで遡る古いものです。

万葉集に、

「勝鹿(葛飾)の 真間の井見れば 立ち平し 水汲ましけむ 手児奈し思ほふ」
~『万葉集』巻第9 高橋虫麻呂~

という歌があるそうです。

東京の葛飾区ではなく現在の千葉県市川市真間についての歌ですが、地名としての「葛飾」はかなり古いものであることが分かります。

古代律令国家の時代の下総国は現在の千葉県の北部、茨城県南西部、東京都東部となる範囲にありましたが、その西端に「葛飾郡」がありました。葛飾郡は現在の東京都墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区、千葉県市川市・船橋市西部、北は埼玉県杉戸町、茨城県五霞町の範囲に及んでいました。

千葉県の市川市・浦安市・松戸市・流山市・我孫子市・柏市などのエリアを【東葛地域】と呼びますが、「東京の葛飾区から見て東側のエリアである」という理由でこう呼ばれるわけではありません。おおむね旧江戸川を境に東側のエリアが「東葛飾郡」、西側のエリアが「葛西郡」とされていた時代があり、東葛飾=東葛です。

「葛西」と言えば、東西線の葛西駅、西葛西駅など現在は江戸川区の地域ですが、この時代の「葛西」は現在の葛飾区と江戸川区の全部、墨田区の一部を含んだ広い地域でした。西葛飾=葛西です。葛飾はもともと広い地域の名称で、現在の東京都葛飾区もその一部でした。

こうした経緯から、例えば「葛飾小学校」という小学校は葛飾区と千葉県船橋市にあります。船橋市には「葛飾町」がありますし、地域の歴史を感じることができます。「葛飾」の語源については様々な説があるようですが、「葛(カズラ)が繁り、それに飾られた土地」であるから、という説が有力なようです。

葛飾区の歴史

葛飾区は、古くから豊かな水源に恵まれた農村地帯として栄えてきました。平安時代末期から鎌倉時代にかけては、葛西氏が支配し、「葛西御厨」と呼ばれる伊勢神宮に寄進された荘園を形成していました。江戸時代になると、幕府直轄の農村地として整備され、葛西用水や上下之割用水などの灌漑用水が開削されました。

明治時代になると、鉄道の開通や工業の発展により、葛飾区も急速に発展していきました。特に、中川や江戸川などの河川沿いには、化学工業や食品工業などの工場が集積。第二次世界大戦後は、人口の増加とともに、住宅地や商業地が拡大していきました。

葛飾区の地質

葛飾区は、全域が低地と微高地(自然堤防)で構成されています。低地部は、荒川・中川・江戸川の過去幾度かの氾濫によって発達した氾濫低地で、部分的に東京湾(以前はかなり内陸に入り込んでいた)を由来とする海岸低地性の地形(砂分が多い)が混在しているとも言われています。

地表には河川が形づくった地形が多く残されており、また、葛飾区の全域には沖積層が厚く堆積しています。葛飾区の地下水位は一般に比較的高く、地域にもよりますがおおむね地下1~3m程度に存在している場合があります。地下水位が高いため、軟弱な粘土やシルトが厚く分布しており、長期的な沈下(圧密沈下)が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる場合があります。建築や土木工事を行う際には、地質調査を実施し、適切な対策を講じる必要があります。

葛飾区の街のご紹介

葛飾区は「下町情緒あふれる地域」ですとか「昔ながらの人情味溢れた地域」などと形容されることが多いです。漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(葛飾区亀有)や映画『男はつらいよ』シリーズ(葛飾区柴又)の舞台になっていることでも有名です。再開発も進んでいますが、昔ながらの商店街などが残っている地域も多いです。そんな葛飾区からいくつかの街をご紹介させていただきます。

新小岩

JR総武線の快速と各駅停車が停まる新小岩駅は、区内で最も乗降客数の多い駅です。駅南側には「新小岩ルミエール商店街」「新小岩銀座商店街」「新小岩ドリームウェィ商店街」などがあり、多くの商店で賑わっています。

新小岩は住宅ローン専門の金融会社ARUHIが主催する【ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞】2023年度で、関東地区で第3位になりました。審査基準のうち、「発展性」「交通の利便性」で高い評価を受けました。現在駅周辺では大掛かりな再開発計画が進んでおり、より一層街の魅力が高まることが期待されます。

亀有

JR常磐線の停車駅亀有エリアは葛飾区内でも有数の商業地域です。長期間にわたった南口の再開発が完了し、イトーヨーカドーや多目的ホール「かめあり リリオ・ホール」ができました。さらに大型ショッピングモール「アリオ亀有」ができ、活況を呈しています。

再開発エリアを離れると個人商店からなる商店街が充実しています。近代的な街の魅力と昔ながらの商店街の人情を感じられる街です。

京成高砂

京成電鉄の本線・金町線・成田空港線と北総鉄道の北総線が乗り入れている京成高砂駅。京成線の中核的な駅で、その交通の利便性は高いです。特に成田空港や羽田空港へのアクセスが良いので空港をよく利用される方にはお勧めしたいエリアです。

新小岩や亀有のようなJR駅に比べると商業地域の面積は小さいですが、駅周辺には大きなスーパーマーケットがあります。少し駅から離れると閑静な住宅地となっています。

金町

JR常磐積金町駅と、京成金町線京成金町駅からなる金町エリア。再開発により駅前が整備され、南口にはタワーマンション内に葛飾区立中央図書館があります。駅周辺に大型の商業施設があり、少し離れると東京23区内に最大規模の面積を誇る都立水元公園があります。

マンションが増えて新規に移住する世帯が増えています。また金町といえば「金町浄水場」が有名です。江戸川の水を取水して浄化し、都内約250万人に水を供給しています。

葛飾区の特徴や今後について

葛飾区の面積は約34.8㎢で、23区内では第7位の面積です。令和5年1月現在の人口は約46.4万人で23区のランキングで第9位です。

葛飾区は程よい都心からの距離と水や緑の多い環境から、ファミリー層を中心に今後も安定した需要を保ち続けるでしょう。

第二次世界大戦では区内の多くのエリアが戦災を免れたため、被害の大きかった墨田区、台東区、江東区などから多くの人々が移住してきて、現在につながる葛飾区の「下町の気風」が育ったとも言われています。漫画やアニメ、映画でも描かれてきた葛飾区の【下町情緒】は区の歴史的・文化的な資産であり、今後そうした資産を保護し、発展させ、継承しながら街の魅力度を高めていくことが期待されます。

 

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