壁の構造はどうなっているの? 柱や断熱材についても解説 | 仲介手数料無料のREDS

こんにちは、REDSリフォーム、一級建築施工管理技士補の松本信明です。

私は住宅業界に40年以上かかわってきまして、大工として木造住宅の請負もしていました。今の住宅と昔の住宅の大きな違いは何かというと気密、断熱性能です。しかし、根本の構造は今も昔もほぼ変わっていないと思います。

今回は、住まいの構造の要である壁について詳しく説明します。

壁

壁の構造は大きく分けて3種類

住宅の壁構造はさまざまな方法で設計されていますが、構造の種類は大きく分けて3つです。「木造」「鉄骨構造」「鉄筋コンクリート造」、それぞれの特徴を比較してみました。

木造

木造住宅は、柱や壁などの主要部材に木材を使用した建築方法です。日本では気候や風土に合った木材が豊富にあり、古くから発展してきました。

代表的な2つの木造構造は「在来軸組工法」と「ツーバイフォー工法(2×4工法)」です。

  • 在来軸組工法:柱や梁を組み合わせて骨組みを作り、壁を取り付けて建築します。
  • ツーバイフォー工法:北米由来で、小断面のツーバイフォー材を使って骨組みを作ります。

木造のメリットは調湿効果がありデザイン性が高いこと、デメリットはシロアリや火災に弱く、老朽化が進みやすいことです。

鉄骨構造

鉄骨を使用して建築される鉄骨構造の住宅は強度が高く、耐震性や耐久性に優れています。

鉄骨構造には「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」があります。 重量鉄骨は高層ビルなどに使用され、軽量鉄骨は戸建て住宅に使用されます。

鉄骨構造のメリットは強度が大きく、間取りに自由度があること、デメリットはさびやすいため処理が必要なことです。

鉄筋コンクリート構造

コンクリートに鉄筋を組み合わせて作られる鉄筋コンクリート構造は耐火性に優れ、中層階のマンションなどで使用されます。

そのメリットは耐久性が高く品質が安定していること、デメリットは断熱対策が必要で建築コストが高めになることです。

木造住宅の壁には2種類

このように住宅には3種類の構造がありますが、木造は仕様に違いがあります。木造住宅の壁は、大別して「真壁」と「大壁」の2つの構造があります。

真壁

真壁とは、柱が室内に露出している構造です。壁と壁の間に柱を入れ、柱が見えるようにします。柱が見えることで和室らしい独特の雰囲気を醸し出します。

大壁

大壁は、壁が柱を覆い隠す構造です。柱の表面に壁を作り、柱を見えなくします。重厚感があり、洋室はほとんどがこの構造です。

和室の柱はカンナが命

昔の住宅のほとんどが真壁でした。最近では和室も大壁仕様の和室になってきており、真壁で設計している住宅は少なくなっています。

大工の仕事として、和室の柱は、化粧仕上げの柱が表に出ていますので、骨組みを作るにあたり、墨付け、きざみを行い、柱は電気カンナにて粗削りをし、表に見える部分は粗カンナ、仕上げカンナと使い、柱を仕上げます。

今は化粧仕上げしている柱が流通していますので、カンナを使う機会はほとんどなくなっています。私が若いころまでは、カンナで仕上げを行っていました。カンナの調子が悪いと、うまく仕上がらず、カンナ自体のメンテナンスがとても大事です。研ぎも嫌というほど行いました。

断熱材には2種類

住宅外面の壁内には、断熱材を入れなくてはなりません。壁の断熱材は主に繊維系と発泡プラスチック系の2つに分類されます。以下にそれぞれの特徴を簡単に説明します。

繊維系断熱材

  • グラスウール:木造住宅で最も一般的な断熱材。厚みがあり扱いやすい
  • ロックウール:燃えにくい性質を持ち、価格はやや高め。ヨーロッパの住宅でよく利用される
  • セルロースファイバー:古紙や段ボール、おがくずなどを原料とした断熱材。耐火性や防虫効果、防音性に優れる
  • インシュレーションボード:木材を加工して作られる断熱材で、吸音効果や調湿性に優れている

発泡プラスチック系断熱材

  • ポリエチレンフォーム:ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えた断熱材。入り組んだ場所に敷き詰めやすく、耐水性や吸音性に優れる
  • ビーズ法ポリスチレンフォーム:発泡スチロールの断熱材で、耐久性があるが、主に一部に使われる
  • 押出法ポリスチレンフォーム:ビーズ法ポリスチレンフォームと同じ原料の断熱材で、切断しやすく施工性が広い
  • 硬質ウレタンフォーム:現場で吹き付けるタイプの断熱材が多く、断熱性と耐久性が高い一方、燃えると有毒ガスが発生する
  • フェノールフォーム:フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を混ぜた断熱材で、高価だが耐熱性や耐水性に優れる

まとめ

昔と比べると、住宅の壁内の断熱仕様はよくなっています。

ただ、壁内の全てに断熱材が入っているわけではなく、木造住宅およびマンションの間仕切り壁の壁内に関しては、ほぼ断熱材は入れないため壁内はほぼ空洞になっています。

音が気になる場合は遮音シートを壁に張ることや、プラスターボードを2重、3重張りにして、音を遮断するといいでしょう。

 

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