菅野です。
今回は、オリンピックと景気について考えます。
日本では今まで、3回オリンピックが開かれています。
・1964年東京オリンピック
・1972年札幌オリンピック
・1998年長野オリンピック
実は、3回とも、その後に不況が訪れています。
1964年はオリンピック不況ともいわれ、過剰投資による製造業の倒産が相次ぎました。
1972年札幌オリンピックの後は「オイルショック」です。私の母もトイレットペーパーを買いにいったそうです。
オイルショックは、第四次中東戦争をきっかけにアラブ諸国が原油価格を引き上げたことでインフレが加速、「狂乱物価」と言われるような年23%の物価上昇が起こり、戦後初のマイナス成長となったという、インフレ不況(スタグフレーション)です。
この事態を見ていた官僚や政治家が「羹に懲りて膾を吹く」ような政策を行ったせいで、バブル崩壊からの平成デフレ不況につながったというのは、大変皮肉なものです。
そして、その平成不況の真っ只中で開催されたのが、1998年長野オリンピックです。
前年の1997年には「アジア通貨危機」が起こって韓国がデフォルトしそうになり、IMFと日本政府が動いてデフォルトを回避したのが、ちょうど開催直前の1月末で、すでに景気はよろしくなかったのです。しかし、その後ITバブルで一瞬景気が良くなったように見せかけてのIT株大暴落で、さらに日本経済はダメージを受け、暗いデフレへと続いていくことなります。
今回はどうなるのでしょうか。
2021年の株価は年初来からずっと25000円以上をキープし、バブル期以来の高値が続いています。
この株価を支えているのはなんなのでしょう?
恐らく、日銀ではないかと思います。
黒田総裁はなりふり構わずETFの買い入れを進めてきていましたが、株価が大きく下がった4月20日、日銀はETFの買い入れを行わなかったようです。
翌日さらに下がってやっと買い入れを行ったようですが、今、黒田さんは出口をどのようにするかを考えているのではないかと思われます。
オリンピック後、長く続いた金融緩和が静かに終わる、そんな雰囲気がそこはかとなく感じられます。
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